1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 02:49:21.12 ID:JrUBKeCZ0
トントントン……
P「……真美」
真美「んー?」
P「いつもありがとうな。愛してるよ」
真美「……何言ってんの兄ちゃん、なんかヘンなものでも食べちゃった?
あんまり道に生えてるキノコとか食べちゃダメだよって、真美ずっと前から言ってるのに」
P「ち、違うって。ただ俺は、真美に感謝の気持ちをだな……」
真美「はいはーい。ご飯もーすぐだから、もちっと待っててね」
P「はい……」
P(おかしいな……)
P(妻にこう言えば泣くって、2chで見かけたんだけど)
P「……真美」
真美「んー?」
P「いつもありがとうな。愛してるよ」
真美「……何言ってんの兄ちゃん、なんかヘンなものでも食べちゃった?
あんまり道に生えてるキノコとか食べちゃダメだよって、真美ずっと前から言ってるのに」
P「ち、違うって。ただ俺は、真美に感謝の気持ちをだな……」
真美「はいはーい。ご飯もーすぐだから、もちっと待っててね」
P「はい……」
P(おかしいな……)
P(妻にこう言えば泣くって、2chで見かけたんだけど)
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 02:56:23.56 ID:JrUBKeCZ0
真美「……んっふっふ~♪」
P「……」
トントントン……
P(あれから十年……)
P(真美もすっかり美人さんになったな。
出会った頃はまだ小学生で、こーんなちんちくりんのちびっ子だったのに)
* * *
真美「さ、食べよ食べよっ!」
P「あ、ああ」
真美「どったの?」
P「……いや、なんでもないよ。いただきます」
真美「うん! いただきまーす!」
P「……」
トントントン……
P(あれから十年……)
P(真美もすっかり美人さんになったな。
出会った頃はまだ小学生で、こーんなちんちくりんのちびっ子だったのに)
* * *
真美「さ、食べよ食べよっ!」
P「あ、ああ」
真美「どったの?」
P「……いや、なんでもないよ。いただきます」
真美「うん! いただきまーす!」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:04:01.18 ID:JrUBKeCZ0
真美「……でさでさ! はるるんったらね、またお尻が……」
P「へぇ……」
真美「……」
P「そっか……」
真美「……あ・な・た~ん?」
P「!? ゲホッ、ゴホ! な、なんだ!? 急にヘンな声だすなよ」
真美「むぅ……ヘンなのはそっちっしょ?
なんでさっきから、テキトーな返事ばっかしてんの~!?」
P「テキトーって……そ、そんなにボーッとしてた?」
真美「してた」
P「……悪い。ちょっと昔のこと思い出しちゃってさ」
真美「昔のこと?」
P「うん。出会ったばかりの……そう、真美がまだおねしょしてた頃のこと」
真美「出会った頃──って、真美はおねしょなんてしてないもん!
してのは亜美だかんねっ!」
P「それは知らなかったな……」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:11:31.45 ID:JrUBKeCZ0
P「あの頃に比べてさ、真美、すごく綺麗になったなって思ったんだよ」
真美「……。……真美はあの頃から可愛かったっしょ?」
P「ん? ああ、まぁ、そうだね」
真美「……」
P「でも、今はもっとだよ。だから、幸せだなーって思って」
真美「……」モジモジ
P「……真美?」
真美「……もーらいっ!」ヒョイッ
P「あぁっ! おい返せ、俺のエビフライ!」
真美「律っちゃんはもう真美の口の中だもーん」モグモグ
P「ったく……そういうところは変わんないよな」
真美「んっふっふ~……♪」
真美「……。……真美はあの頃から可愛かったっしょ?」
P「ん? ああ、まぁ、そうだね」
真美「……」
P「でも、今はもっとだよ。だから、幸せだなーって思って」
真美「……」モジモジ
P「……真美?」
真美「……もーらいっ!」ヒョイッ
P「あぁっ! おい返せ、俺のエビフライ!」
真美「律っちゃんはもう真美の口の中だもーん」モグモグ
P「ったく……そういうところは変わんないよな」
真美「んっふっふ~……♪」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:18:02.05 ID:JrUBKeCZ0
「「ごちそーさまでした!」」
P「さて……」カチャカチャ
真美「兄ちゃん、今日は真美が食器洗いやるよ」
P「え? でも、今日は俺の番だろ? 前が真美だったし……」
真美「やっと北海道のロケから帰ってきたんだもん、疲れてるっしょ?」
P「だけど……」
真美「いーからいーから! ほらほら、あっちでテレビでも観てて!」
P「あ、ああ……それじゃあ、お言葉に甘えるかな」
* * *
ジャー……カチャカチャ……
P「……真美」
真美「んー?」
P「ありがとな。お前と結婚できて、幸せだよ」
真美「……真美もだよ」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:27:08.50 ID:JrUBKeCZ0
『……私最近、食器集めにはまってるんですよ!
えへへ、やっぱりこんな年になったし、そういうオシャレな趣味もいいかなーって』
『へ~素敵じゃない。どんな食器集めてるの?』
『まぁまだティーカップ一個なんですけどね』
『一個ォ!? それでよく趣味って言えたもんだなぁ!』
アハハハ……
P「あはは……春香のやつ、相変わらずだなぁ」
真美「ん」
P「ん? ああ」スッ
真美「……んっふっふ~」ポフン
P(真美が隣に座ってきた。まるでネコみたいだな)
真美「何観てんの?」
P「春香が出てるバラエティ番組」
真美「はるるん、すっかりバラドルになっちゃったね~」
P「ああ……楽しそうだ」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:34:20.21 ID:JrUBKeCZ0
アハハハ……
真美「……」
P「……真美、アイドルに戻りたいか?」
真美「……んーん」フルフル
P「……そっか」
真美「真美はいま、メッチャ幸せだから、それでいいよ」
P「大人になったな」
真美「真美は前からオトナっしょ?」
P「……ああ、たしかにそうだった」
真美「……」
P「……真美、アイドルに戻りたいか?」
真美「……んーん」フルフル
P「……そっか」
真美「真美はいま、メッチャ幸せだから、それでいいよ」
P「大人になったな」
真美「真美は前からオトナっしょ?」
P「……ああ、たしかにそうだった」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:40:25.94 ID:JrUBKeCZ0
『……それじゃ、そろそろ歌っていただきましょうか』
『うわぁ~、緊張しちゃうなぁ。ドキドキ』
『絶対緊張してないでしょ。はい、それではいきますよ!
天海春香さんで、今週発売される新曲──』
真美「……ね」クイクイ
P「どうした?」
真美「さっき兄ちゃん、『真美が綺麗になったから幸せ』って言ったっしょ?」
P「あー、うん」
真美「……じゃあさ」
真美「真美が、可愛くなかったら……幸せじゃなかった?」
P「……そんなわけないだろ」
真美「……だよね! えへへ……」
『……「さよならをありがとう」です、どうぞ……』
『うわぁ~、緊張しちゃうなぁ。ドキドキ』
『絶対緊張してないでしょ。はい、それではいきますよ!
天海春香さんで、今週発売される新曲──』
真美「……ね」クイクイ
P「どうした?」
真美「さっき兄ちゃん、『真美が綺麗になったから幸せ』って言ったっしょ?」
P「あー、うん」
真美「……じゃあさ」
真美「真美が、可愛くなかったら……幸せじゃなかった?」
P「……そんなわけないだろ」
真美「……だよね! えへへ……」
『……「さよならをありがとう」です、どうぞ……』
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:48:58.71 ID:JrUBKeCZ0
……みんな不安抱えながら進み続けるの
夢を語った日々が今 宝物だね
ずっとずっと……♪
真美「……っ」
P「……」
「いつもありがとう」
「大好きよ」
照れた顔が浮かんだ……♪
真美「……っ、……」
P(……真美が、泣いている)
涙で目の前 霞んでいく
でも幸せ……
P(涙は見えないけれど、きっと……泣いている)
P(……色んなこと、思い出してるのかもしれないな)
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:54:11.39 ID:JrUBKeCZ0
真美「……」ゴシゴシ
真美「な、泣いてないもん」
P「……うん」
真美「ホントだもん!」
P「わかってるよ」
真美「うー……」
P「……あのさ、真美」
真美「え?」
P「さっきな、俺……真美の泣かせてやろうって、思ってたんだよ」
真美「泣かせる? な、なんで……?」
P「……真美の泣き顔、最近ずーっと、見てなかったから」
真美「……」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 03:55:36.02 ID:JrUBKeCZ0
×P「さっきな、俺……真美の泣かせてやろうって、思ってたんだよ」
○P「さっきな、俺……真美を泣かせてやろうって、思ってたんだよ」
でオナシャス
○P「さっきな、俺……真美を泣かせてやろうって、思ってたんだよ」
でオナシャス
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:00:39.06 ID:JrUBKeCZ0
P「我慢、してたんだろ?」
真美「そ、そんなこと……」
P「真美は昔、泣き虫だったじゃないか」
真美「……そうだったっけ?」
P「そうだよ。嬉しいときには思いっきり笑って、悲しいときには思いっきり泣く子だった」
真美「……」
P「……今日、俺が北海道から帰ってきたときだって」
真美「……!」
P「真美、あんなに目を赤くしてたくせに──」
『お帰り、兄ちゃん!』
P「って言って、笑ってた」
真美「……今の、真美のマネ? 全然似てないっぽいよ~」
P「茶化すなって」
真美「……うん。ごめん……」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:06:26.09 ID:JrUBKeCZ0
真美「……」
P「……」
真美「……ほんとは、さみしいよ。おうちで、ひとりでいるの」
真美「亜美とかが、たまに遊びに来てくれるけど……」
真美「で、でも……!」
P「……真美、こっちおいで」
ぎゅぅ……
真美「……、……!」
P「……」
P(真美は元来、明るい子だ。周りを巻き込んで、無理矢理笑顔にするくらい)
P(そして……、これは、結婚してから気付いたことだけど)
P(その明るさと同じくらい、真美は……さみしがりやなんだ)
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:16:23.27 ID:JrUBKeCZ0
P(……こうして真美と結ばれるまで、俺達の間には、本当に色々なことがあった)
P(親や仲間達を、泣かせることもあった)
P(あの頃いた、ファンの皆だってそうだ。
突然、こんな形で消えていくことになった『双海真美』……)
P(『双海亜美』の片割れではない、他でもない真美自身を愛したファンのことを……)
P(結果として、俺達は裏切ることになった)
P(──だから俺は……、真美を、絶対に幸せにしてやりたい)
P(自分を責めて流した涙の分だけ、真美を幸せにしてやりたい)
P(それこそが、この道を選んだ俺の……責任だから)
P(……でもきっと、真美は)
P(俺がそう考えている、と、知っているんだろうな)
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:23:58.16 ID:JrUBKeCZ0
P(だから真美は、涙を流さない)
P(自分が泣くことで……。自分が今幸せじゃないと……、俺に思われることで)
P(俺に、余計なことを考えさせまいとして……)
P「……っ」
ぎゅぅぅ……
P「……真美。大丈夫だよ」
真美「え……?」
P「泣いてもいい。俺は、わかってるから」
真美「……っ」
P「そんなことで、勘違い、したり……、しないから……!」
真美「……う、う……!」
「うぇぇぇぇええ゛ん……!」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:26:47.12 ID:JrUBKeCZ0
* * *
真美「……ね、兄ちゃん。ぎゅってして」
P「……」
真美「……っ……そ、そんで、あたま、撫でて」
P「ああ……」
真美「……」
真美「えへへー……」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:30:38.38 ID:JrUBKeCZ0
真美「……泣き顔は、かわいくないよね」
P「そんなことないよ。真美はどんな顔だって可愛いさ」
真美「ま、まーたそんなこと言っちゃって……」
P「……なぁ、真美」
真美「ん?」
P「いま、幸せか?」
真美「……んー……」
真美「……」
真美「……うん。メッチャ幸せだよ」
P「……そっか」
真美「でもでも! こうしたら、もっと幸せになれるかもねっ!」
P「え? 何をするんだ?」
真美「んっふっふ~! 耳、貸して!」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:40:46.06 ID:JrUBKeCZ0
真美「ごにょごにょごにょ……」
P「……」
真美「……だめ?」
P「……いいや、だめじゃないよ。そうだな、俺達も、もうそろそろ……、いいかもしれないな」
真美「ホント!? やったぁ~!」
P(……たとえ涙を流したって、こうしてすぐに、笑顔を咲かせる)
P(こんな風にコロコロと表情を変える真美のことを、
これからもずっとずっと……、俺は、守ってやりたい)
真美「んっふっふ~! そんじゃ兄ちゃん、もっかい!」
P「え!? ちょ、ちょっとインターバルが欲しいんだけど……」
真美「うあうあー! そんなこと言ってたら、赤ちゃん来てくんないっしょ!」
P(それは、責任なんていう言葉ではなくて)
P(何より……真美のことを、愛しているから)
おわり
P「……」
真美「……だめ?」
P「……いいや、だめじゃないよ。そうだな、俺達も、もうそろそろ……、いいかもしれないな」
真美「ホント!? やったぁ~!」
P(……たとえ涙を流したって、こうしてすぐに、笑顔を咲かせる)
P(こんな風にコロコロと表情を変える真美のことを、
これからもずっとずっと……、俺は、守ってやりたい)
真美「んっふっふ~! そんじゃ兄ちゃん、もっかい!」
P「え!? ちょ、ちょっとインターバルが欲しいんだけど……」
真美「うあうあー! そんなこと言ってたら、赤ちゃん来てくんないっしょ!」
P(それは、責任なんていう言葉ではなくて)
P(何より……真美のことを、愛しているから)
おわり
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/03/19(火) 04:43:43.02 ID:JrUBKeCZ0
おわりです。読んでくれた方支援してくれ方、ありがとうございました
二十代の真美もかわいいよ真美
二十代の真美もかわいいよ真美
引用元: ・P「真美を泣かせてやる」
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