3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:13:30 ID:8YDZ0KZu0
黒井「……そのようだな」

高木「……」

P「……」

黒井「非常に……残念だ」

P「……どの口がそんなことを」ボソッ

高木「やめなさい」

P「……」

黒井「……ふん」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:15:23 ID:8YDZ0KZu0
高木「行こうか、P君、音無君」ガタッ

P「……はい」ガタッ

小鳥「……」ガタッ

黒井「……高木」

高木「何だね?」

黒井「貴様らは決断をした……覚悟しておけ」

P「……」

黒井「このビルから貴様らが出たとき、戦争は始まる。せいぜい気をつけるんだな」

高木「……行こうか」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:18:51 ID:8YDZ0KZu0
小鳥「社長、これからどうなさいます?」

高木「……フム」

P「……」

高木「私はこの件、君たちに託そうと思っている」

P「……!」

小鳥「そんな……」

高木「世代交代……かな。もう私は動けんよ」

P「社長……」

高木「何、そんな顔をするな……君たちなら出来る」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:21:08 ID:8YDZ0KZu0
小鳥「無理です!社長無しに961プロと戦うなんて……」

P「……分かりました」

小鳥「プロデューサーさん!?」

P「あなたの意志は、765プロのみんなに受け継がれる……心配はいりません」

高木「ああ、頼んだ」

小鳥「社長……」

高木「音無君。P君に何かあれば、頼むよ」

小鳥「……は、はいっ!」

高木「それでは、行こうか。このビルはどうも息苦しくてね……」ガチャッ


ベシャッ

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:24:09 ID:8YDZ0KZu0
P「……!?」

高木「なっ、こ、こべは……」ベシャベシャバシャビシャッ

男「へへーん、くらえっ!」

男2「おい、まだ出てくるぞ」



P「……音無さん、こっちです!」バッ

小鳥「わっ……」

P「急いで……逃げましょう!」

小鳥「でも、社長は……」

P「早く!」

小鳥「……っ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:27:29 ID:8YDZ0KZu0
タッタッタッタッ…

小鳥「はぁ……はぁ……」

P「くそっ、本当にビルを出た瞬間に開戦か……油断した」

小鳥「社長は……こうなることを知ってて……」

P「……やめましょう、音無さん」

小鳥「……そう、ですね」

P「それに……」チラッ


男「おい、いたぞ!」

男2「追いかけろ!社長の命だ、死んでも逃がすな!」


P「……くそっ」

――――

――

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:31:08 ID:8YDZ0KZu0
春香「あ、雪だるまだ!」

春香(雪が積もってると嬉しいよね……雪だるま、作ろうかな)

春香(あ……でも、プロデューサーさんにまだダメって言われたんだよね……)


ツルッ


春香「わ、わわっ!?」ドテッ

春香「いったた……」

春香(また転んじゃった……許すまじ、路面凍結)


春香「慎重に、慎重に……きゃっ!?」ドテッ

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:34:05 ID:8YDZ0KZu0
ガチャッ

春香「おはようございまーす……」

春香(結局転び放題だった……)


律子「……あぁ春香、おはよう」

春香「律子さん、どうかしたんですか?」

律子「……プロデューサーに連絡がつかないのよ」

春香「……どういうことですか?」

伊織「あと、社長と小鳥もつながらないわね……一体何やってんだか」

真「確か、昨日その三人で961プロと交渉しに行った、って……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:36:38 ID:8YDZ0KZu0
雪歩「あの、やっぱり警察に……」

律子「いえ……その必要はないわ。まだ失踪したと決めつけるのは……」

春香「……」

ガチャッ

律子「誰っ!?」バッ

響「みんな、はいさーい!」

律子「……あぁ響、おはよう」

響「うがー!露骨にガッカリした挨拶をしないでほしいぞ!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:39:07 ID:8YDZ0KZu0
響「今日、転んじゃったんだ……沖縄に雪なんて降らないからね」

春香「あ、響も転んだの?」

響「すっごく冷たかったぞ……周りの視線も」

春香「あぁ……」

響「……そういえば、プロデューサーがいないけどどうしたんだ?」

律子「それはね、響……」



響「えぇっ!?ウソでしょ!?」

律子「……みんなにいちいち説明してて疲れたわ……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:43:31 ID:8YDZ0KZu0
亜美「りっちゃーん、兄ちゃんはいつ帰ってくるの?」

真美「待ちくたびれたYO!」

律子「……」

春香(プロデューサーさん……)


ガチャッ


亜美「あ、兄ちゃん?」


小鳥「……」ドサッ

亜美「……ってピヨちゃん!?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:46:06 ID:8YDZ0KZu0
春香「小鳥さん!その怪我……」

小鳥「……転んだの」

真「プロデューサーは!?」

伊織「961プロにやられたの!?」

響「何があったんだー!?」

律子「みんな静かにっ!」バンッ

一同「……」

小鳥「始まって……しまったんです……」

春香「……何がですか?」



小鳥「……雪合戦よ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:48:45 ID:8YDZ0KZu0
P「おいっ!放せよ!」

男「ちっ、暴れんなよ」

男2「女には逃げられたけど、まーいっか!」

P「ぐっ……」

男「そんじゃ、またねー」

ウィーン


P「……」

P(音無さんは事務所に着いただろうか……)

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:51:28 ID:8YDZ0KZu0
ウィーン

黒井「やぁ、久しぶりだな」

P「お前……!ふざけるな!自分が何をしてるか分かってるのか!?」

黒井「私語は慎め」ゲシッ

P「かは……っ」

黒井「黙って見ているんだな……三流プロダクションが無様に敗北する様を」

P「……」

黒井「そんな顔をするな、貴様の首筋には後で雪を流し込んでやる」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:54:45 ID:8YDZ0KZu0
P「俺を捕まえてどうする?そんなに俺が怖いか?」

黒井「何を言う……貴様など脅威ではない」

P「じゃあ何故……」

黒井「愚問だな。この戦争に勝つため、ただそれだけだ」

P「何だと……?」

黒井「貴様が拉致されたとなれば、765プロの三流アイドルどもは黙っていないだろうな」

P「……」

黒井「当然、この部屋を目指しやってくる……そこを狙うのだよ」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 16:57:52 ID:8YDZ0KZu0
P「お前……」

黒井「卑怯だ、とでも言いたいか?」

P「……」

黒井「勝つためなら何でもする……当然だろう。たとえそれが、雪合戦であろうともな」

P「……いや、違う」

黒井「何だと?」

P「お前は分かっていない……」


P「うちのアイドル達を……なめるなよ」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:01:14 ID:8YDZ0KZu0
春香「みんな……準備はいい?」


千早「当然よ」

真「……」コキッ

雪歩「あ、穴を掘って埋めてやりますぅ!」


春香「オーケー」

春香「第一班、準備できました」

律子『了解』


春香「……ふぅ」

春香(プロデューサーさん……)

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:04:39 ID:8YDZ0KZu0
響「こちら第二班!みんな元気だぞー!」


やよい「うっうー!皆さん、頑張りましょう!」

美希「律子……さん、ミキやるよ!ハニーを助けるの!」

貴音「戦とは……まこと、緊張しますね」

律子『了解、無理はしないでね?』


響(自分、雪合戦は初めてだからな……楽しみだぞ!)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:07:10 ID:8YDZ0KZu0
律子『あずささーん、今どこですか?』

あずさ「はーい、何だか大きなビルが見えます~」

亜美「あずさお姉ちゃん、そっちは逆だYO!」

真美「こっちこっち→!」


律子『亜美、真美、あずささんの操縦しっかりね』

亜美「りょーかい!」

真美「真美……この戦争が終わったら結婚するんだ……」

あずさ「あらあら、おめでたいわね~」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:10:20 ID:8YDZ0KZu0
あずさ『それでは第三班、行ってきます~』

律子「はい、ご武運お祈りします……」


律子「……ふぅ」

伊織「はい、コーヒー」コトッ

律子「あら、気が利くじゃない」

伊織「べっ、別に……」

律子「……ねぇ、伊織」

伊織「何よ」

律子「あなたは、前線に行きたくないの?」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:13:25 ID:8YDZ0KZu0
伊織「……何よ、それ。この伊織ちゃんが、雪が積もったぐらいではしゃぐと思う?」

律子「それもそうね……」

伊織「分かればいいのよ、分かれば」

律子「……じゃあ、こっちでちゃんと仕事してちょうだい」

伊織「……はい?」

律子「前線から得られる情報から戦況を判断する。作戦の変更があれば指示する。それから……」

伊織「ま、待って!ここってそんなハードなの!?」

律子「戦争では司令役が重要よ……しっかりね」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:16:16 ID:8YDZ0KZu0
P「ああっ!冷たい冷たいぃい゛い!!」

黒井「下らんな……汚い声を上げおって」シャリシャリ

P「ヤバイよヤバイよ!背中はガチでヤバイって!」

黒井「ククク……フハハ」

黒井「ハーハッハッハー!!」ドバー

P「ぴぎゃあああああああああ」

黒井「三流プロダクションはこれだから……」

プルルルル プルルルル

黒井「……チッ。何だ?」

男『侵入者です!765プロの奴らが……うわっ、何す……』

ブチッ

黒井「……?」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:19:39 ID:8YDZ0KZu0
男「……」ガクッ

あずさ「あらあら、寝ちゃったのかしら~」

亜美「窒息させた……だと……」

真美「つくづくモンスターサイズですな→」


男2「おいっ!何してる!」タタッ

亜美「マグヌスボール!」ヒュン

男2「ぐわっ……」ドサッ

真美「765式波動球!」ブン

男2「」ベシャッ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:22:07 ID:8YDZ0KZu0
亜美(亜美たち第三班は、ここで暴れるだけ暴れるのがお仕事……なんだよね)


男3「いたぞ!侵入者だ!」

男4「社長に一歩でも近付けるな!」

男5「ベチョベチョにしてやるよ……」


亜美「……いくよ、真美」

真美「おうよっ!」

あずさ「雪で手が冷えてしまいました……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:25:56 ID:8YDZ0KZu0
律子『第三班、戦闘を開始したわ』

春香「……」ゴクリ

千早「春香、緊張してる?」

春香「え?い、いや、そんなことは……」

千早「戦場では仲間が死ぬわ。覚悟しておいて」

春香「千早ちゃん……」


真「……いくよ、みんな」

雪歩「……たぁあっ!」パリーン

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:28:27 ID:8YDZ0KZu0
伊織『裏口が手薄になってるわ。そっちに回ってちょうだい』

美希「オッケーなの!デコちゃん、ありがとうなの!」タッタッ

伊織『デコちゃん言うな!』


伊織『……で、そこの通風孔から入って』

響「なんか、ずいぶん狭くないか……?」

貴音「これも作戦です、従いましょう」バッ

やよい「し、四条さんが挟まってますー!」

伊織『何やってんのよ……』

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:31:14 ID:8YDZ0KZu0
貴音「私は……どうやら、ここまでのようです」

響「貴音……」

やよい「四条さん……」

貴音「ふふ……心配には及びません。私は……貴女たちの心の中に……」


伊織『それじゃ、ルート変更ね』

美希「……デコちゃん、ちょっとは空気読んでなの」

響「うがー!台無しだぞー!」

やよい「と、とにかく行きましょう!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:34:21 ID:8YDZ0KZu0
タッタッタッタッ…

真「しっかし、雪って重いね……ちょっと持ち込みすぎたよ」

千早「そうかしら?私は慣れているけれど」

雪歩「ザクッと……ザクッと……」ブツブツ

春香(始まっちゃったよ……私、生きて帰れるのかな)


千早「律子、プロデューサーはどこ?」

律子『……地下室に監禁されているみたいね』

真「地下室かぁ……ここからだと遠いね、エレベーターでも使わないと」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:37:16 ID:8YDZ0KZu0
律子『そこを左に曲がったところに、社員用のエレベーターがあるわ』

春香「了解です!」タッ

ヒュン ベシャッ

春香「……!?」


翔太「やぁ、みんな元気?」

北斗「チャオ☆」


千早「あなたたちは……」

真「……ジュピター……!」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:40:17 ID:8YDZ0KZu0
春香「あ、危なかった……」

千早「……天ヶ瀬冬馬は居ないようね。別のところに配置されてるのかしら?」


翔太「しっかし、クロちゃんも趣味が悪いよね……雪合戦なんてさ」

北斗「レディーに手を出すのは、好きじゃないんだけど」


真「……みんな」

春香「?」

真「ここは……ボクに任せてくれないか?」

雪歩「真……ちゃん……?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:43:41 ID:8YDZ0KZu0
真「ボクがジュピターの二人を引き付ける」

春香「真、一体何を……」

真「だから、みんなはその間にエレベーターで地下に行ってくれ」

雪歩「そんな……何で……」

千早「分かったわ」

春香「千早ちゃん!?」

千早「ここでジュピターと戦っても、勝てる見込みは少ないもの……分散した方が効率的だわ」

春香「っ……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:46:35 ID:8YDZ0KZu0
翔太「……作戦会議は済んだかな?」

北斗「じゃあ、こっちから……」

真「……行けっ!!」


春香「真……また後でね?」タタッ

千早「……」タタッ

雪歩「……」タッ


翔太「おわ、あからさまな作戦だねー」

北斗「行かせるかっ……」シャリッ

ファサッ

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:49:12 ID:8YDZ0KZu0
北斗「!?」

北斗(前が……見えねえ……!)

翔太「しまった、これは……粉雪……」

真「固めるだけが雪じゃないんだよ!」

ウィーン ガタン…

真(春香、千早、雪歩……後は、頼んだ)


北斗「……ちっ、逃がしたか」ゴシゴシ

翔太「後でクロちゃんに怒られちゃうね……」ゴシゴシ


真「……さて、と」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:52:05 ID:8YDZ0KZu0
真(粉雪の目潰しは、不意打ちの一回しか使えないだろう)

真(だとしたら……)


真「真っ向勝負だっ!」ヒュン

翔太「おおっと!」ヒュン

北斗「甘いよ、子猫ちゃん」ヒュン

真「わっ……とと」


真(同時に二方向から雪玉が飛んでくる……ちょっときついな)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:55:27 ID:8YDZ0KZu0
ガガガ…

春香「真、大丈夫かな……」

千早「春香、今は自分の心配をすべき時よ」

雪歩(真ちゃん……)


律子『地下に着いたら、この通信も届かなくなるわ』

春香「!」

律子『……だから、今の内に作戦を伝えておくわね』

千早「ええ、お願い」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 17:58:23 ID:8YDZ0KZu0
真「はぁ……はぁ……」

真(雪のストックも尽きてきたな……)シャリッ


翔太「……まさか、二対一でこんなに手こずるとはね」

北斗「あぁ……でも、もう終わりだ」

真「……ぐっ」

ガガガ…

真(ごめん……みんな……)

北斗「……グッバイ、子猫ちゃん」




ウィーン

雪歩「たぁああああっ!!」

北斗「!?」ベシャッ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:01:12 ID:8YDZ0KZu0
雪歩「良かった……間に合った……」

真「雪歩……どうして!」

雪歩「えへへ、来ちゃった」

律子『真だけじゃ荷が重いってことで、雪歩を送ったのよ……』

真「……へへっ、ありがと」


北斗「ぐっ……耳に入った……」

翔太「……!北斗くんアレ!」

北斗「…………っ!?」


律子『……雪で一杯の、リヤカーと一緒にね』

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:04:33 ID:8YDZ0KZu0
翔太「リヤカー……地下から持ってきたのかな」

北斗「まぁ、依然俺たちが優せ」ゴスッ

翔太「!?」


雪歩「えへへ、当たりましたぁ!」

真「雪歩……すごいね……」


翔太(今のは……雪玉じゃない)

北斗「」ピクピク

翔太(塊だ……固まった雪の塊をぶん投げてきた……!)ゾクッ


雪歩「雪合戦に……スコップは欠かせないですぅ」ニコッ

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:07:10 ID:8YDZ0KZu0
春香「地下って……案外広いね」タッタッ

千早「プロデューサーがいる地下室の場所を聞いてなかったわね……」タッタッ


千早(地下に降りたところで、貯蔵された大量の雪を発見できたのはラッキーだった)

千早(スコップを持つ雪歩には……固い雪は最高の武器となる)

千早(上手くいっているといいのだけど……)


春香「……千早ちゃん、ちょっと」

千早「どうしたの?」

春香「これ……」シャリッ

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:10:11 ID:8YDZ0KZu0
千早「元々貯蔵してる雪じゃないかしら?」

春香「違う……この雪、柔らかい」

千早「!」

春香「きっと、プロデューサーさんが残していったんだよ!」

千早「罠ってことはないかしら?」

春香「うっ……」

千早「……まぁ、どの道手掛かりはないし。こっちに行きましょう」


千早「罠じゃないと信じて……ね」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:13:06 ID:8YDZ0KZu0
春香「……」

千早「……」

春香「……千早ちゃん」

千早「……こういう時もあるわ」


男5「フヒッ……」

男6「来たぞ!捕らえろ!」

男7「ぶっ倒せっ!」シャリッ


千早「……はぁ」

千早(ざっと30人はいるかしら……)

千早「春香、行って」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:16:16 ID:8YDZ0KZu0
春香「えっ……でも」

千早「これぐらいの人数、私でもどうにかなるわ。先に行って」

千早(……おそらく、増援が来るだろうけど)

春香「……っ」

千早「早くプロデューサーを助けてあげて?」

春香(千早ちゃん……)

春香「ごめん、任せたよ!」タタッ

千早(それでいいの……さて)


千早「……来なさい。アップは済んでるわ」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:19:03 ID:8YDZ0KZu0
千早「……」スー


千早「はっ!」

男6「うぐっ……」ビシッ

千早「たぁっ!」

男7「ごふ……っ」ドスッ

千早(急所にピンポイントで当てられれば、私一人でもいける……はず)

千早(でも……)チラッ


男8「早く来い!お前ら何してる!」

千早(増援……早いわね)

男8「何やっ……ごふぉっ!」ガボッ



千早「……え?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:22:10 ID:8YDZ0KZu0
美希「おにぎりスマーッシュ!なの!」

響「雪玉を口にぶち込むのはどうかと思うぞ……」

千早「美希、響……」


やよい「如月さん!大丈夫ですかー!?」

千早「高槻さん……!」ジワッ

響「反応に差があるぞ」


美希「千早さん、ミキたちが来たからにはもう大丈夫なの!」

響「さすがに数が多すぎない……?」

千早「……ふふっ、ありがとう」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:25:12 ID:8YDZ0KZu0
春香「はぁ……はぁ……」タッタッ

春香(プロデューサーさん……どこ……?)


春香「わっ!?」ドテーン

春香「いたた……また転んだ……」


春香(プロデューサーさん……待ってて下さいね!)

冬馬「……オイ」

春香「わわっ!?」ドテーン

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:28:13 ID:8YDZ0KZu0
春香「あなたは……ジュピターの……!」

冬馬「……天海春香、だな」

春香「へ?」

冬馬「お前んとこのプロデューサーはこっちにいる、ついてこい」

春香「え?……え?どういうこと?」

冬馬「チッ、うるせーな……」


冬馬「協力してやるって言ってんだ、素直に従え」

春香「きょ、協力!?」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:31:20 ID:8YDZ0KZu0
春香「その……どうして?」

冬馬「黒井のオッサンのやり方は気に入らねぇ……雪合戦なら、正々堂々とやるべきだ」

春香「だから、私に協力?」

冬馬「ああ、そうだ」

春香「……」

春香(これって……罠、なのかな……?)

冬馬「……何ボーッとしてんだ、行くぞ」

春香(でも、他にプロデューサーさんの居場所の手掛かりは……)

春香「……うん、行こっか」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:34:09 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「……ここだ」

春香「うわっ、ドアが大きい……」

春香(この中に……プロデューサーさんが……)

冬馬「いいか、この中に黒井のオッサンがいる」

冬馬「俺と天海、お前でオッサンを倒すんだ……二対一ならできる」

春香「えっと、作戦とかは?」

冬馬「雪をぶつける。それだけだ」

春香「……」

冬馬「それじゃ、行くぞ」

ウィーン

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:37:11 ID:8YDZ0KZu0
黒井「そらっ!もっとだ!」シャリシャリ

P「ああっ!背中が!背中が低温やけどしちゃうからぁあ!!」

黒井「フハハ、次はこの塊をぶち込んでやる……!」ガッ

P「やめっ、やめ、ヤバいよヤバいってぇえええ!!!」

黒井「言うことは他にあるだろう?」

P「あ……ありがとうございます!ありがとうございますぅ!!」

黒井「それでいい、三流プロダクションにはお似合いだ!」



冬馬「……」

春香「……」

ウィーン

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:40:22 ID:8YDZ0KZu0
ウィーン

春香「せいやぁっ!」ビュン

黒井「むっ!?」ベシャッ

春香「ヘイメーン!踊ろうぜ!」ビュン

黒井「クク……来たか」ベシャッ

P「春香!来てくれたのか!」

春香「黙れ!」ビュン

P「ありがとうございます!」ベシャッ


冬馬(精神崩壊……か)

黒井「貴様……裏切ったのか」

冬馬「……ふん」

73: >>72ミス こっちが先 2013/01/19 18:41:47 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「……なぁ、今のメガネは765プロのプロデューサーだよな?」

春香「……多分」

冬馬「……」


春香「……ねぇ、今のムチ持ってた人って961プロの社長さんだよね?」

冬馬「……多分な」

春香「……」

冬馬「……」

春香「私……行かないと、プロデューサーさんを……助けないと……」フラッ

冬馬(助かるのか……?)

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:45:07 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「オッサン……もう、やめにしようぜ」

黒井「何だと?」

冬馬「こんなこと意味ねぇよ……俺たち、仕事キャンセルしてるんだぞ!?」

黒井「だから、どうした?」

冬馬「あ?」

黒井「お前たちは私の駒に過ぎん……私が雪合戦をする準備をしていれば良い」

冬馬「てめぇ……!」

黒井「ここまで来れるのが二人だけとは思わなかったが……」



黒井「始めようか」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:48:25 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「……っ」

黒井「どうした、来ないのか?先手必勝と教えたはずだが」

冬馬「……この野郎!」ブン

黒井「クク……それでいい」ベシャッ


冬馬(何だ……こいつは)ブン

黒井「それでは、反撃といくか」ベシャッ

冬馬(避ける気がまるでねぇ……!)

黒井「……覇ッ!」ゴウッ

冬馬(なっ……速)ズドン

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:51:17 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「げほ……かはっ」

黒井「いい雪だろう?先日に降ったものを保存したのだ」

黒井「どうせ貴様は、この地下にある雪を適当に持ってきたのだろうが……」ゴウッ

冬馬「うあっ!」ズドン

黒井「観賞用の古い雪を使うようでは……私には到底勝てん!」

冬馬(何だ……この化け物は)

冬馬(天海の援護は……)チラッ


春香「そこにひざまずいて!」

P「ありがとうございます!」orz

冬馬「……」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:54:08 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「おい天海!何やってんだ、援護しろ!」

春香「援護……?どうせ私は裏に回る無個性ですよーだ!」

冬馬「何言ってんだ!」

春香「ムリムリ、どーせ勝てないよ諦めようよー」

冬馬「……」

冬馬「……765の奴らは諦めてなかった!」

春香「!」

冬馬「最後まで戦って……お前に託したんだろ」


冬馬「お前が諦めてどうすんだよ天海っ!!」


春香「……」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 18:57:22 ID:8YDZ0KZu0
春香「ごめんね……冬馬くん。私、目が覚めたよ」

冬馬「天海……」

P「春香……良かった」

春香「……えっ?」

P「さぁ、反撃開始といこうぜ!」

春香(……何かがおかしいような)


黒井「クッ……クク」

黒井「フハハハハハハハハッ!!」

冬馬「オッサン……何がおかしい?」

黒井「下らん、実に下らん茶番だ……雑魚が何人束になろうが無駄だというのに」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 19:00:36 ID:8YDZ0KZu0
P「おい、お前ら」ヒソヒソ

冬馬「何だよ、さっきまでドM野郎だったのに」

P「あれは演技だ……それより、俺に作戦がある」

春香「作戦……ですか?」


黒井「下らんな……すぐに終わらせてやる」

P「……」ザッ

春香「プロデューサーさん!雪合戦ですよ、雪合戦!」

冬馬「はしゃいでる場合じゃねーぞ……」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:05:55 ID:8YDZ0KZu0
P「……いくぞ」

冬馬「オラァッ!」ブン

春香「えいっ!」ビュン

黒井「どこに投げている……当てなければ意味はないぞ」ゴウッ

P「ぐほぅっ!」ズドン


冬馬「どりゃあ!」ブン

春香「春香ボール!」ビュン

黒井「……」


春香(プロデューサーさんを壁にしてひたすら投げまくる……それが、この作戦の概要)

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:08:16 ID:8YDZ0KZu0
春香「はぁ……はぁ……」

冬馬「くそっ……」

黒井「……それにしても、タフなことだ」ゴウッ

P「あふぅ!」ズドン

春香(このままだと……プロデューサーさんが大変なことに……)

冬馬「……らっ!」ブン

黒井「まったく、さっきから当てることすらできないのか……」

ピチョン

黒井「!?」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:11:25 ID:8YDZ0KZu0
冬馬「……オッサン」

冬馬「あんたがやってきた雪合戦っていうのは、外でやるもんだ」

冬馬「だから忘れてたんだろ?……天井の存在に」

黒井(天井に着いた雪から……水滴が……)

ピチョン

黒井「私の首筋にぃいいいい!!」

冬馬「これを狙ってたんだよ、最初からな」

P「首筋が弱いことは知ってるぜ?」

黒井「おのれ……だが、少しでも移動すれば水滴は……」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:14:48 ID:8YDZ0KZu0
P「……黒井社長」

黒井「む?」

P「あなたの知る雪合戦は、恐らく雪原で行われるものだ」

P「だけどここは……地下室なんだよ」

黒井「……一体何を言って」


ツルッ


黒井「っ!?」ドテーン

春香「……足元、滑りやすいんですよ」ニコッ


P「さぁ……今度は黒井社長、あなたの首筋に雪を流し込んであげましょう」

黒井「なっ……何をする、やめ……」


ウギャアアアアアアア

――――

――

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:17:37 ID:8YDZ0KZu0
ガララッ

高木「おお、君たちか!」

P「……」ペコリ

小鳥「お久し振りです、社長」

P「体の方はどうですか?」

高木「もうすぐ退院できるそうだ……いやはや、最近の医学は素晴らしいね」


P(……あの戦争から少し経って)

P(俺たちは、腰を痛め入院していた社長のお見舞いに来ていた)

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:20:10 ID:8YDZ0KZu0
小鳥「リンゴ、剥きますね」

高木「ああ、すまない」

P「……」


高木「……黒井のことなんだがね」シャリシャリ

P「……はい」

高木「幼少の頃、奴は雪国で育ったらしい」

小鳥「……」

高木「この東京にずっといると……雪合戦なんてなかなか出来ない。まして黒井は、961プロの社長なのだから」

P「それで……あんな事件を……」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:23:20 ID:8YDZ0KZu0
高木「……フム」

P「どうかしました?」

高木「今度、正式に961プロと雪合戦してみるのもいいかもしれないな……」

P「やめて下さい、あの人には勝てません」

高木「ハハハ、それもそうだ!」


P「……じゃあ、俺はここで失礼します」

高木「ああ」

ガララッ


P「……」ポパピプペ

P「もしもし、春香?」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/19 20:26:20 ID:8YDZ0KZu0
春香「あ、プロデューサーさん!いつ来れますか?」

P『今病院だから、30分もあれば着くよ』

春香「早く来て下さいね、みんな待ってますから!」

冬馬「雪が溶けちまうぞー!」

P『オッケー分かった、待ってろよ!』

黒井「第二ラウンドといこうじゃないか……」

P『くろっ……!?……い、行くのやめようかな……』

春香「もう、何言ってるんですか!」

P『……はは、冗談だ』

春香「それじゃ……」



春香「……交渉成立、ですね」



引用元: P「……交渉決裂、ですね」