2: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:03:34.87 ID:EZ4rz/IcO


本田未央「えっ……」

未央「と、突然どうしたの……? しぶりん……」

島村卯月「り、凛ちゃん……」

凛「……ごめん、大声出して」

凛「でも、ちょっと未央には言いたいことがあるんだよ」

未央「い、言いたいこと……?」

凛「そう、言いたいこと」

凛「言っておかなくちゃいけないこと」


3: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:04:17.33 ID:EZ4rz/IcO


卯月「り、凛ちゃん――」

凛「卯月だってあるでしょ?」

卯月「え、あの……それは……」

未央「えっ、しまむーも……?」

卯月「わ、私はいいんです。私なら大丈夫で――」

凛「誤魔化さないでよ」

凛「やっぱり、こういうことはしっかり言葉にしておかなくちゃ、駄目だったんだよ」

卯月「で、でも……」


4: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:05:04.10 ID:EZ4rz/IcO


未央「あ、あの……」

未央「もしかして、私――知らない間に、二人に迷惑かけてた……?」

未央「だったら、謝るよ……」

未央「私、いつも調子に乗り過ぎちゃうとこがあるから……」

未央「だから……」

未央「あの……」グスッ

卯月「み、未央ちゃん……! 泣かないでください……!」

凛「そうだよ。泣かないで、ちゃんと聞いて」

卯月「り、凛ちゃんっ……!」

未央「いいんだ、しまむー……」

未央「うん、ごめん……。ちゃんと聞くから……」グスッ


5: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:05:52.23 ID:EZ4rz/IcO


凛「……未央さ、この前、私の家に来たでしょ?」

未央「う、うん……。私が頼んで、お邪魔させてもらったけど……」

未央「あ、あの……やっぱり、迷惑だった……?」

凛「そうじゃなくて……」

凛「とにかく、それでうちに来て――それでまあ、いろいろ話したり、ハナコと遊んだりしたよね」

未央「う、うん……」

未央「あっ、あの……、ちょっと騒ぎ過ぎだった……?」

凛「それも関係ないよ」

未央「う、うん……?」


6: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:06:54.78 ID:EZ4rz/IcO


凛「それで、帰る時間になってさ、表まで出てきて――」

凛「そこで未央、うちのお父さんに会ったでしょ?」

未央「えっ、うん……。会ったよ……? レジの所にいたよね……?」

凛「そこでお父さんとどんな会話したか、憶えてる?」

未央「え、普通に挨拶して……そんな大したこと話してないけど……」

凛「いいから、具体的に思い出してよ」

未央「えっ、うん……。確か――」


7: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:08:42.19 ID:EZ4rz/IcO


未央『それじゃ、お邪魔しましたー!』

凛父『ああ、未央ちゃん。もう帰るのかい?』

未央『はいっ! あんまり長居も悪いですし、私こう見えて千葉からなんで』

凛父『そうか……。それは、結構大変だね』

凛父『良かったら、駅ぐらいまででも、車を出そうか?』

未央『そんなっ! 悪いですよ!』

未央『お気持ちだけ受け取っておきます!』


8: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:10:02.65 ID:EZ4rz/IcO


凛父『遠慮しなくてもいいんだよ? これから暗くなるし……」

凛父「それに、いつも凛がお世話になってるみたいだしね』

未央『あははっ! しぶりん――凛さんには、私の方こそいつも迷惑かけてばっかりで……』

未央『だから、しっかり者の凛さんがいてくれて、本当に良かったって思ってます!』

凛父『そうかい? 父親が言うのもなんだが……、結構ぶっきらぼうじゃないかい?』

未央『いえいえ! 確かに、いつもはクールですけど――』

未央『でも、裏ではすごく仲間想いで、優しくって――私、大好きですよっ!』

凛父『そう言ってもらえると幸いだよ』

未央『えへへ……』

未央『凛さんのしっかりしたところって、もしかしたら、お父さん由来なのかもしれませんね』


9: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:11:10.08 ID:EZ4rz/IcO


凛父『私の……?』

未央『はいっ!』

未央『――カッコよくて、いざって時に頼りになる……安心してついていけるあの感じが、今のお父さんからも伝わりました!』

凛父『ははっ、照れるなぁ……』

未央『ホント、外見だけじゃなく、中身もカッコいいなんて……、凛さんはいいお父さんを持ちましたよね』ウンウン

凛父『いやいや、そこまで言われてしまうと、恥ずかしくなってくるよ』

未央『えへへ! そうやって照れるところも凛さんに似てますねっ! ちょっとカワイイですよっ!』

凛父『はははっ……』


10: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:11:57.87 ID:EZ4rz/IcO


――――――
――――
――


未央「こ、こんな……カンジ……だけど……」

凛「ふーん。私が見送る支度して、表に行くまでそんな感じだったんだね」

未央「あ、あの……もしかして――しぶりんのお父さん、怒ってた……?」

未央「いくら友達の父親だからって、馴れ馴れし過ぎたかな……」

凛「別に、怒ってなんていなかったよ。これっぽっちもね」

凛「――でもある意味、それが問題なんだよ」

未央「えっ……?」


11: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:12:55.28 ID:EZ4rz/IcO


凛「未央がそんな風に、お父さんを誉めそやした結果――どうなったと思う?」

未央「えっ、いや……ごめん、分かんない……」

凛「その結果――お父さんは最近、アイドル、本田未央のグッズを集めるようになったんだよ」

未央「えっ、あっ、うん……。うん?」

凛「――別に、大量に買い漁って、うちの家計が苦しい……なんて話じゃないよ」

凛「でも、お父さんがそうなった結果ね……」

未央「結果……どうなったの……?」


12: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:14:16.84 ID:EZ4rz/IcO


凛(今度の学校の三者面談、都合のいい日を聞かなくちゃ……)

凛『お母さん、あの――』



凛母『あなた。最近、随分と未央ちゃんにご執心のようね……?』

凛父『ご執心って……大げさだな』

凛父『いや、凛と同じユニットで、とても仲が良いみたいだからね。ちょっとでも応援してあげようと――』

凛母『ちょっとでも……?』

凛母『これで、ちょっと?』スッ

凛父『いや、ただのブロマイドじゃないか……。そうだよ、ちょっとでも応援を――』

凛母『これも?』スッ

凛父『いや、ただのストラップじゃないか……。凛のだって持ってるし――』

凛母『これも?』スッ

凛父『いや、ただのCDじゃないか……。とってもいい曲なんだぞ?』

凛母『これも? これも? これも?』スッスッスッ

凛父『いや、ただのぬいぐるみだし――それはねんどろいどだ。そっちは、もうちょっとしっかりとしたフィギュアだな……』


13: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:15:23.10 ID:EZ4rz/IcO


凛母『……これも?』

凛父『……それは、ただのイメージビデオだ。凛たち、シンデレラプロジェクトのみんなだって映ってるぞ……』

凛母『……さっき――パソコンには、こんな注文履歴があったけど?』

凛父『そ、それは……あの……』

凛父『ただの……グラビア写真集だ……。未央ちゃん以外だって載ってるし……』


14: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:16:11.60 ID:EZ4rz/IcO


未央「えーと……」

凛「それで――それでだよ……」

凛「それから、どうなったか……分かる……?」

未央「いや、あの……」

未央「ど、どうなったんでしょうか……?」

凛「…………聞きたい?」

未央「いや、あの――」

凛「聞かせてあげるよ」

凛「それから――」


15: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:17:17.62 ID:EZ4rz/IcO


凛父『ま、待ってくれ! まさか処分するとか言わないだろ!?』

凛母『そんなことしませんよ。私だって、未央ちゃんは好きだし、応援してます』

凛母『――でも、ねぇ……?』

凛母『分かりますよね……? 私が言いたいこと……』

凛父『えっ、いや……あの……』

凛母『ふーん……。未央ちゃんのグッズがこんなにいっぱい……』



凛母『じゃあ、今夜はその分、いっぱいシなくちゃね? あなた?』



凛父『いや、待て――もう若くないんだし、明日もしごと――』



アアアァァァァーーー!!



凛『…………』


16: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:18:38.75 ID:EZ4rz/IcO


凛「『今夜』どころか、ここ一週間毎日だよ……」ズーン

凛「毎晩毎晩、両親の営みを聞かされて……、私、寝不足だよ……」

凛「『娘に聞こえちゃう』ってその声が聞こえてるんだよ……」

未央「オゥ……」


17: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:19:38.34 ID:EZ4rz/IcO


未央「えっ……ていうことは、もしかして、しまむーも……?」

卯月「は、はい……」

凛「卯月も言ってあげなよ。未央が刻むべきカルマを」

卯月「あ、あの……でも……」

未央「いや、いいんだしまむー……。聞かせて」

卯月「は、はい」


18: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:20:52.31 ID:EZ4rz/IcO


卯月「未央ちゃん――この前、一緒にお出かけして、それで帰りが雨だったじゃないですか」

未央「ああ……うん。それで、しまむーのお父さんに車で送ってもらったんだよね」

卯月「はい……。私は、疲れて寝ちゃったんですけど……。その時のことって憶えてますか……?」

未央「ええと、確か――」


20: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:22:14.57 ID:EZ4rz/IcO


未央『本当にありがとうございます。わざわざ送ってもらっちゃって……』

卯月父『いやいや、気にしないで。いつも卯月と仲良くしてくれて、こっちがお礼を言いたいよ』

卯月父『ありがとね、未央ちゃん。卯月、ちょっと抜けてるとこがあるから、何かと迷惑かけているんじゃないかと心配で……』

未央『そ、そんなっ! しまむー、じゃなくて卯月さん――いつも明るくて、一緒にいるだけで元気が出ますよっ!』

卯月父『そうかそうかっ! まあ、これでも自慢の娘だからね……』


21: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:23:44.21 ID:EZ4rz/IcO


卯月父『正直、ちょっと不安だったんだ……』

卯月父『芸能界って、成功すればそりゃ華々しいが……、しかしそれは一握りだろう?』

卯月父『現に――卯月だって、ずっと養成所に居たわけだしね……』

卯月父『だから、そんな卯月がデビューとなった時は、そりゃあ嬉しかったが……』

卯月父『同時に――不安にもなったよ。この子がちゃんと、笑顔でやっていけるのかって……』

未央『……その』

未央『安易に『分かります』とか、楽観的に『大丈夫』なんて、私の口からは言えませんけど……』

未央『でも――今、しまむーの周りにいる人たちは、みんなとっても温かくて優しくて……』

未央『プロデューサーも、一生懸命、私たちのために頑張ってますし……』

未央『それにしまむー自身だって、そんな温かくて優しい――安心できる場所の一因で……一員なんですっ!』

未央『だから、その……』


22: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:24:36.19 ID:EZ4rz/IcO


未央『あはは……。ごめんなさい、訳分かんなくて……』

卯月父『いや――ありがとう』

卯月父『養成所で――、一人になっても笑顔で頑張っていたこの子に、今は一緒に笑ってくれる仲間ができたんだね……』

卯月父『未央ちゃん。娘と、これからも仲良くしてやってくれ』

未央『もちろんっ! 私、しまむーに会えて良かったって思ってますから!』


24: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:26:14.62 ID:EZ4rz/IcO


卯月『むにゃ……みおちゃん……それはりんちゃんのかんだがわだよ……ぴにゃ……』

未央『ふふ……しまむー、どんな寝言なの』

卯月父『ふむ……。しかし、『しまむー』か……』

未央『あっ、なんかごめんなさい』

卯月父『いやいや、可愛らしいというか……なんだか、ちょっと気の抜ける感じが、実にこの子っぽいよ』

未央『えー? それって褒めてます?』

卯月父『はははっ! もちろん』

卯月父『――それでいくと、私は『パパむー』になるのかな?』

未央『あははっ! 可愛いっていうか、しまむーのお父さんらしいですねっ!』

卯月父『そうかい? はははっ! いやしかし、それって褒めてる?』

未央『もちろんっ!』

卯月父『はははっ!』


25: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:27:21.63 ID:EZ4rz/IcO


卯月父『ちょっと未央ちゃん、呼んでみてくれない?』

未央『えー? いいんですか?』

卯月父『ああ、頼むよ』

未央『じゃあ、パパむー!』

卯月父『うん、いいなぁ……』

卯月父『――って、娘にばれたら怒られるかな……』

未央『パパむーって、しまむーにも呼んでもらったらどうですか?』

卯月父『それは私が恥ずかしいなぁ……』

卯月父『それになんだか、未央ちゃんに呼んでもらった方が、しっくりくるというか……』

未央『なんだかパパむーさんも、しまむーと同じでちょっと天然かもですね!』

卯月父『いやいや、この子の天然は妻譲りだよ』

未央『ママむー譲り、ですか?』

卯月父『そうそうっ! あははっ!』


26: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:30:02.95 ID:EZ4rz/IcO


――――――
――――
――


未央「――と、こんな感じです……」

卯月「それでだったんですね……。ママがパパのこと『パパむー』って呼ぶようになったのは……」

未央「な、なんかゴメンね……?」

卯月「いえ、そんな……」

未央「で、でも……! 呼び方が変わっただけなら、しぶりん程の被害は――」

卯月「いえ、それは……」

未央「オゥ……」


28: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:32:15.23 ID:EZ4rz/IcO


卯月(うぅ……また平均点でした……)

卯月(ママ怒るかなぁ……。でも、今回は難しくて、みんなあんまりできなかったみたいだし……)

卯月『ママ――』



卯月母『あなた、あの――』

卯月父『んー? パパむーって呼んでって――』

卯月母『パパむー? そんな呼び方、したことないですよ?』

卯月父『あっ、いや……。未央ちゃんと間違えた……』

卯月母『…………へぇ』

卯月母『未央ちゃんには、そんな風に呼ばせていたんですね?』

卯月父『あ、いや……その……』


29: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:33:29.23 ID:EZ4rz/IcO


卯月父『ほ、ほら! 未央ちゃん、卯月のことは『しまむー』って呼ぶじゃないかっ! あれと同じでっ!』

卯月母『別に、未央ちゃんを責めてなんていませんよ』

卯月母『問題は……、今の失言を見る限り――あなたが未央ちゃんに『パパむー』って呼ばせてるってことです』

卯月父『よ、呼ばせてるわけじゃないぞ!? あれから呼んでもらう機会もな――あっ……』

卯月母『ふふふふ……』ニコ


30: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:35:43.89 ID:EZ4rz/IcO


卯月(ママたち、お話し中かな?)

卯月(でも、パパなら私の味方になってくれたり――)



卯月父『た、たのむっ! 少し休ませ――』

卯月母『どうしたんですか、パパむー? まだ正の字が二つだけですよ?』

卯月母『ほーら、パパむー? あなた、これが好きだったでしょ?』

卯月父『ははは……いやいやもうお腹いっぱいっていうか、すっからかんっていうか……』

卯月母『でも、パパむーって呼ばれれば、頑張れるんですよね? ねぇ、ほら頑張って?』

卯月母『ホラ、ホラ、ホラッ……』

卯月父『ひぃ、ひぃいいい……』



アアアァァァァーー!!



卯月『…………』


31: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:36:28.88 ID:EZ4rz/IcO


卯月「それから、私も毎晩……」

卯月「もう、迂闊にダブルピースとかできなくなりました……」

未央(やべぇ……私のせいでしまむーの笑顔が曇って……)


32: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:37:40.37 ID:EZ4rz/IcO


凛「……まぁ、そういう訳だよ」

卯月「……うぅ」

未央「いや、なんと言うか……」

未央「ゴメン、としか言えないんだけど……」

凛「最近、ハナコは寝室には近づかなくなったよ……」

未央「ハナコちゃん……」

卯月「私は今日、ママに聞かれました……」

卯月「弟と妹――」

未央「ああ……どっちがほしいってやつ……?」

卯月「何人ずつほしいかって……」

未央「こわっ!」


34: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:42:49.65 ID:EZ4rz/IcO


凛「なに、未央。ニュージェネで一人だけ兄弟持ちだからって、私たちまで、その苦労を背負わそうとしてるの……?」

未央「そんな歪んだこと考えてないよ!?」

卯月「未央ちゃん……。名前、考えてくれますか……?」

未央「やめてしまむー!!」

未央「で、でもほら! ああいうのって、その……アブナイ日にしても、当たる確率って、結構低いらしいし……」

凛「それがいくつだろうが――続ければ、確率は上がるでしょ……」

未央「そ、それは、限りがある場合だし……当たらない時は、ずっと当たらないさ……」

卯月「あっ、私……この前テストでやりました……」

凛「限りっていうか……『当たらない限り終わらない』って感じだけど」

未央「………………」

卯月「うぅ……」


35: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:43:42.22 ID:EZ4rz/IcO


凛「……なんてね」

凛「ごめん。今のは嘘」

未央「えっ……!? そ、そっかー! 良かっ――」

凛「ごみ箱から、『錠剤』の箱を見つけたから……」

卯月「あっ、私も見ました。あれって……」

未央「嘘だと言いたいのは、お父さん方だね……」


36: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:44:54.22 ID:EZ4rz/IcO


凛「全く……、未央は……」

凛「いつも思ってたけど、同性同士でやるコミュニケーションの基準を、そのまま異性にまで当てはめるのはやめなよ」

凛「『カッコいい』とか『パパむー』なんて、どの乳下げて言ってるのか、自覚してよね」

未央「乳!?」

未央「ちょっと待った待ったっ!」

未央「――大体、それなら私だって、しぶりんに言いたことあるよっ!」

凛「え……? なに?」


38: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:45:52.33 ID:EZ4rz/IcO


未央「しぶりんが、この前うちに来た時――」




未央『いやー、今日はしぶりんと有意義な一日が過ごせたなー』

凛『そう? まあ、私も未央の私生活が見れて、ちょっと楽しかったかも』

未央『いやーんっ! しぶりんのすけべー!』

凛『はいはい』


39: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:46:52.12 ID:EZ4rz/IcO


未央『じゃあ、駅まで送ってくよ』

凛『いや、悪いよ。大丈夫だから――』



ガチャ

未央弟『ただいまー』



未央『おっ、うちの愚弟が帰って来おった!』


40: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:48:12.44 ID:EZ4rz/IcO


未央弟『あれ、姉ちゃんいたの?』

未央『なんだよ、いちゃ悪いかいっ!』

未央弟『いや、別に。――って……』

凛『えっと、初めまして』

未央弟『あっ、どうも……』

未央『おやおや~? どうしたどうした弟よ』

未央『初めて見る、生しぶりんの美しさに、目も合わせられぬかぁ~?』

凛『ちょっと……未央、やめてよ。恥ずかしい……』

未央弟『しぶりんって……。えーと、あの渋谷凛……さん……?』

凛『う、うん。一応、お姉さんと一緒に、アイドルやってるんだ』


41: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:49:30.44 ID:EZ4rz/IcO


未央弟『そ、そっすか……』

未央『おーおー、照れちゃって。かわいいんだから』

未央弟『うっせ!』

未央弟『大体、アイドルとかそんなキョーミないし……』

凛『あはは……そうだよね。別にそこまで有名ってわけでもないから……』

未央弟『あっ、いや……その……』

未央弟『まぁ、一応アイドルやってる姉の、弟なんで……』

未央弟『頑張ってください……』

凛『うん。ありがとう』ニコ

未央弟『――!!』


42: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:50:17.99 ID:EZ4rz/IcO


凛「え、待ってよ。私、なんかした?」

未央「そりゃ何から何までさ……」

未央「あの後からうちの愚弟といったら……」


43: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:51:28.86 ID:EZ4rz/IcO


未央『おーい、ごはんできたってよー』ガチャ

未央弟『ちょっ! ノックしろよっ!』ガサゴソ

未央『はぁ? 今までそんなこと言ってなかったくせにー』

未央弟『言っても聞かなかったんだろっ!』

未央弟『大体、呼ぶだけなら開ける必要ないだろっ!』

未央『分かった分かった。早く来なよー』

未央『っていうか、なんでパンツとシャツだけなの? 風邪ひくよ?』

未央弟『き、筋トレ! 筋トレしてたから!』


44: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:54:46.79 ID:EZ4rz/IcO


――別の日――


未央『ただいまー』

未央弟『…………』カチカチピコピコ

未央『た・だ・い・まー!』

未央弟『なんだよ、今忙しいんだよ。何回角折っても、黒巻き角が出ないんだよ……』カチカチピコピコ

未央『おやー? 偉大な賢姉さまにそんな態度とっていいのかなぁ~?』

未央弟『はぁ?』カチカチピコピコ

未央『じゃじゃーんっ! 取り出したるは、なんとあの美少女アイドル、渋谷凛ちゃんのブロマイドー!』

未央『この私、御自らが撮影した、きちょーな一枚っ!』

未央『今なら私にご奉仕するだけで、このファン垂涎ものの一枚がもらえちゃう、大チャーンス!!』


45: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:56:03.26 ID:EZ4rz/IcO


未央弟『いや、別にファンじゃないし……』

未央『あっそ。じゃあ、これは私の宝物にしよー』ゴソゴソ

未央弟『あっ、いや……』

未央弟『まあ、あんまり姉ちゃんを無下にするのもアレだし……渋谷さんにもなんか悪いし……』

未央弟『くれるって言うなら、もらうけど……』

未央『――報酬は?』

未央弟『今日の夕飯……』

未央『――内容は?』

未央弟『奮発した、宮城県産黒毛和牛サーロイン……』

未央『――調理法は?』

未央弟『……ステーキ』

未央『――焼き方は?』

未央弟『レア……』

未央『――取り分は?』

未央弟『さ、三割……』

未央『パーフェクトだ、ブラザー』

未央『じゃあ、はいコレ』スッ

未央弟『屈辱の極みっ……!』スッ


46: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 22:57:14.01 ID:EZ4rz/IcO


未央『ごはんできたってー』

未央『早く食べよう――』



未央弟『……凛さん……凛さん……』



未央『…………』



未央弟『凛さん……りんさん……』

未央弟『……りん、さ――』



未央『………………』

未央『か、化学の勉強中かなー……』


47: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:00:20.52 ID:EZ4rz/IcO


未央「あの小生意気ながらも可愛いかったうちの弟が……男坂、昇り始めちゃったよ……」ズーン

未央「やってくれたよね、しぶりん……」

凛「えぇ!? 私のせいなの!?」

未央「当たり前じゃんっ!」

未央「クールで通ってるしぶりんの微笑みは、男子にとっては『あなたに夢中アイウォンチュー』って言われたのと変わらないんだよっ!」

凛「クールで通ってるのに、なにそのキャラ!?」

未央「まだ青年誌とか読んでた方がマシだったよ……ヤングどころかアダルトにジャンプだよ……」

凛「そっち系の雑誌扱いしないでっ!?」


48: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:06:19.46 ID:EZ4rz/IcO


凛「ちょっと、卯月も何か言ってあげてよ!」

卯月「ごめんなさい……」

卯月「私も、凛ちゃんに言いたいことが……」

凛「えっ……」

卯月「この前……凛ちゃんをうちに招待した時のこと、思い出してください……」

凛「ええ……。確か――」


49: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:07:08.64 ID:EZ4rz/IcO


凛『お邪魔します』

卯月『あっ、凛ちゃん! ちょっと待っててくださいねっ!』

卯月『す、すぐに部屋きれーにしてきますからっ!』ダダダダ

凛『うん、焦らなくてもいいから』


50: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:07:52.04 ID:EZ4rz/IcO


卯月父『じゃあ、行ってくるよ』

卯月母『はーい。気を付けてね』

凛『あっ、こんにちは』

卯月父『ああ、凛ちゃんこんにちは。いつも卯月と仲良くしてくれてありがとね』

凛『いえそんな……』

凛『これから、お仕事ですか?』

卯月父『ああ。これでも何かと忙しくてね』

凛『そうなんですか。大変、ですね……』


51: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:08:55.06 ID:EZ4rz/IcO


卯月父『はははっ、全くね』

卯月父『――でも、卯月も夢へ向かって一歩、歩き出したみたいだし……』

卯月父『だから、私も頑張って、あの子の笑顔を支えてあげたいんだ』

卯月父『あの子のために、家族のために頑張ってくるよ』

凛『…………』

凛『あの……』

卯月父『うん?』

凛『いってらっしゃい。頑張ってください』ニコ


52: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:09:53.29 ID:EZ4rz/IcO


卯月「――その日以来、うちで『イッてきます』がスラングになりました……」

凛「それ私のせい!?」

未央「しぶりんの『いってらっしゃい』は、『こっちにいらっしゃい』って言ってるのと変わらないんだよ……」

凛「見送りの言葉なのに!?」


53: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:12:00.27 ID:EZ4rz/IcO


卯月「私、思ってたんです……」

卯月「これから……今よりもっと、凛ちゃんと未央ちゃんと仲良くなっていきたいって……」

卯月「お泊り会とかして、二人といっぱいお話しして……大好きな二人と、もっと一緒に過ごしたいって……」

卯月「――でも」

卯月「でもそれで……二人ともっと近くになったら――また、ママがパパの新しい扉を開いちゃうんじゃないかって……」

卯月「また、迂闊に使えない言葉が増えちゃうんじゃないかって……」

卯月「私、家で何も言えなくなっちゃうんじゃないかって……」

卯月「怖いよ……」

卯月「私が、ママを止める手立てなんて、なんにも無い……」

凛「な、なんにも無いなんて言わないでよっ!」

未央「しぶりん……それ言っとけばいいってもんじゃないから……」

凛「くっ……」カチッ

♪テッテ~テッテ~テッテッテ テテ~

未央「『S(mile)ING!』のイントロ流せばいいってもんでもないから……」


56: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:35:00.39 ID:EZ4rz/IcO


凛「じゃ、じゃあ言わせてもらうけど!」

凛「私――卯月にだって、言いたいこと、あるよ!」

卯月「ええっ!? 私もですか!?」

凛「この前、うちに来た時……何があったの……?」

卯月「ええと、確か――」


57: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:38:03.54 ID:EZ4rz/IcO


凛『じゃあ、ちょっとハナコ連れてくるから。待ってて』

卯月『はいっ!』



凛父『おや、卯月ちゃん。こんにちは』

卯月『あっ、凛ちゃんのお父さん! こんにちは』ペコリ

凛父『いつもうちの娘と仲良くしてくれてありがとう。今日は、アイドルの仕事はお休みかい?』

卯月『はいっ! だから、これから凛ちゃんとハナコちゃんとお散歩しようと思って』

凛父『そうか。ハナコとも仲が良いんだね』


58: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:39:17.53 ID:EZ4rz/IcO


凛父『そういえば、凛から聞いたんだけど――卯月ちゃん、なんでも凛と知り合う前に、この店で花を買っていったんだって?』

卯月『そうなんです! あの時は、アイドルデビューが決まったお祝いにって思って……』

卯月『当然、凛ちゃんのことはまだ知らなかったんですど……。でも、すっごい綺麗で親切な店員さんだな、って思いました』

卯月『まさか、その時の人が凛ちゃんで、一緒にアイドルができるなんて……。後で知ってから、とっても嬉しくなって!』

卯月『確か――』

卯月『これ……アネモネ、です! 今もうちに飾ってあるんです』

凛父『そうか。それは、凛もきっと喜ぶよ』


59: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:40:35.51 ID:EZ4rz/IcO


凛父『なんだったら――帰る時にでも、卯月ちゃんの好きな花を包もうか?』

卯月『ええぇ!? そ、そんな悪いですよっ!』

卯月『お花って、結構高いですし……』

凛父『いやいや、卯月ちゃんたちのおかげで、凛もアイドルが楽しいみたいだからね』

凛父『私からの、ちょっとしたお礼だよ』

卯月『そ、そんな……! 凛ちゃんのお父さんみたいな、カッコいい方からお花を贈られるなんて……』

卯月『余計、照れちゃいますよ……!』


60: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:42:13.21 ID:EZ4rz/IcO


凛「その日以降、うちの寝室の前に、切り花が置かれるようになったよ」

卯月「え……ええぇ……」

凛「夜、寝る前はつぼみで――朝に見ると、開化したやつに変わってるんだ……」

卯月「あの、そんな私……! 確かにお世辞とかのつもりはなかったですけど……、でも私の言葉なんて大したことは――」

凛「大したことないなんて言わないでよっ!」

凛「それで両親が踏み出したんだよ!? よく分かんない世界にっ!」

凛「今じゃ、アネモネの花を見るたびに、お父さんが震えてるんだよ……」


61: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:43:28.26 ID:EZ4rz/IcO


卯月「あの、でも……私……わたし――」

未央「しまむー」

未央「しまむー、いっつもさ……自分は無個性だとか、みんなと比べて何も無いなんて言ってるけど……」

未央「そんなわけないよね」

卯月「み、未央ちゃん……?」

未央「……この前、うちに来た時のこと、思い出して」

卯月「えっ……。確か――」


62: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:50:47.33 ID:EZ4rz/IcO


未央『しまむーは座ってて。今、お茶淹れるから』スタスタ

卯月『は、はいっ! ありがとうございます!』



ガチャ

未央弟『ただいまー』

未央弟『って、あれ……』

卯月『あっ、初めまして! 私、未央ちゃんと一緒にアイドルをしてる――』

未央弟『島村卯月さん、ですよね。初めまして』

卯月『うわぁ! 知っていてくれてるんですねっ! ありがとうございます!』ニコ

未央弟『あ、いや……。いつも姉ちゃんから聞いてるし……』

未央弟『それに……写真、姉ちゃんから送られて来たの、見ましたから』


63: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:51:33.90 ID:EZ4rz/IcO


卯月『そうなんですか!』

卯月『あっ、でも写真って……この前、未央ちゃんが撮ったやつかな……』

未央弟『なんか、バックに噴水が映ってましたけど』

卯月『やっぱり……。うぅ……』

未央弟『……あの、なにか?』

卯月『ううん! なんでもないんですよ!』

卯月『ただ、あの写真……』

未央弟『……?』

卯月『なんだか、いつもより余計にお尻が大きく見えて、ちょっと恥ずかしいんです……。えへへ……』


64: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:52:19.04 ID:EZ4rz/IcO


未央「やってくれたね……しまむー……」

未央「そのせいで――最近はもう、昇り龍かってくらいに昇りつめてるよ……彼は……」

卯月「ええ!? あのでも、アイドルにそんなに興味は無いんですよね!?」

未央「興味があろうと無かろうと――身近で生しまむーの、そんな恥じらいを見たら……男なんて骨抜きなんだよ……」

卯月「ええぇ!?」

未央「抜かれちゃうよ……脊椎から……」

卯月「私、そんなに残虐なことしたんですか!?」


65: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:53:14.01 ID:EZ4rz/IcO


卯月「でもホラ! 弟さんは、私より凛ちゃんの方が――」

未央「彼の部屋の前から――『凛さんごめん……、これは浮気とかじゃないんだっ!』って、聞こえてきたんだ……」

未央「彼が両方使えばいいって気づくのも、時間の問題だよ……」

卯月「あわわ……///」

凛「……卯月……未央」


66: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:54:18.26 ID:EZ4rz/IcO


凛「……ごめん。こんな八つ当たりみたいなことして……」

凛「――別に二人は悪くないって、私だって分かってたのに……」

卯月「そんなっ! 私こそ――!」

卯月「私こそ……大好きな二人に、こんなこと……」

未央「しまむー、しぶりん……」

未央「私もごめん……」

未央「二人のいいところを――それを私、まるで否定するような言い方をして……」

卯月「本当に、ごめんさい……わたし……二人に……」グスッ

凛「卯月……」グスッ

未央「…………」


67: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:58:48.82 ID:EZ4rz/IcO


未央「きっとさ……私たち、ちょっと抱え込み過ぎてたんだよ」

未央「こんなこと、普通は誰にも言えないもんね……」

凛「………………」

卯月「………………」

未央「考えてみるとさ――私たち、ニュージェネレーションズって……なんだかんだ、離れることが多かったよね」

未央「私が、逃げ出したり……」

未央「しぶりんが、他の道を選んだり……」

未央「しまむーが……道を見失ったり……」

凛「未央……」

卯月「未央ちゃん……」

未央「でも、でもさ――」


68: ◆qORzIPv9mw 2016/02/04(木) 23:59:56.29 ID:EZ4rz/IcO


未央「私が投げ出した時でも――二人は待っててくれた」


凛「私が……踏み出そうとしていた時――二人は、背中を押してくれた」


卯月「私が、道に迷った時――二人は、手を取ってくれた……」


69: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:03:34.40 ID:s1VqiLjIO


未央「うん……そうなんだよ……」

未央「だから――」



未央「私たちさ、もっかい友達になろうよ」



凛「未央……」

卯月「未央ちゃん……!」

未央「大丈夫だよ」

未央「離れたって――私たち、友達だもん」

未央「私たちは、大丈夫」ニコ

凛「そうだね」ニコ

卯月「はいっ!」ニコ


70: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:05:14.01 ID:s1VqiLjIO


ガチャ

武内P「おはようございます」



未央「あっ、プロデューサー!」

凛「おはよう」

卯月「おはようございますっ!」

武内P「本田さん。少し、よろしいでしょうか」

未央「ん……? なに?」


71: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:06:15.63 ID:s1VqiLjIO


武内P「単刀直入に伺いますが――」

武内P「プロダクションのスタッフの皆さんと、何かありましたか?」

未央「えっ? いや――撮影とか、ライブの手伝いの時に話したりしたけど……」

未央「……もしかして、なんか失礼なことしちゃった……とか?」

武内P「いえ、そういう訳では、ないようなのですが……」

武内P「皆さん――しきりに、本田さんに会わせてほしいと、仰るものですから……」

未央「それって、どういう――」


72: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:07:19.09 ID:s1VqiLjIO


ガチャ

「未央ちゃん! 俺、あの時の話、真剣に考えてみたんだっ!」

「未央ちゃん!! これ、未央ちゃんのために作ったんだ! 着てみてくれー!!」

「未央ちゃーん! もうファンでいるだけじゃ、収まらないんだー!!」

「未央ちゃん!」 「みおちゃーん!」 「本田ちゃん!」 「ちゃんみおーー!」 「揉ませてっ!」



未央「ちょ、ちょっと!? 何事!?」

武内P「み、皆さん! 落ち着いて――」


凛父「未央ちゃん! 君にぴったりの花を持ってきたんだ!」ガチャ


凛「お父さん!?」


卯月父「未央ちゃん! パパむーって呼んでくれー!!」ガチャ


卯月「パパ!?」


76: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:10:29.29 ID:s1VqiLjIO


みおちゃーん 未央ちゃんー! ちゃんみおー! 本田ちゃーん!

 みおたん! みおたそっ! ちゃんみお○ぱいっ!! MIOーー! もませてー!
  

未央「ちょっと……あの……」

未央「みんなっ! 落ち着てーー!!」










未央「――はっ!!」

♪な~かよきこと~は うつくしいけど~


79: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:13:11.04 ID:s1VqiLjIO


♪それで――ピッ

未央「……あ、アラーム……目覚まし……」

未央「な、なんだぁ……夢か……」ホッ

未央「だよねー……」

未央「いくら未央ちゃんが美少女だからって――そんな、男の人みんなを釘づけにしちゃうような色気とか、魅力はまだ無いよねー」

未央「そういうのは、これからもっともっとレッスンして、女を磨いてからじゃないと!」

未央「うんうんっ! 頑張って、もぉーっと、魅力的で人気者になるぞー!」



未央「おーー!!」



80: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:15:31.88 ID:s1VqiLjIO


凛「……う……ん……みお……」スースー



卯月「みおちゃん……そこは、わたしのみるくてぃーだよぉ……」ムニャムニャ



未央「おっ……」



凛「うーん……」スッポンポン

卯月「……えへへ……」スッポンポン



チュンチュン……



未央「おお……?」







83: ◆qORzIPv9mw 2016/02/05(金) 00:18:18.96 ID:s1VqiLjIO

ギスギスしたニュージェネが書きたかった(大嘘)

ちゃんみおの涙声に感じたリビドーのまま、書き殴っただけ。

誤字脱字、キャラの口調、キャラの親族のキャラの違和感はごめんなさい。

読んでくれてありがとう。

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/05(金) 00:19:29.62 ID:no5oWvVjO

ちゃんみおのフレンドリーさは間違いなく魅力的だけど勘違いさせるよな

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/05(金) 00:19:49.00 ID:+JXEwfLLO
これで台所には裸エプロンの武内pがいて昨夜はいい笑顔でした///て言えば完璧だ

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/05(金) 00:23:50.03 ID:Ls6JRfs1O
予想外のオチでした

乙です

引用元: ・渋谷凛「いい加減にして、未央っ!」