1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:02:12.79 ID:zOAlcL4k0
響「日本人は、奴隷じゃない!!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:04:21.50 ID:OBjf/GKY0
響「同じ国の人が奴隷呼ばわりされてるのにヘラヘラ笑って…」


響「大和人とわかり合えたと思ったのが間違いだったぞ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:07:53.85 ID:OBjf/GKY0
響「日本がここまで来るのに、自分たちがどれぐらい我慢してきたと思ってるんだ」


響「沖縄人は、何百年もずっと奴隷だったんだぞ…」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:20:29.18 ID:OBjf/GKY0
響「美希!お前あのシーンで笑ってたな。お前は奴隷だ!!」


響「どうせ阿部寛みたいないい男に迫られたら、プロデューサーの事も
  あのホテルの後継ぎみたいにポイッと捨てるんだろ?この奴隷!」



響「痛い!!引っかくな!」


響「自分が悪かったよー!!」

fin


映画自体は面白かったです。

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:26:46.95 ID:OBjf/GKY0
あと、銀座に見に行ったら映画館の周りに妙に着飾った若い女が
300人ぐらいいて、何事かと思ったら宝塚の公演だった。

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:33:56.95 ID:OBjf/GKY0
響「いやー結構面白かったな!日本人がローマ人の役やるっていっても、
  舞台劇だと思って見てれば気にならなかったぞ!」


響「あの映画見たら自分も風呂に入りたくなってきたよ…
  アパートに帰ってきたことだし、さっそく入るか!
  ワニ子、ちょっとごめんなー」



ゴボゴボゴボゴボ

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:37:34.95 ID:OBjf/GKY0
プハッ


響「」


響「…」


響「…どこ?」
ガヤガヤガヤガヤガヤ

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:42:56.05 ID:OBjf/GKY0
響「銭湯みたいだけど、客は白人の女しかいないぞ…基地みたいだな」


響「え、えーと クッジュープリーズヘルプ」


響「え、英語通じないのか」


バシャバシャ
キャーー


響「何だ?みんな騒いでる」


キャーギャー


響「あ、ワニ子!お前もいたのか!!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:46:07.24 ID:OBjf/GKY0
響「ははは!お前がいたら百人力だぞ!一人でどうしようかとおもってたんだ!」


ワーワー
バシャシャ


響「ははは…」


ガヤガヤガヤガヤ


響「なんか物々しい連中に囲まれたぞ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:51:01.15 ID:OBjf/GKY0
響「(何だろこのおばさんたち…女のくせにすっごく腕っ節強そうだぞ)」


響「え?違う!ワニ子は自分のワニだよ!やめてくれ!」


響「い、痛い!髪の毛引っ張らないで!」


響「ちょ、ちょっと、痛い!痛いってばー!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:53:07.35 ID:OBjf/GKY0
響「変な所に放り込まれたな」


響「服ぐらい着させて欲しいぞ…」


響「ワニ子、自分たちこれからどうなるんだろう…?」




響「あ、誰か来たみたいだ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 00:55:57.32 ID:OBjf/GKY0
響「(なんだこのおっさん。鎧なんか着て)」


響「(でもなんか落ち着いた感じの人だな…社長みたいだぞ)」


響「(自分裸だから恥ずかしいよ…)」


響「あ、ごめんなさい。言葉全然わからないよ。」


響「キャンニュースピークイングリッシュ?」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:06:37.89 ID:OBjf/GKY0
響「やっぱ全然言葉通じないや」


響「(しきりにワニ子を指さしてる。ワニ子が銭湯に連れ込んだ事を怒ってるのかな?)」


響「そんな事言われても不可抗力だぞ…説明のしようもないし」



響「あ、また人が来るみたいだ。」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:09:20.05 ID:OBjf/GKY0
ガヤガヤガヤガヤ

響「」


ガヤガヤガヤガヤ


響「(こんな、こんな事が)」


響「(こんなことって、あっていいのか)」


ガヤガヤガヤガヤ


響「あ、」


響「阿部寛!阿部寛じゃないか!」



ルシウス「」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:14:58.74 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「この少女なんだな?ワニを連れて女公衆浴場に入ったと言うのは」


監督官「は。しかし言葉が通じないようで…」


ルシウス「(黒い巻き毛に引き締まった体つき…ヒスパニア人か?しかし言葉が全く通じないと言うのも妙だな…)」


響「阿部さん!阿部さんでしょ!?
  自分我那覇響って言って、765プロに所属してるアイドルさ!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:19:23.69 ID:OBjf/GKY0
響「阿部さん!なんとかしてください!お願いします!」



ルシウス「まったく聞いた事のない言葉を喋るな。」


監督官「は、先ほどまではラテン語らしき響きの言葉も口にしたのですが…
    先ほどからアベサンアベサンと連呼していますが、お心当たりでも?」


ルシウス「皆目無い」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:25:49.83 ID:OBjf/GKY0
響「阿部さん!阿部さん!阿部さん!」



ルシウス「(命乞いの言葉か?)」


ルシウス「興味深い。私が連れ帰ってもいいか?行政官には私の方から話しておく」


監督官「あなた様のご随意に」


ルシウス「うむ。あ、あとな」


監督官「は」


ルシウス「何か着させろ」




響「阿部さん、自分肌寒くなってきたよ…」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:31:11.71 ID:OBjf/GKY0
その後、自分はルシウスの下で数か月暮してラテン語もペラペラになったぞ!
○ソビッチが本2,3冊読むだけでマスターするんだから、完璧な自分なら朝飯前だ!



ルシウス「今日も駄目だったのか」


響「うん…」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:34:28.82 ID:OBjf/GKY0
響「も、もうちょっと試してくるよ」


ルシウス「ああ」


ルシウス「(響と名乗るこの少女は、はるか未来から湯船をくぐりぬけて
     やって来たと説明した…)」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:42:41.45 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「(初めは気の触れた女かとも思ったが、わずかの期間でラテン語を覚えた聡明さ、
      そして何よりこの立ち居振舞いや目の輝きは、狂人のそれとは思えぬ)」


ルシウス「(響の話を信じるとすれば、驚くべき未来だ)」


ルシウス「(ローマの滅亡、そしてガリアの様々な国が覇権を奪いあい、)」


ルシウス「(今は大西洋の彼方のアメリカと言う大陸が、覇を唱えていると言う事だ)」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:50:00.96 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「(そして響きは、そのアメリカの治世の平和の下で、"アイドル"と言う職業に就いているとの事だ)」


ルシウス「(踊り子のような物らしいが、春はひさがないらしい…この事を問い質したら引っ掻かれたが)」


ルシウス「(そしてその座長の"プロデューサー"と言う男。この男に、響は全幅の信頼と、少々特別な感情も持っているようだな)」


ルシウス「(若い女にありがちなことだ…)」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:56:15.85 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「(そんな事はどうでも良い)」


ルシウス「(その未来の世界、アメリカとやらの治める世界)」


ルシウス「(そしてその技術!大洋を自在に走る大船!人を乗せて空を飛ぶ船!
      離れた場所に声や絵を届ける機械!水を凍らせる箱!)」


ルシウス「(見たい!見なくてはならぬ!)」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 01:58:33.69 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「(しかし、その後何度試しても未来に戻れる気配すら見えない)」


ルシウス「(気長に待つか…)」


ルシウス「今日はもう諦めよう」


響「うん…」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:08:28.19 ID:OBjf/GKY0
響「でさ、何度も言うけどルシウスほんとに瓜二つなんだよ。その阿部寛っていう役者と」


ルシウス「ふむ(役者か…不愉快だ)」


ルシウス「まあ、演劇も歌い手も平和あったればこそだ。
     響の故郷の日本と言う国も、アメリカとやらの属州でいるからこそ
     平和を享受していると言える。せいぜい感謝するんだな。」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:15:49.77 ID:OBjf/GKY0
響「それは違う!!」


ルシウス「むっ」


響「確かに日本はアメリカの軍隊のおかげで裕福な国になってるぞ!!
  でも、そのために…」


響「そのために、わたしの故郷の島はそのアメリカの兵隊たちの住み家になって、
  何十年もひどい目にあってるんだよ!そのくせ、その事を誰も知ろうとしない!
  感謝して欲しいのはこっちだよ!
  いや、感謝なんてしてくれなくていいさ!!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:19:07.25 ID:OBjf/GKY0
響「同じ国の人間が、陰でひどい目に遭ってきたっていうのに、みんな…」


響「映画の中で、外国人に奴隷呼ばわりされても、怒りもしないで…」


響「それが、情けなくて…」グスッ


ルシウス「……」


響「プロデューサーも、わかってくれてなくて…」グスン

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:20:52.76 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「(響の故郷は駐屯地だったな…無神経だった…)」


ルシウス「あ」


ルシウス「おい、響!!」


響「あ」


響「体が、透けてる…」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:23:27.93 ID:OBjf/GKY0
響「ルシウス、わたし、戻れるみたいな気がする」


ルシウス「ああ、その様だ」



ルシウス「…無神経な事を言ってすまなかった」


響「いいよ」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:32:21.36 ID:OBjf/GKY0
ルシウス「プロデューサーによろしくな」


響「うん。じゃあね、ルシウス…」


そして響は私の前から姿を消した。
時代が移り変わろうとも、人々が喜び求めるもの、悲しむもの、
愛するものに変化はあるまい。

響に幸多からん事を願いつつ、私は私の務めに戻るとしよう。

        
            ルシウス・モデストゥス 生没年不詳


P「響温泉好きになったか?」

響「思わぬ出会いがあるんだよ。今度プロデューサーも一緒に入ろう!」


                     fin

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:33:04.77 ID:OBjf/GKY0
やっと寝られる

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:34:42.22 ID:vO95Yalz0
ワニ子は喰われたか

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/08(火) 02:36:08.06 ID:OBjf/GKY0
朝起きなきゃいけないから、手早く書いたら説教臭くなった。
申し訳ない。

引用元: 響「テルマエロマエを見に行くぞ!!」