1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:05:11 ID:0URvncSs0
ほむら(最近クラスメイトのまどかに対する視線が怪しい)

ほむら(特に男子、どこかまどかをいやらしい目でまどかを見ているような気がするわ)

ほむら(なんて汚らわしい……)

ほむら(まどかに悪い虫がつかないように対策をこうじる必要があるわね)

ほむら(そうとなれば善は急げよ)


ほむら「早くまどかにフマキラーしないと!」ガタッ

さやか「なに言ってんのアンタ」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:10:16 ID:0URvncSs0
ほむら「ねえ、まどか。突然だけどちょっと口をあけてもらえないかしら?」

まどか「口をあける? どうして?」

ほむら「どうしてもよ。今のあなたにそれはとても必要なことなの、お願いだから言うことを聞いて」

まどか「う~ん、よくわからないけどこうすればいいの?」アアー

ほむら「そう。いい子よ、まどか」


ほむら(今だ! マジカル・フマキラー!)シャキーン


ほむら「さあたっぷりと吸い込みなさい!」ブシューブシュー

まどか「ちょっまっふぁれgjくぇうtがじぇろぱgじぇ:p!?!?」

さやか「アンタまどかになんてことを!」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:14:31 ID:0URvncSs0
まどか「ごほごほ! おえうええええええぇぇぇぇ」

まどか「なっ、なにするのほむらちゃん!?」

ほむら「ごめんなさい。でも今のまどかにはこれが必要なことだから」

まどか「口の中にフマキラーすることがどうして必要なの? 意味が分からないよ!」

ほむら「……落ち着いて聞きなさい、まどか」

ほむら「あなたはクラスメイトの男子からいやらしい目で見られている」

ほむら「そんな負の連鎖から抜け出すには、悪い虫を寄せつけないことが一番なのよ」

まどか「だからって、フマキラーなんかしなくても……」

ほむら「フマキラーなんか……? 甘いわまどか、フマキラーの歴史は大正時代にまで遡る、伝統的な殺虫剤なのよ!」

ほむら「その後も性能や利便性を高めながら、火も煙も出さないあのベープまで開発したのよ!」

ほむら「だから信じて。私と、このマジカル・フマキラーのチカラを……」

まどか「ほむらちゃん……」


ほむら「今よ!」ブシューブシュー

まどか「あがtらb;ねtばいえるな@えおるいgなえ!?!?」

さやか「ちょっとほむら、いい加減にしなさい!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:20:01 ID:0URvncSs0
ほむら「なに、美樹さやか……。まさかあなたもフマキラーして欲しいのかしら」

ほむら「でも残念だったわね、こればっかりはまどか専用なの」

ほむら「あなたに悪い虫がつこうがつくまいが私にとってはどうでもいいことなのよ」

さやか「アンタねぇ……。っていうか、そもそもフマキラーして欲しい女子中学生なんてどこにもいないわよ」

さやか「大丈夫、まどか? 息できる?」

まどか「うええ……おえええぇ……」

さやか「ほら、背中さすってあげるから。ゆっくり深呼吸して」

まどか「ありがとう、さやかちゃん……。すーはー、すーはー」

ほむら「………………」


ほむら「あら手が滑ったわ」ブシューブシュー

さやか「あぶあえんtrヴぃあねいtんヴぁいえb!?!?」

まどか「さやかちゃん!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:21:07 ID:LVA+QFLo0
サイコレズやべぇ

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:24:33 ID:g5WY5qmY0
死んじゃうよ!

13: >>6修正した 2013/11/25 22:24:48 ID:0URvncSs0
さやか「おえええええおうええええええええ……」

さやか「あんた……今さっき私にはフマキラーしないって言ったばかりなのに」

ほむら「ごめんなさいね、手が滑ってしまって。それに不愉快だったからつい」

さやか「……あーあー、さやかちゃん久しぶりにキレちゃったぞー」ブチブチ

さやか「覚悟しなさい転校生!」クワッ

ほむら「甘いわ」フッ

さやか「き、消えた!? 一体どこに」


ほむら「全方位! マジカル・フマキラー!」ブシュシュシュシュー

まどか「いやあああえrvなえんrヴぃぁえんrヴぁいぶえv!?!?」

さやか「いつの間に!?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:29:47 ID:0URvncSs0
ほむら「全方位マジカル・フマキラー。私の魔法少女としての時止めの能力をもってすればこれくらい容易いことだわ」

まどか「目が、目がしみるよおおおおおおおおおお」ポロポロ

さやか「くっ……なんて卑劣な」

まどか「さやかちゃん助けておうええええええええぇ」

さやか「まどかが泣いて苦しんでる……。大切な友だちのために、今の私にできることは……」

さやか「いるんでしょ! キュウべえ!」

キュウべえ「やあ、さやか。ようやく叶えるべき願いが見つかったようだね」

さやか「うん、私の願いごと、決めたよ」

キュウべえ「じゃあ聞こうか。君はどんな祈りで魔法少女になるんだい?」

さやか「恭介ごめん……。私は……」


さやか「フマキラーの効かない体になりたい!」

ほむら「なんですって!?」

キュウべえ「お安いご用さ」ペカー

さやか「くっ、あああああああああああああああああっ!!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:34:37 ID:0URvncSs0
さやか「はあ……はあ……。これで私もあんたと同じ魔法少女ね」

さやか「これでもうさやかちゃんにフマキラーは通用しない! いざ!」

ほむら「マジカル・フマキラー&マジカル・ライター!」シュボッ ボボボボボボボ

さやか「ぎゃああああああああばばばばばばばばばああああ熱い熱い熱い!!!!!」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「馬鹿ね。基本的にスプレーというものは引火性が高いのよ」

ほむら「フマキラーが効かない程度で私に勝てると思ったのかしら」


さやか「ぐふ、もう……だめ……」バタッ

まどか「さやかちゃんしっかりして! 役に立たなすぎるよさやかちゃん!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:37:35 ID:0URvncSs0
ハイエース「ちーっす」ドンッ

さやか「ぐはあっ!」

ほむら「こいつは……ハイエースの魔女!」

ハイエース「ちょっとこの子借りてくわ。おら、とっとと乗れ!」グイッ バンッ ブロロロロロロロロ・・・

まどか「さやかちゃん、連れて行かれちゃった……」

ほむら「おそらく願いの反動で、呪いのぶんだけ悪い虫をひきつけてしまったのね」

ほむら「最期まで哀れな美樹さやか」

まどか「そんな……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:41:19 ID:0URvncSs0
ほむら「さて邪魔者も消えたところでまどかにフマキラーを再開しようかしら」

まどか「いや、やめて……」プルプル

ほむら「ああ、怯えるまどかも可愛い……」

ほむら「けれど、ねぇまどか、これは言ってしまえば一つの儀式なのよ」

ほむら「予防注射と同じようなものだわ。大丈夫、ちょっと染みるだけよ。後で楽になるから」

まどか「いやあああああああああああ!」


ほむら「今よ!」シュゥゥ・・・

ほむら「……あら? どうやら使いすぎて中身がもうなくなっていたのね」

まどか「っほ。よかったぁ」


ほむら「なら次は……マジカル・ゴキブリ・フマキラー・ダブルジェット!」

まどか「!?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:45:11 ID:0URvncSs0
ほむら「さあ口をあけなさいまどか!」ブシューブシュー

まどか「いやっ、やめっ……やえmらえちbmヴぁえおちなえ!?!?」

まどか「なんでこんな酷いことするの……おうえええええええええええぇ」

ほむら「まどかを狙う輩から守るには普通の殺虫剤一本ではとても足りないのよ」

ほむら「ゴキブリが果実を舐めるように、まどかをペロペロしたいと思う不届き者はたくさんいるはずだわ!」ブシューブシュー

まどか「そんな人いないよ! ごほっごgほghごgほがおえrhごph……」

まどか「仮に……仮にそんな人がいるとしたら、それはきっとほむらちゃんみたいな人だよ」

ほむら「なんですって! 私はゴキブリみたいにがっついたりしないわ」


ほむら「私だったら……穴があくほど至近距離で眺めてから「ぺろぺろして下さい」とまどかが折れるまで絶対に舐めたりしないわ!」ブシューブシュー

まどか「ほむらちゃんのほうが変態だよkがぽつjvばrんtb;tr」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:49:59 ID:0URvncSs0
ほむら「次はマジカル・ハチ・アブ・ウルトラジェット!」チャキッ

まどか「うううえええええええ、もうだめ吐きそう……」

まどか「ほむらちゃん……お願いだからいい加減に目を覚まして、ね?」

まどか「私が嫌らしい目で見られてるだなんて……そんなのほむらちゃんだけの妄想だよ」

ほむら「いいえ、私のマジカル・リサーチに間違いなどありえないわ」

ほむら「特にうちのクラスの男子は99%まどかにいやらしい視線を向けているわ。これは事実なのよ」ブシューブシュー

まどか「いやややまめててgんうぇtぐvなえるヴぁべ!?!?」

まどか「じゃあ……じゃあ残りの1%は」

ほむら「残念ながら中沢くんよ」ブシューブシュー

まどか「あぶあえbるvばえ;いるvばえいrvばえい!?!?」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:54:25 ID:0URvncSs0
まどか「おうえええええええええぇ」ゲロビシャアアア

ほむら「まどか……嗚呼まどか、いったいどうしてそんな変わり果てた姿に……」

まどか「ほむらちゃんがやったんでしょ……」

まどか「酷いよ……もう私お嫁になんて行けないよ……」

ほむら「その時は私がまどかと結ばれるだけのことよ」ファサ

ほむら「さあそろそろ授業がはじまるわ。教室に戻りましょうか、効果のほどを確かめたいわ」

まどか「うううぅ……いやだよう……」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 22:59:19 ID:0URvncSs0
まどか「ただいまぁ」ガラッ

クラスメイト1「おかえり……って鹿目さんどうしたの? 体中真っ白だよ?」

まどか「うん……ちょっとね」プーン

クラスメイト2「うわっ、臭っ! なんか鹿目さん臭くない?」

クラスメイト3「ちょっと女の子に臭いとかしつr……うわっこれはちょっと」

まどか「ううううぅ……」ポロポロ

ほむら「さすがはフマキラーの効果、完璧だわ。これでまどかの周囲1メートルには誰も近づこうとしない」

中沢「えーと、鹿目さん? 保健室につれt」

ほむら「マジカル・スナイパーライフル!」ドンッ

中沢「うっ!」ドサッ


ほむら「誰も近づこうとしない。これでまどかに悪い虫がつく心配もなくなったわ」

まどか「こんなの嫌だよぉ」ポロポロ

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:05:48 ID:0URvncSs0
ほむら「安心して、まどか。こうなってしまった以上私が責任を持ってずっとまどかの側にいるわ」

ほむら「ちょっとくらいフマキラー臭くても私は気にしないもの、まどかはどんなことになってもまどかよ」ギュッ

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「ああ、まどか。こうして誰に咎められることなく二人の時間は永遠に続いていくのね」ギュー

ほむら「ちょっとくらい……フマキラー……臭くても……」


ほむら「おうっぷ……」

まどか「!!??」

まどか「酷いよほむらちゃん! 自分で責任とるって言ったのに!」ダダダッ

ほむら「ああ待って! まどか……マドカァー!」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:10:52 ID:0URvncSs0
まどか「屋上の風、気持ちいいな……」

まどか「汚い私が浄化されていくみたい、いっそこのまま私も風になって……」

まどか「ああ……空に溶けてしまいたい……あはは~」


ほむら「まずいわね……まどかの性格がおかしな方向に傾いていってるわ」

ほむら「これはフマキラーの副作用なのかしら、それとも……」

ほむら「いいえ、それならこれから私のやるべきことは自ずと導かれるわ」


ほむら「まどかッ!」

まどか「!?」ビクッ

ほむら「ごめんなさい、まどか。もしかしたら私が間違っていたのかもしれないわ」

ほむら「嫌がるまどかに、無理やりフマキラーを吹きかけたりリキッドを飲ませたりホウ酸団子を食べさせたりなんてするべきじゃなかった」

まどか「えっ……そこまでやってたんだ……私途中で気を失ってたから気づかなかなったけど……」

ほむら「ええ、ごめんなさい……」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:14:43 ID:0URvncSs0
ほむら「でも安心して。もう二度とまどかにフマキラーを吹きかけたりしないから」

まどか「うん……。リキッドも、ホウ酸団子も食べさせない?」

ほむら「もちろんよ。神にも悪魔にも誓えるわ。二度とこんなことしない」

まどか「なんか怪しいなぁ」

ほむら「私ね、ようやくわかったの……」


ほむら「逆に、世界をフマキラーで満たせばよかったんだって」

まどか「……えっ?」

ほむら「まどかはここで待っていて。私が世界を変えてみせるわ」

ほむら「そしてフマキラーが満たされた世界であなたは神になり、私はそんなまどかの最高の友だちになるの」

まどか「いや意味がわからないよ」

ほむら「いでよマジカル・ポンプ車・イン・フマキラー!」ズドオオォン

ほむら「またね、まどか。次は新世界で逢いましょう」ドドドドド・・・

まどか「待って、ほむらちゃん! ほむらちゃああああああああん!!!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:19:50 ID:0URvncSs0
 そして世界はフマキラーの煙に包まれた

 コンクリートビルはすべからく倒壊し、核シェルターは一つ残らず掘り返された

 人々はフマキラーの煙から逃げ切ることができず、そのピレスロイドの煙を肺いっぱいに吸い込むことを余儀なくされた

 ガスマスクは略奪され、呼吸器臓器は家一件を買えるほどの金額で取り引きされるようになった

 安物のマスクをつけて街を徘徊する人たちがゾンビのように溢れ、夢もキボーもない世界に変わってしまった


 巴マミや佐倉杏子をはじめとした魔法少女たちは「ワルプルギスにかまってる場合じゃねえ」と一同に集結し

 フマキラーの“悪魔”と呼ばるようになった暁美ほむらに戦いを挑んだが、その全てが失敗に終わってしまった


 かくして今や世界はフマキラーで満たされ、フマキラーが世界の常識となった

 その中で唯一フマキラーに完全な抗体を持ってしまった鹿目まどか(ほむらのせい)が神として崇め奉られるには

 そう時間はかからなかった


 そして――――

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:25:26 ID:0URvncSs0
ほむら「久しぶりね、まどか」

まどか「ほむらちゃん!」

まどか「ずっとほむらちゃんのこと探してたんだよ、今までどこに」

ほむら「そうね、世界中をまわってきたのだけれど、今しがた北極を制圧したところよ」

ほむら「これで世界の99.99%はフマキラーに包まれたわ。もう誰もあなたに言い寄る愚か者は現れないはず」

ほむら「私のいない間、しっかり貞操は守られていたかしら?」

まどか「それは……まあ……」

まどか「ってそうじゃなくて! こんな世界絶対おかしいよ!」

ほむら「おかしい? なにを言ってるのかさっぱり分からないわ。ここは私とあなたのための理想郷なのよ」

まどか「理想? そんなのほむらちゃんだけの一人よがりな世界だよ……」

ほむら「まさかまさか」

まどか「そっか……もうほむらちゃんに私の声は届かないんだね。このフマキラーな空気に遮られて。だったら私……」


まどか「出てきて! インキュベーター!」

キュウべえ「やあ、やっと僕の出番かい。正直もう忘れてるかと思ったよ」

ほむら「まどか……あなたまさか!?」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:30:18 ID:0URvncSs0
まどか「私決めた、魔法少女になる。願いごとは……」

まどか「この世界に存在する全てのフマキラーを消し去りたい、この手で!」

ほむら「待って、そんなことをしたら……!」

キュウべえ「因果の特異点となった君なら叶えられるだろう。さあ、ソウルジェムを受け取るんだ」ペカー

ほむら「やめてまどか! 私と約束したでしょう! 新世界の神になって二人だけのレズファックをするって!」

まどか「そんな約束してないよ! っていうか変身中に卑猥なこと言うのやめてよ!」キラキラ

ほむら「そんな、うそ……」

まどか「あ、すごい……体中にチカラが漲ってくる、これが空気清浄機としての魔法少女のチカラ……」

まどか「待っててねみんな! 今すぐ私が浄化してあげるから!」ドビューン

ほむら「行かないで! まどか! 待ってまどかアアアアアアアアアアアアアアアァ!!!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:34:48 ID:0URvncSs0
 そして世界から全てのフマキラーは取り除かれた、一人の少女の犠牲によって


 しかし、彼女は想像もしていなかっただろう、全てがフマキラーで満たされた世界から

 フマキラーを消してしまうということが、どれほど恐ろしい結果をもたらしてしまうのか


 フマキラーの煙を生命サイクルに組み込まれていた植物種は残らず死滅してしまった

 当然のようにその植物を食べていた小動物も死滅し、小動物を食べていた肉食動物までも死滅した


 ようやくフマキラーな空気に順応しはじめていた人類はその差異に呼吸器をやられてしまった

 もはや彼ら彼女ら普通の人間はフマキラーありきの進化をはじめていたのだ


 “自然”を奪われた世界は機能を停止し、荒廃した砂漠のような大地だけが残された

 そんな大地に最後の魔法少女として暁美ほむらだけが一人立ち尽くしていた


 そして――

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:38:44 ID:0URvncSs0
ほむら「そんな、どうしてこんな結果に……」

ほむら「ただ私はまどかと二人だけの世界でなんやかんやありつつも最終的にはレズハッピーになりたかっただけなのに」

キュウべえ「君の気持ちはどうあれ、どうやら選択肢を間違えてしまったようだね」

キュウべえ「これならまだ洞穴でマンモスを追い回していたほうがよかったんじゃないかな」

ほむら「不愉快よ、黙りなさい」ブシューブシュー

キュウべえ「目が、目がああああああああああああ」

ほむら「安心なさい。これはCRC556、ただのグリススプレーよ」

ほむら「それにしても……まどか、ああ愛しのまどか……」

ほむら「全てのフマキラーを消した後に抗体である自分自身まで消してしまうなんて」

ほむら「まどかがターミネーター2を見ていたのが運のツキだったようね……」

キュウべえ「それで……君はどうするんだい、暁美ほむら」

キュウべえ「僕らとしてはもうこんな星からエネルギーを回収できる見込みなんてないし撤退しようかと」

ほむら「その必要はないわ」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:42:50 ID:0URvncSs0
ほむら「私の魔法少女としての契約内容をあなたたちは知ってるのかしら」

キュウべえ「いいや。正直フマキラーが目立ちすぎていてとても話に割って入れる雰囲気ではなかったからね」

ほむら「そう……。私はこう契約したのよ「鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなく、彼女を守る私になりたい」って」

キュウべえ「ふうん。そういうことかい」


キュウべえ「でも今回の君の素行を見てきた限り、とても鹿目まどかを守ろうとする気概なんてなかったけれど」

ほむら「愛よ」

キュウべえ「??」

ほむら「これも一つの愛の形なのよ」

キュウべえ「わけがわからないよ」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:43:43 ID:0URvncSs0
ほむら「私の戦場はここではないわ」カシャ



 シュイイイイイイイイイイイイイイン



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ほむら(今回はちょっと悪ふざけが過ぎてしまったみたいね)

ほむら(今度こそ真面目に、鹿目まどかを救ってみせる……!)

ほむら(……あら? これはさっきキュウべえの目に噴きかけたCRC556。いつの間にか持ち越してしまったみたいね……)

ほむら(でも……ふふふ、今度はこれをまどかに吹きかけたらどんな反応をするかしら?)

ほむら(楽しみだわ……ああ、愛しのまどか、待っててね)


 終われ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/25 23:46:08 ID:Bb9lKUKn0
乙キチ