1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:05:52 ID:l9aTFIxT0
さやか「ぽっちゃり系?」

恭介「うん」

さやか「つまりデブ専ってこと?」

恭介「デブじゃなくてぽっちゃり。ちょっとふくよかなくらいが好きだな」

さやか「ふ……ふぅん」

恭介「ウチのクラスにはそういう子っていなかったよね。さやかの知り合いにいない?」

さやか「いっ、いないって! そんなぽっちゃり系美人なんていないよ!?」

恭介「そうか……」ガッカリ

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:06:43 ID:gPc9+5K50
デブさんはぽっちゃりじゃないしな

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:13:50 ID:l9aTFIxT0
――――――
――――
――


さやか「……ってことがあったの」

まどか「上条くんってぽっちゃり系が好きだったんだ……」

ほむら「美樹さやかの体型はむしろスレンダーな方だから、なかなか厳しいわね」

杏子「あたしみたいに普段からモリモリ食べればいいんじゃねーのか?」バリボリ

マミ「食べれば食べただけ太る、というわけでもないのよ?」

さやか「確かに、そう言ってる杏子自身が全然太ってないし……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:19:40 ID:l9aTFIxT0
さやか「で、どうしたらいいと思う?」

杏子「なんとかして太ればいいじゃん」

さやか「そのなんとかが分からないから困ってるの……」

まどか「いっそ、上条くんに聞いてみたらいいんじゃないかな」

さやか「聞く?」

まどか「うん。どれくらいぽっちゃりが好みなのか。もしかしたら今のさやかちゃんが好きって言うかもしれないよ?」

さやか「え……い、いやぁ~それはないっしょ~///」

ほむら「何を照れているの、美樹さやか。気持ち悪いわ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:25:10 ID:l9aTFIxT0
マミ「それじゃ、善は急げと言うし……早速行きましょう」

さやか「行くって、どこへですか?」

マミ「決まってるじゃない。その上条くんが入院してる病院へ行くのよ」

さやか「!?」

まどか「私とさやかちゃん以外は初めて会うんだよね?」

マミ「ええ。美樹さんが好きになった男性がどんな人か、すごく興味があるわ」

さやか「いや、マミさんはちょっと……その……」

杏子「病院ってこんなカッコで行っていいの?」

ほむら「大丈夫」

杏子「へへ、良かった。服買う金なんて無いもんな」

ほむら「それも寂しいわね。今度何か買ってあげるわ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:32:09 ID:l9aTFIxT0
病院――


さやか「や、やっほー、恭介」

恭介「やあさやか。いつも来てくれてありがとう」

まどか「こんにちは、上条くんっ」

恭介「鹿目さん……久しぶりだね」

ほむら「……こんにちは」

恭介「こんにち……ん? 誰だっけ……クラスメイト?」

さやか「あっ、ごめんごめん、紹介してなかったね。この子は転校生なんだ。名前は暁美ほむら」

ほむら「暁美ほむらよ。よろしく」

恭介「う、うん、よろしく……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:38:26 ID:l9aTFIxT0
さやか「びっくりしたでしょ?」

恭介「当たり前じゃないか……ごめん、さやかが無理やり連れてきたんだろう?」

ほむら「気にしてないわ」

さやか「しかも、他にあと二人来てるの」

恭介「ええっ? ひ、人にあまり迷惑かけちゃ……」

ガラッ

杏子「ワリーワリー、売店でお菓子買ってたら遅れちまった」

マミ「もう、そのお金を出したのは私じゃない」

恭介「っ!?」

杏子「細かいこと気にすんなよー」

恭介「ちょ、さやか、ちょっ……!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:46:12 ID:l9aTFIxT0
恭介「こ、この人は誰だい!?」

さやか「ああ~、やっぱりこうなった……」

恭介「ねぇ誰!? どういう知り合い? どこの学校の人? 趣味は? 好きな食べ物は? 男性のタイプは?」

さやか「ちょ、ちょっと待って! そんな一気に言われても困るって!」

恭介「そ、そうか……ごめん、さやか」

マミ「……え、えっと。私は巴マミ、あなたや美樹さんの先輩よ。これからよろしくね」

恭介「よろしくお願いします!」

杏子「あたしは佐倉杏子。魔法少――」

恭介「それで、巴さんのご趣味は何ですか?」

杏子「聞けよオイ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:51:58 ID:l9aTFIxT0
さやか「恭介、がっつきすぎ!」

恭介「えっ……な、ななななんのことだい?」

さやか「いや、これを誤魔化すのは無理があるよ」

まどか「そうだよ。マミさんも困っちゃうよ?」

恭介「困るって……そうなんですか?」

マミ「……上条くん。私に興味を持ってくれるのは嬉しいけど」

恭介「けど?」

マミ「二人の言う通り、あまり積極的すぎるのもよくないわ。女の子はムードを大切にするものだから」

恭介「わっ、分かりました……すみません……」ショボン

マミ「あっ、そ、そんなに落ち込まなくてもいいのよ? 私もちょっと嬉しかったし……」

さやか「………………」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 21:59:19 ID:l9aTFIxT0
――
――――
――――――


さやか「ハァ……」ズーン

まどか「さ、さやかちゃん……」

マミ「その、美樹さん。何か、ごめんなさい……」

さやか「いいんです……ある程度予想はしてましたし」

杏子「いいじゃねーか、次の男を探せばさー」ボリボリ

ほむら「食べるのはいいけれど口を拭きなさい」フキフキ

杏子「むぐっ……や、やめろよ、ガキじゃねーんだ」

ほむら「いいから」フキフキ

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:04:34 ID:l9aTFIxT0
QB「やぁ、みんな」ヒョコッ

まどか「キュゥべぇ!?」

ほむら「インキュベーター……!」

QB「おっと、喧嘩腰にならないでほしいな、暁美ほむら」

マミ「キュゥべぇ、紅茶飲む?」

QB「うん、いただくよ」

杏子「何か用かよ。見ての通り、女子会の真っ最中だってのに」

QB「マミに呼ばれたんだ。ここに来てくれって」

さやか「えっ……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:14:48 ID:l9aTFIxT0
マミ「実は、キュゥべぇに……というか皆に相談したいことがあって」

まどか「マミさんが、私たちに?」

杏子「そんなの初めてじゃねーか?」

ほむら「是非聞かせて、巴マミ」

マミ「ええ……まあ、これは私の友達の話なんだけど」

マミ「その友達は……小さい頃からデブだとか太っちょだとか言われて、毎日のようにいじめられていたわ」

マミ「それがある時、とある男性に『太ってる方がいい』と、熱烈なアプローチを受けたの」

マミ「本気の気持ちが伝わってきて、正直、悪い気はしなかったみたい……むしろ、それに惹かれてたのかも」

マミ「……でもその男性は、実は可愛い後輩の意中の相手だったのよ」

マミ「だから、友達はその男性の気持ちに応えていいものか、迷ってるの。どうすればいいと思う?」

杏子「ふーん。その友達って誰なんだ?」

まどか「マミさんって、嘘がつけない人なんですね……」

さやか「もう勝ち目無いじゃん……」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:24:31 ID:l9aTFIxT0
マミ「キュゥべぇはどう思う?」

QB「質問を返すようだけど、どうして僕に聞くのかな?」

マミ「だって、私と一番付き合いが長いのはキュゥべぇだもの。昔いじめられてたことも……あっ!?」

QB「どうしたんだい?」

マミ「『私』って言っちゃったわ……///」

ほむら「元々隠せていなかったからどうでもいいわ。それより話の続きをしなさい」

まどか「そうだよ。キュゥべぇはどうなの?」

QB「……僕としては『このショックでさやかが魔女化するだろうから推奨したい』という思いが50%くらいかな」

杏子「それ言っていいのかよ……」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:33:55 ID:l9aTFIxT0
QB「あと『マミと結婚するのはマミとずっと一緒にいた僕が相応しい』が30%」

ほむら「ふ……ふざけないで!」

まどか「そうだよ! 人間とインキュベーターなんて……」

ほむら「結婚を考えるなら、別世界の彼女すら知っている私の方が相応しい」キリッ

まどか「え、えぇ~……そっち?」

QB「最後に『あんな男に娘はやれん』が20%だね」

杏子「やっぱり親バカだったか……」

QB「『やっぱり』って?」

杏子「この間マミの部屋行ったら、ベッドの下からマミの写真が山ほど出てきたからな」

まどか「きゅ、キュゥべぇ。それ、一歩間違うとストーカーだよ……」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:42:08 ID:l9aTFIxT0
QB「総合すると、僕はマミが上条恭介と付き合うのに賛成だ」

さやか「キュゥべぇ……アンタまで……」ズーン

マミ「いきなりお付き合いなんて……私、まだ誰とも付き合ったことないのよ?」

QB「最初はみんなそうだよ。産まれた瞬間から経験のある赤子なんていないさ」

マミ「た、確かに……でも、デートとか大丈夫かしら? 男の子の好みとか全然分からないのに……」

QB「上条恭介の退院まで、二人でゆっくりプランを考えればいいじゃないか。時間は沢山あるだろう?」

マミ「…………」

QB「どうしたんだい?」

マミ「いつも、キュゥべぇは頼りになるわね……」

QB「そうかな」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:47:04 ID:l9aTFIxT0
杏子「はい、あーん」

ほむら「あーん」

杏子「どうだ?」

ほむら「……なかなかおいしいわね」モグモグ

杏子「だろ?」

さやか「で……あんたたちは、何で食べさせあいっこしてんのよ」

杏子「え? ぼっちのマミに付き合う相手ができて、めでたしめでたしなんだろ?」

ほむら「そうね。特に懸念するところも無いし」

さやか「私が魔女になったらどうすんのよ!」

ほむら「甘えないで。気合でなんとかしなさい」

さやか「気合って……」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 22:56:34 ID:l9aTFIxT0
数日後――


マミ「上条くんと付き合うことになったわ……///」

まどか「おめでとう、マミさん!」パチパチ

ほむら「おめでとう」パチパチ

杏子「おめでとう!」パチパチ

QB「おめでとう」ペチペチ

さやか「おめ…………ヒグッ、グスッ」

ほむら「ちょっと誰、美樹さやかを呼んだのは。鬱陶しくてしょうがないわ」

杏子「あたしだよ。やっぱりめでたいことは人が多い方がいいと思ってさ……ダメだったのか?」

ほむら「……そう。あなたなりに気を使ったのね。それならいいわ」

まどか「い、いいのかな……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/28 23:03:41 ID:l9aTFIxT0
ほむら「やはり勝因は『ぽっちゃり』にあったようね」

マミ「そうかも……で、でもね」

ほむら「?」

マミ「『もし貴女が痩せても、僕はずっと貴女の側にいますよ』って……きゃぁぁどうしよう!!///」

ほむら「巴さん、先輩だけど言わせてください。うざいわ」

さやか「恭介ぇぇ……私には優しい言葉の一つもくれないくせにぃ……!」

杏子「次があるだろ。世の中広いんだ、さやかみたいな女の子が好みってヤツもどこかにいるって」

まどか「いくらなんでもドライすぎるよ、杏子ちゃん……」

ピピッ

マミ「あら、上条くんからメールだわ。『マミさんのふくよかな体を抱きしめたい』……やぁだもぉぉぉぉ///」


終わり。

引用元: さやか「恭介はどんな女の子が好み?」恭介「ぽっちゃり系」