704: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:39:08.44 ID:QfEjD48K0
4次試験終了から3日後 

ネテロ「さて諸君ゆっくり休めたかな?」 

ネテロ「ここは委員会が経営するホテルじゃが、決勝が終了するまで君達の貸し切りとなっておる」 

ネテロ「最終試験は1対1のトーナメント形式で行う」 

ネテロ「その組合せは・・・こうじゃ」 

そう言うとネテロはホワイトボードにかかっていた布を取った 

唯「!」 

澪「!」 

律「!」


706: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:40:57.99 ID:QfEjD48K0
紬「・・・」

ネテロ「さて最終試験のクリア条件だが、いたって明確」

ネテロ「たった1勝で合格である!」

律「ってことは」

ネテロ「つまりこのトーナメントは勝った者が次々ぬけていき、負けた者が上に登っていくシステム!」

ネテロ「この表の頂点は不合格を意味するわけだ、もうおわかりかな?」

梓「要するに不合格はたった一人ってことですか」

ネテロ「さよう」

707: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:43:12.64 ID:QfEjD48K0
ネテロ「戦い方も単純明快」

ネテロ「武器OK、反則なし」

ネテロ「相手に「まいった」と言わせれば勝ち!」

ネテロ「ただし、相手を死にいたらしめてしまった者は即失格!」

ネテロ「その時点で残りの者が合格、試験は終了じゃ。よいな」

ネテロ「それでは最終試験を開始する!!」

708: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:46:09.44 ID:QfEjD48K0
第1試合
唯対アイ

紬「唯ちゃん頑張って!」

唯「うん!」

唯(相手はアイさんか・・・ヒソカさんと同じくらい気になってたけど・・・)

唯(いきなり戦えるなんてね、これで正体が分かるかも・・・)

アイ「・・・」

紬(アイ・・・最初の船から一緒だったけど、一体どんな人なのかしら・・・)

アイ「・・・久しぶり、お姉ちゃん」

唯「え・・・?」

709: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:51:28.04 ID:QfEjD48K0
アイ「私だよ、憂だよ」

アイはそう言うと全身を覆っていたマントを脱ぎすてた

憂「お姉ちゃん」

唯「う・・・憂!?憂なの!?」

憂「そうだよ」

唯「ええ!?えええ!?」

唯「何で!?どうやって!?一体どうなってるの!?」

憂「ふふふ、お姉ちゃんってば」

712: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:52:23.29 ID:QfEjD48K0
唯「最初の船の時からずっと憂がアイさんだったの!?」

憂「そうだよ」

唯「それなら教えてくれればよかったのに・・・」

憂「ごめんねお姉ちゃん」

唯「どうやって最終試験まで・・・って憂なら楽勝だよね、ハンター試験くらい」

憂「そんなことないよ、お姉ちゃんが心配で大変だったんだから」

唯「そんな~」

憂「ふふふ」

713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:53:26.66 ID:QfEjD48K0
唯「ねえ憂、あのさ」

憂「あの、会長さん」

ネテロ「何かね」

唯「・・・」

憂「勝つ条件は「まいった」と言わせるしかないんですよね?」

憂「気絶してもカウントはとらないしTKOもなし」

ネテロ「うむ、それだけじゃ」

憂「・・・分かりました」

憂「・・・」

唯「・・・」

714: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:54:39.54 ID:QfEjD48K0
唯(憂・・・なんか変)

唯(はっ!よく考えたらこれから憂と戦うのか!)

唯(え~・・・ムギちゃんと戦ったばっかりなのに・・・)

唯(・・・ううん、本気で戦うのが今の私に出来ることなんだよね)

唯(それが憂の、そして私の為なんだ)

唯(それに・・・これはきっと憂と戦う最初で最後のチャンス)

唯(今、すっごくわくわくしてる!)

憂「・・・」

唯(きっと私より全然強いんだろうけど、体力とスピードなら負けないよ!)

唯(速さでかきまわして勝機をみつける!)

ネテロ「それでは」

ネテロ「始め!!」

715: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 07:55:46.92 ID:QfEjD48K0
憂「お姉ちゃん」

唯「えっ」ビクッ

憂「私、お姉ちゃんに言いたいことがあるの」

唯「何?」

憂「ハンター試験、諦めて」

唯「ええっ!?」

憂「お姉ちゃんにはハンターなんて無理だよ」

唯「う・・・憂?何言ってるの・・・?」

憂「お姉ちゃんはハンターになんてならなくてもいいって言ってるの」

716: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:00:27.47 ID:QfEjD48K0
唯「憂・・・おかしいよそんなの」

憂「お姉ちゃんがハンターになる事の方がおかしいよ」

唯「憂・・・」

憂「いいから諦めて、さあ今すぐ家に帰ろう」

唯「お互いに平行線みたいだね・・・私は憂と戦うって決めたの!」

唯「憂が来ないならこっちから行くよ!!」

ダッ!!

唯はダッシュで憂との距離をとりスピードでかく乱する作戦に出た

憂「・・・」

718: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:05:15.56 ID:QfEjD48K0
スッ

ダッシュで離した距離を憂は一瞬で詰め、唯の目の前まで移動した

唯「!!」

憂「スピードに自信があったんだね、確かにすごいけど」

憂「遅すぎるよお姉ちゃん」

ドコ!!

憂の手刀が唯を捕らえた

憂「残念だけど・・・」

唯「―――!」

ドサッ・・・

719: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:10:06.12 ID:QfEjD48K0
紬「・・・!」

澪「唯!」

律「大丈夫か!?」

梓「憂・・・なんか怖いよ・・・」

ヒソカ「・・・」

憂「さて普通の決闘ならこれで勝負アリだけど・・・」

憂「ほら目覚ましてお姉ちゃん」グイッ

唯「・・・う」

720: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:15:19.80 ID:QfEjD48K0
グラグラ・・・

唯「・・・!!」

憂「気分はどう?脳みそがグルングルン揺れるように打ったんだけど」

憂「わかったでしょ?早く諦めて帰ろう」

唯「いや!」

パシン!

ぐるんっ

唯「・・・!!」

唯「げほっ!」

憂「何で分かんないかなぁ・・・」

唯「うえっ!げほっ!」ビチャビチャ

724: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:24:30.68 ID:QfEjD48K0
憂「ほら早く」

唯「~~~~!」

唯「絶対いや!!」

ズドッ!!

唯「ぐぅっ!」

唯「うげっ!」ビチャッ

紬「・・・!」

澪「唯!無理はよせ!次があるんだ、ここは・・・!」

律「澪!」

725: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:30:37.25 ID:QfEjD48K0
律「お前が唯の立場ならまいったって言えるか?」

澪「死んでも言わない!なんか憂ちゃんおかしいよ!わかってるけど言うしかないだろ!」

律「矛盾だらけだけど気持ちはよく分かる」

律(憂ちゃんは今おかしい)

律(ここは退け唯!自滅するぞ!!)

メンチ「全く・・・会長の性格の悪さときたら私達の比じゃないわよ」

メンチ「気軽にまいったなんて言える奴がここまで残れる訳ないじゃないの」

メンチ「一風変わったどころかとんでもない決闘システムだわ・・・!」

メンチ「あの娘やばいわよ」

728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:35:27.19 ID:QfEjD48K0
3時間後

唯はもうまともに立つことも出来なくなっていた

憂「・・・」

唯「・・・」

紬「3時間・・・経った・・・」

律「もう吐くモノも無くなってるぜ・・・」

憂「起きてお姉ちゃん」

唯「う・・・」グラグラ

梓「いい加減にして憂!!何でそこまで・・・!!」

憂「うるさいなあ、見るに堪えないなら消えたら?これからもっと酷くなるよ」

731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:41:05.78 ID:QfEjD48K0
澪「憂ちゃん!もうやめて!」

憂「・・・」

律「・・・私が代わりに相手してやる!」ダダッ

役員「1対1の勝負に他者は入れません」

役員「仮にこの状況であなたが手を出せば失格になるのは唯選手ですよ」

律「・・・!!」

唯「大丈夫だよりっちゃん・・・」

憂「!」

唯「こんなの全然平気・・・まだまだ・・・やれる」

憂「・・・!」

733: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:45:17.87 ID:QfEjD48K0
ドゴッ

唯「う・・・」

グイッ

唯「!」

憂「腕を折る」

澪律紬梓「・・・」

憂「・・・本気だよ、諦めて!!」

唯「・・・・・・」

唯「い・・・」

唯「いやだ!!」

ボキッ!

737: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:51:21.54 ID:QfEjD48K0
唯「!!・・・・・・ッ」

憂「・・・」

紬「・・・」

律「マジで折りやがった・・・」

唯「あ・・・ッ・・・!!」ブルブル

憂「さあ、これで左腕は使い物にならない」

憂「つまりこの後の戦いも当然勝てない、ハンター試験はおしまいだねお姉ちゃん」

唯「――――ッ」ブルブル

738: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:54:26.55 ID:QfEjD48K0
律「・・・ッ」ギリギリ

律「ムギ、止めんなよ」

紬「・・・」

律「いくら憂ちゃんでもこれ以上何かしたら」

律「唯にゃ悪いが抑え切れねェ」ギリギリ

紬「止める?」

紬「―――私が?」

紬「大丈夫、おそらくそれはないわ」ピリピリ

憂「お姉ちゃん」

740: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:56:35.30 ID:QfEjD48K0
憂「私無理な事言ってるかな?ただ諦めてくれればいいだけなのに」

憂「早く諦めてくれたらこんな事にならなかったんだよ?」

憂「ホントお姉ちゃんったら、心配かけさせないでよね~」

憂「ふふふ」

唯「・・・」

唯「ハァ・・・ハァ・・・」

741: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 08:58:45.85 ID:QfEjD48K0
グググッ・・・

律「唯!もう立つな!」

唯「・・・!!」ズキッ

唯「・・・痛みと憂のおしゃべりで頭は少し回復してきたよ」

澪「唯・・・」

唯「腕が折れても、私はまいったって言わないよ・・・憂」

憂「ふぅ・・・わかってないみたいだねお姉ちゃん」

憂「私は忠告してるんじゃない、命令してるの」

唯「命令されても聞かないもんね」

憂「お姉ちゃん・・・」

743: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:01:15.56 ID:QfEjD48K0
憂「お姉ちゃんは何も分かってない」

憂「・・・お姉ちゃん、このハンター試験どうだった?」

唯「・・・」

憂「簡単だった?危ない場面は一つも無かった?」

唯「・・・」

憂「自分ひとりの力で勝ち残れた?死にそうにならなかった?」

唯「・・・」

憂「今もそうだよ、私みたいな普通の人間にすら太刀打ちできないよね?」

唯「・・・」

憂「でしょ?お姉ちゃんはこの程度の試験も満足にクリア出来ないんでしょ?」

746: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:05:07.34 ID:QfEjD48K0
憂「これは試験だからまだいいよ」

憂「相応の安全は保障されてるし、命の駆け引きもなかったから」

憂「でもこれが本番、つまりハンターになってリアルな世界での出来事だったらどう?」

憂「お姉ちゃんは間違いなく死んでるよね」

唯「・・・」

憂「試験でこれじゃ本番なんて絶対無理」

憂「仮にハンターになってもすぐ死ぬか誰かに殺される」

憂「勝手に死ぬならまだいいよ・・・よくないけど」

憂「でも誰かに殺されたらって考えると・・・私には我慢できない」

憂「だから・・・」

憂「誰かに殺されるくらいなら・・・」

憂「私が殺す、今ここで」

748: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:11:23.98 ID:QfEjD48K0
憂「どうせ死ぬなら私が殺してあげるよ・・・せめて楽に・・・ね」

憂は懐からナイフを取り出し、唯の額に当てた

唯「・・・」

憂「最後のお願い、諦めて家に帰ろうよ」

唯「・・・・・・」

憂「・・・やっぱりお姉ちゃんは何も分かってない」

憂「死んだらハンターも何もないんだよ・・・?」

憂「私はお姉ちゃんを殺しても来年また受験すればハンターになれるけど」

憂「お姉ちゃんは死んだらもう何もかも終わりなんだよ」

憂「私とお姉ちゃんは対等じゃないの!!」

750: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:15:26.32 ID:QfEjD48K0
澪(唯・・・)

澪(私は・・・お前が疎ましかった・・・)

澪(いつも明るくて楽しくてみんなの中心で・・・)

澪(私には無いものをいくつも持ってる・・・)

澪(最初はHTTの歌も私が作詞して歌ってたのに・・・)

澪(いつのまにか唯が作詞して歌って・・・みんなに認められて)

澪(ハンター試験でも学校とは全然違う顔を見せて)

澪(活躍して・・・差を見せつけられて・・・どんどん離されていった・・・)

澪(悔しかった・・・)

751: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:20:03.07 ID:QfEjD48K0
澪(でもホントは違うんだ・・・)

澪(疎ましかった訳でも、憎かった訳でもない)

澪(認めたくなかっただけなんだ・・・)

澪(ホントは・・・うらやましかっただけなんだ)

澪(唯に憧れてる自分に・・・気づかないふりをしてただけなんだ)

澪(私・・・ホントは・・・)

澪(唯と一緒にいられるだけで嬉しかったんだ・・・楽しかったんだ)

澪(唯の事が・・・大好きなんだ!!)

澪「唯ー!頑張れー!!」

753: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:26:42.10 ID:QfEjD48K0
唯の額からはナイフの切っ先によって血が流れてきていた

紬「―――」ジリッ

紬が割って入ろうとしたのを無言で止めたのは律だった

律「―――」

律はかすかに笑っていた

梓「唯先輩・・・」

澪「唯ー!」

唯「・・・」

憂「・・・」

754: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:30:04.37 ID:QfEjD48K0
唯はまっすぐ憂を見つめていた
憂の方が唯の眼を見て動揺させられていたのだ

憂「何で・・・」

憂「たった一言だよ・・・?」

憂「ハンターになんかならなくてもいいじゃない・・・」

憂「お姉ちゃんには私がいるじゃない・・・」

憂「ご飯だって作るし、アイスも買ってあげる・・・」

憂「危ない目にあったら私が助けてあげる・・・」

憂「私が一生守ってあげるのに・・・」

憂「・・・」

756: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:35:04.57 ID:QfEjD48K0
憂「命よりも意地が大事だっていうの!?」

憂「そんなことで死んで本当に満足なの!?」

唯「・・・」

憂「答えてよ!!」

憂が動揺するほどに唯は落ち着いて憂を見つめた

唯「みんなと・・・一緒にいたいんだ」

757: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:39:51.38 ID:QfEjD48K0
唯「みんなと・・・ずっと一緒に笑っていたい」

唯「みんなと並んで歩きたい」

唯「いつか離れても、ずっとずっと繋がっていたい」

唯「それに・・・」

唯「憂とも、ずっと一緒にいたい」

唯「・・・私は、ダメなお姉ちゃんだよ」

唯「なんでも憂にやってもらって・・・頼ってばっかりで」

唯「憂の方がお姉ちゃんみたいで・・・」

唯「憂はずっと私の前を歩いてた」

758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 09:45:20.89 ID:QfEjD48K0
唯「でも・・・私は変わらなきゃいけない」

唯「みんなと並んで歩くため・・・」

唯「憂と並んで歩くため」

唯「いつまでも一緒にいられるって信じるため」

唯「でも」

唯「もし私がここであきらめたら」

唯「一生心の底からみんなと笑いあえない気がする」

唯「だから」

唯「退かない」

761: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:00:45.21 ID:QfEjD48K0
憂「退かなきゃ・・・」

憂「死ぬんだよ・・・?」

唯「それでも」

唯「退かない」

憂(理屈じゃ・・・ないんだね・・・)

憂「なら仕方ないか・・・」

憂「お姉ちゃん・・・」

憂「バイバイ」

ヒュッ・・・

764: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:05:16.41 ID:QfEjD48K0
唯「・・・」

憂「まいったよ」

憂「私の負け」

唯「えっ・・・」

憂「私にはお姉ちゃんを殺せない」

憂「まいったと言わせる方法も思い浮かばない」

憂「お姉ちゃんの勝ちだよ」

唯「・・・」

唯「そんなのダメだよ!!」

憂「・・・」ピクッ

766: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:11:22.36 ID:QfEjD48K0
唯「ずるいよ!ちゃんと勝負しよう!」

憂「・・・」

唯「どうやって勝負するか決めよう!」

憂「お姉ちゃん・・・」

憂「私はもう負ける気でいるけど、もう一度勝つつもりで真剣勝負・・・そのうえでお姉ちゃんが気持ちよく勝てるような勝負方々を考えて勝負するの?」

唯「うん!」

憂「お姉ちゃん」ニコッ

唯「?えへへ・・・」ニコッ

憂「お姉ちゃんのバカー!!!」

どこーーーーーん

憂の渾身の一撃で唯は気絶した

唯「う~ん」ピヨピヨ

770: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:15:56.53 ID:QfEjD48K0
憂「私の負けです」

ネテロ「うむ」

憂「・・・ふう」

梓「う、憂・・・」

憂「みなさん・・・」

憂「ごめんなさい!」

紬「えっ」

憂「私・・・どうかしてました・・・みなさんにもお姉ちゃんにも何て謝ったらいいか・・・」

律「気にすんなよ憂ちゃん、過ぎたことはもういいんだ」

澪「ああ、唯も無事合格出来たし良かったよ」

憂「・・・ありがとうございます、本当にごめんなさい」

梓「唯先輩は・・・救護室に運ばれていくみたいですね」

771: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:20:23.49 ID:QfEjD48K0
唯「―――!」

唯「・・・ベッドの上?」

サトツ「おや、目覚めましたか」

唯「ここは・・・」

サトツ「最終試験会場ホテルの控室です」

唯(そっか、ハンター試験の最中だったんだ)

サトツ「腕はすぐくっつきますよ」

唯(腕折られたんだった)

サトツ「非常にきれいに折ってくれてます、むしろ完治後には丈夫になるくらいのもんです」

唯(憂・・・)

774: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:27:04.71 ID:QfEjD48K0
サトツ「なにはともあれ、合格おめでとうございます」

唯「サトツさん・・・私・・・」

サトツ「ダメです」

唯「・・・」

サトツ「不合格者が何を言っても合格できないのと同じく、合格した者を不合格にすることもできません」

サトツ「あとは君の気構え次第ですよ」

サトツ「自分にプロの資格がないと判断したらライセンスカードを処分するのも封印するのも自由です」

サトツ「売却するのもいいでしょう、どうせ他人には使用不可能です」

サトツ「それでも大金で買いたがるモノ好きは大勢いますからね」

サトツ「ただし一度合格した者が再び試験を受けることはできませんがね」

775: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:30:27.44 ID:QfEjD48K0
サトツ「先人たちの偉業の甲斐もありプロのハンターはかなり優遇されています」

サトツ「それゆえに悪用のみを考えて試験を受けに来る輩も後を絶ちません」

サトツ「そんな連中さえいなければ、本当は全員を合格にしたってかまわないのですよ」

サトツは唯のハンター証を机の引き出しから取り出した

サトツ「ほとんどのプロハンターにとってこのカードは」

サトツ「命よりも大切なものであると同時に、意味のないガラクタでもあるのです」

サトツ「大事なのはハンターになってから何を成したか、ですよ」

776: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:35:41.44 ID:QfEjD48K0
サトツ「唯ちゃん」

サトツ「このカードを使う時期は自分で決めればいい、君ならそれができるでしょう」

唯「うん」

唯「これまでいろんな人に助けてもらって、いっぱい借りも作ったしね」

唯「それを全部返してから使うことにするよ」

サトツ「ええ、あらためて合格おめでとうございます」

唯「ありがとう!」

唯「あ、他の人はどうなったの?まだ試験中でしょ?」

サトツ「いえ、もう試験は終了しました」

唯「!」

780: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:41:02.33 ID:QfEjD48K0
唯「ホントに!?」

サトツ「ええ、君はほぼ丸一日寝てたんですよ」

サトツ「他の合格者は簡単な講習を受けています、後で君にも受けてもらいますが」

唯「うん、でもそれより・・・」

唯「誰が・・・落ちたの?」

サトツ「それは―――」

―――――――――
――――――
―――

781: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:46:15.38 ID:QfEjD48K0
キルア「・・・」

憂「みなさん、ほんとにお騒がせしました」

律「いいってホントに」

澪「ああ、それより次・・・」チラッ

律「・・・」チラッ

憂「・・・」

梓「ねえ憂、どうして降参したの?」

憂「え?」

梓「私あのまま憂が唯先輩を殺しちゃうんじゃないかって思って・・・」

憂「うん・・・」

783: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 10:50:47.38 ID:QfEjD48K0
憂「正直私も殺そうと思ってた、殺して私も死ぬつもりだった」

憂「どんな人でも痛めつけられた相手を見る目には負の光が宿るものだよ」

憂「目に映る憎しみや恨みの光ってのはなかなか消せるものじゃないと思うの」

憂「でもお姉ちゃんの目にはそれがなかった」

憂「信じられる?腕を折られた直後だよ」

憂「お姉ちゃんの目はもうそのこと忘れてたの」

梓「・・・」

憂「私の完敗だよ、お姉ちゃんの事全然分かってなかった」

憂「お姉ちゃんならハンターになってもきっと大丈夫・・・そう思ったの」

―――
――――――
―――――――――

784: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:00:51.94 ID:QfEjD48K0
唯「キルアくんが・・・?嘘・・・」

サトツ「反則による失格です」

唯「反則・・・まさか」

サトツ「相手を死にいたらしめました」

唯「!」

サトツ「一瞬のことでした、開始の合図と同時」

サトツ「意図的に失格したものと思われます」

唯「私が寝てる間に一体何があったの?」

サトツ「順を追って話しましょう」

サトツ「まず第2試合は―――」

―――――――――
――――――
―――

786: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:05:45.50 ID:QfEjD48K0
第2試合
澪対律

澪「律・・・」

律「・・・」

紬(どうしてこうも私達同士が戦う事に・・・)

梓(澪先輩・・・律先輩・・・)

憂(どうなっちゃうの・・・)

澪「・・・勝負だな」

律「・・・ああ」

梓(殴り合い・・・?そんな訳ないか)

紬(どうやって戦うのかしら)

ネテロ「始め!」

788: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:11:22.47 ID:QfEjD48K0
澪「ふっ!」ドコッ

律「うりゃ!」バキッ

ドコッ!バキッ!ドズッ!ガスッ!

梓「殴り合い!?」

紬「二人とも本気・・・!」

憂「こんなのって・・・」

ドコ!バキ!ズカ!グシャ!

梓「これも見るに堪えません!」

紬(本気で殴り合ってる・・・あの二人が・・・)

789: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:15:56.16 ID:QfEjD48K0
澪(さっきの唯の試合が始まる前・・・)

律(第2試合が私達の対戦だって分かった時・・・)

澪(こうやって戦うって決めたんだ・・・!)

律(まさか澪の方から殴り合いで戦おうなんて言われるとは思わなかったぜ・・・)

澪「うわああああ!!」ドカ

律「あああああああ!!」ドコ

澪(律・・・)

律「おりゃ!!」ドンッ

澪「くっ!」

ドサッ

律の攻撃に耐えられなくなった澪は床に倒れた

律「どうした・・・?もう終わりか?」

790: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:20:48.58 ID:QfEjD48K0
澪「くそっ・・・」

澪(殴り合いのケンカなんて・・・一生しないと思ってた)

澪(まして律となんて・・・)

澪「まだまだ・・・」グググッ

澪「いくぞ!!」ダダッ

澪(今・・・律と初めて向かい合ってる気がする)

澪(律ってこんな顔するんだ・・・)

律(澪を殴る日が来るなんて思わなかったぜ・・・)

律(こいつも大きくなったもんだなあ・・・)

律(昔は・・・)

澪(昔は・・・)

792: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:26:39.63 ID:QfEjD48K0
へ~澪ちゃんって左利きなんだ!

澪ちゃんの髪きれいだね~!

澪ちゃん!

澪(律が・・・いつも話しかけてくれたんだ・・・)

澪(作文を全校集会で読むときも・・・律が助けてくれた・・・)

作文読みたくないの?

だって恥ずかしいもん・・・

恥ずかしくないよすごいよー!

ぜ、全然すごくないよ!

わたしだったらみんなに自慢するな~・・・

794: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:30:07.14 ID:QfEjD48K0
だったらりっちゃんが賞もらえばよかったのに!みんなの前で読むのやだよぉ!!

・・・澪ちゃん!今から家においでよ!練習しよう!

ええっ!?

でも・・・

いいからいいから!!

澪(あの時は・・・嬉しかったなあ・・・)

パイナップルのマネ~

全然似てないよ~

・・・えへへ

澪(そうやってりっちゃんと仲良くなったんだっけ・・・)

澪ちゃん!

りっちゃん!

797: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:35:57.04 ID:QfEjD48K0
澪「律・・・」

律「・・・なんだ?」

澪「私・・・いっつも律に・・・りっちゃんに助けてもらってた」

律「澪・・・」

澪「大きくなって・・・りっちゃんといつも一緒にいるようになった」

澪「嬉しかった・・・」

澪「さっき唯が言ってた事・・・私も分かるんだ」

澪「対等なつもりだったけど・・・りっちゃんはいつでも私のヒーローだった」

澪「ずっと私は・・・りっちゃんの背中を見て来た・・・」

澪「そろそろ・・・並んで歩きたい・・・りっちゃんの顔・・・見たいよ」

798: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:40:29.57 ID:QfEjD48K0
澪「だから勝つんだ!りっちゃんに勝って!私はりっちゃんと一緒に歩く!!」

律「澪・・・ちゃん」

澪「これで終わりにしてあげるよ!」

律「・・・」ニッ

澪「りっちゃん!」

律「・・・澪ちゃん!」

バキッ!!


澪「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

律「ぐっ・・・」ドサ

律(澪ちゃん・・・)

799: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 11:45:58.37 ID:QfEjD48K0
律(バカだなぁ澪ちゃんは・・・)

律(並んで歩きたいって・・・)

律(あたしは・・・初めて会ったあの時からずーっと)

律(並んで歩いてたつもりだったのに・・・)

律(助けられてたのはあたしの方だよ・・・)

律(澪ちゃんは・・・いつも隣にいてくれたんだから・・・)

律「澪のバーカ・・・」

802: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:01:01.03 ID:QfEjD48K0
律「・・・まいった」

澪「!!」

律「澪、強くなったな・・・」

澪「りっちゃん・・・律・・・!」

律「合格おめでとう、澪」ギュッ

澪「律・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」ポロポロ

―――
――――――
―――――――――

サトツ「というわけで澪氏が勝ちました」

唯「澪ちゃん・・・りっちゃん・・・良かったね・・・」

806: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:10:33.88 ID:QfEjD48K0
サトツ「そして次は―――」

唯「ふんふん―――」

・・・・・・

サトツ「紬氏はポックル氏をいとも簡単に蹂躙し、負けを宣言させました」

唯「おお!さすがムギちゃん!」

・・・・・・

サトツ「そしてキルア氏対ギタラクル氏の試合で―――」

唯「・・・」

・・・・・・

唯「そんな・・・」

サトツ「そして次のレオリオ氏対ボドロ氏の戦いが始まると同時に、キルア氏がボドロ氏を・・・」

サトツ「そしてそのまま・・・彼は会場を後にしました」

サトツ「委員会は彼を不合格とみなしたのです」

809: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:15:27.79 ID:QfEjD48K0
唯「・・・」

バタンッ

澪「唯!」

唯「澪ちゃん!」

律「目が覚めたってサトツさんに聞いてきたんだ!」

紬「大丈夫?唯ちゃん」

梓「唯先輩!」

憂「お姉ちゃん!」

唯「みんな!」

紬「もう講習が終わったから来てみたの」

唯「え?もう?」

811: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:22:38.63 ID:QfEjD48K0
唯「合格者は・・・」

憂「もう聞いてると思うけど、ボドロさんとキルアくん以外合格したの・・・」

唯「それでその人たちは・・・」

紬「もう各々帰っていると思うけど・・・」

唯「キルアくんは・・・?」

紬「それは・・・」

ガチャ

ゴン「唯さん」

唯「ゴンくん」

812: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:27:30.69 ID:QfEjD48K0
ゴン「キルアの話は・・・」

唯「聞いたよ」

ゴン「・・・オレとクラピカとレオリオは、キルアを連れ戻しに行く事にしたんだ」

唯「そう・・・」

ゴン「唯さんは心配しないで!必ずキルアを連れ戻すから!」

唯「・・・キルアくんをお願い、ゴンくん」

ゴン「うん!きっと連れ戻してくるから、そしたらいつか一緒に遊ぼう!」

唯「・・・うん!楽しみにしてるよ!」

レオリオ「唯ちゃん、元気で」

クラピカ「またどこかで会おう」

唯「うん!さよなら!」

813: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:31:06.59 ID:QfEjD48K0
憂「お姉ちゃん本当にごめんなさい」

唯「いいんだよ、憂」

憂「・・・ありがとうお姉ちゃん!大好きだよ!」

唯「えへへ」

澪「いろいろあったけど全員合格!」

律「キルアくんの事が気がかりだけど・・・」

紬「ゴンくんたちならきっと大丈夫」

梓「私達も帰りましょう!」

唯「うん!・・・あ、講習受けないと・・・」

815: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:36:56.99 ID:QfEjD48K0
ゾロゾロ

澪「講習どうだった?」

唯「よくわかんなかったよ~あはは」

唯「あ、サトツさーん!」

唯「色々ありがとうサトツさん」

サトツ「唯ちゃんはもう国に帰るのですか?」

唯「うん、学校もあるし・・・キルアくんの事は気になるけどゴンくんなら何とかしてくれると思って」

唯「だから帰るよ!みんなと一緒に!」

サトツ「そうですか・・・あ、唯ちゃん」

唯「?」

サトツ「いや・・・体に気をつけて」

唯「うん!じゃあね!!」

816: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:43:44.48 ID:QfEjD48K0
唯「おまたせー・・・」

サトツ「・・・」

サトツ「不思議なコですね」

サトツ「どうも肩を持ちたくなってしまいますよ」

メンチ「んふふ、今サトツさんやばかったでしょ」

サトツ「ええうっかりしゃべるとこでした」

サトツ「ハンター試験がまだ終わっていないことを」

820: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:55:16.22 ID:QfEjD48K0
そして―――私達は帰ってきた
桜が丘高校に、けいおん部に

今思うとあれは夢だったんじゃないかと思う
そのくらい色々あった数週間だった

でも現実に私と澪ちゃんとりっちゃんとムギちゃんとあずにゃんと憂は
プロのハンターになったんだ

私は―――ムギちゃんにもヒソカさんにも憂にも勝てなかった
けど、今こうしてみんなと一緒に居られる

心の底から笑いあえる

ハンター試験を受けて本当に良かった

みんなと一緒に合格出来て、本当に良かった!

みんなの事、大好きだよ!いつまでも一緒だよ!

821: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:56:24.42 ID:QfEjD48K0
澪「唯ー練習するぞー」

澪ちゃん大好き!

律「仕方ないなー」

りっちゃん大好き!

紬「今日も頑張るわよ~」

ムギちゃん大好き!

梓「いつもこのくらい真面目にやってくださいね!」

あずにゃん大好き!

和ちゃんもさわちゃんも純ちゃんも大好き!

そして・・・憂!大好き!!

唯「よ~し!やるぞ~!」

大好きをありがとう!!

823: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 12:57:32.79 ID:QfEjD48K0
唯「ハンター試験?」

おしまい

827: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 13:00:42.47 ID:QfEjD48K0
これでひとまず終わりです
ハンターを知ってる人もそうですが、知らない人に読んでもらえて嬉しかったです

どちらかというとハンターを知らない人向けに書いたので原作をそのまま追う形になりました
なので知ってる人には退屈だったかも知れません

829: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 13:04:12.12 ID:QfEjD48K0
続きも一応考えてます
ぜひ書きたいです
ゴンとキルアにも再会させてあげたいし・・・

続きを書くならもう少し自由度があがりそうです

読んでくれた人、レスくれた人ありがとう!
かなり励みになりました!

832: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 13:06:49.92 ID:QfEjD48K0
ちょっと休憩します

スレが残ってたら憂の番外編書きます

841: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 13:36:46.57 ID:QfEjD48K0
次回は
唯「琴吹家?」で立てようと思ってますけどいつになるか分かりません
このスレですらだらだら3週間くらいかけて書きましたから

飯食ったら憂の話始めます

851: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:17:51.22 ID:QfEjD48K0
番外編は書きためしてないのでゆっくりになると思います

あと残りの150でなんとかまとめられるように考えつつ
始めます

852: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:18:55.80 ID:QfEjD48K0
憂「ハンター試験!?」


憂「だめだよお姉ちゃん!!死んじゃうよ!!!」

唯「憂は大げさだなぁ・・・良くわかんないけど死ぬわけないじゃん!」

憂(言っても無駄そうね・・・私がなんとかしなきゃ・・・!)

憂「そうだよね、ごめんお姉ちゃん!」

唯「うん!おやすみ憂!」


憂「お姉ちゃん寝たみたいだね・・・」

憂「ハンター試験って・・・あの毎年死者が何十人もでるっていう試験だよね・・・」

憂「そんなのにお姉ちゃんが出たら死んじゃうよ・・・私も参加してお姉ちゃんを守らないと!」

憂「とりあえず変装して行こう、正体をばらすのはいつでも出来るけど隠すなら最初からじゃないとね・・・」

855: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:25:17.17 ID:QfEjD48K0
次の日の朝

憂(お姉ちゃん・・・)コソコソ

唯「おはようみんな~」

憂(一応マントで全身覆って着いて来たけど・・・)

憂(お姉ちゃんにばれないようにしなきゃ・・・何とかして諦めさせないと)

憂(お姉ちゃん・・・楽しそう・・・)

856: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:29:32.85 ID:QfEjD48K0
船長「さて、じゃあ自己紹介でもしてもらおうかな」

憂「う、あ・・・アイです!」

憂(うん・・・私はアイ、憂じゃない)

アイ(お姉ちゃん、妹に守られるのは嫌かも知れないから)

アイ(これからはアイがお姉ちゃんを守るよ)

858: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:34:36.72 ID:QfEjD48K0


船長「着いたぜ、ここがドーレ港だ」

アイ(私は・・・お姉ちゃん達を尾行しないと・・・)

アイ(一本杉を目指すみたいだね、距離をとって着いていこう)

・・・・・・

アイ「あ、お姉ちゃん達街に入って行った・・・」

アイ「あの街・・・人が大勢いるみたい」

アイ「お姉ちゃん大丈夫かなあ・・・」

859: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:40:55.19 ID:QfEjD48K0
老婆「ドキドキ2択クイズ!」

アイ「・・・」

老婆「敵に兄弟が捕まった、助けられるのは1人だけ、どっちを助ける?
1、姉 2、兄」

アイ(この問題・・・そして2択に限定してある解答・・・おそらく正解は『答えない』こと)

アイ(でも・・・この問題は卑怯だよ!お姉ちゃんを助けるにきまってるじゃない!!)

アイ(ハンター試験・・・なんて卑劣な罠を仕掛けてくるの・・・)

老婆「正解だ、さあ本当の道はこっちだよ」

アイ(くっ・・・)

老婆(正解したのにあまり嬉しそうじゃないね・・・?)

861: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:44:12.00 ID:QfEjD48K0
キリコの家

アイ「・・・」

キリコ「さあかかってきな、実力不足なら案内は出来ないよ」

アイ(お姉ちゃんはこの狐に勝ったってこと?)

アイ(嘘でしょ・・・?結構強そうなのに・・・)

キリコ「来ないならこっちから行くよ!」

ズドン!!

キリコ「ぐっ・・・」

アイ「人が考えてる最中に襲うなんて随分だね、狐ちゃん」

アイ「痛い目見ないと分からないのかな?」

863: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:47:56.35 ID:QfEjD48K0
キリコ「うぐっ・・・もう合格だからそのへんにしとくれ」

アイ「そう、良かった」

アイ(早くお姉ちゃんに追いつかないと)

キリコ(なんなんだこの受験生は・・・身体能力はすでにプロのレベルじゃないか・・・?)

アイ「じゃあお願いします」

キリコ「ああ、それじゃ行くよ」

バサッ!

864: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:51:31.51 ID:QfEjD48K0
ザバン市

キリコ「ここが試験会場だ」

アイ「この大きな建物が?・・・これじゃないよね、どこが会場?」

キリコ「あ、ああ・・・こっちの定食屋が・・・」

アイ「ふうん、一応ちゃんと考えてるみたいだね、ハンター協会も」

キリコ(なんだこいつ・・・)

アイ「じゃあありがとうキリコさん」

キリコ「・・・ああ、あんたにはこっぴどくやられたけど、実力は認めるさ」

キリコ「頑張んな」

866: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 15:53:13.44 ID:QfEjD48K0
地下100階

役員「プレートをどうぞ」

アイ(411番・・・あ、お姉ちゃん達いた・・・)

唯(おっ、船で一緒だったマントの人だ・・・確か・・・アイさんだったかな?)

アイ(ここまで来れたんだお姉ちゃん・・・でもこれからはもっと厳しいはず)

アイ(絶対に連れ帰るからね、お姉ちゃん)

867: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:03:59.00 ID:QfEjD48K0
トンパ「お、君も新顔みたいだね。お近づきのしるしにジュースどう?」

アイ「いいです、というか近づかないでください」

トンパ「え」

アイ(なれなれしい・・・どうせ何か入ってるんでしょそのジュースに・・・)

アイ(ハンター試験の受験者ってこんな小細工をするバカと)

アイ(この程度の罠にひっかかるバカしかいないの?)

アイ(・・・ってそんな訳ないか)

870: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:09:33.24 ID:QfEjD48K0
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!

アイ(いよいよだね・・・)

試験官「ただいまを持って受付時間を終了いたします」

試験官「ではこれより・・・」

試験官「ハンター試験を開始いたします」

871: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:17:16.20 ID:QfEjD48K0
ドドドドドドドドドド

試験官「申し遅れましたが私一次試験担当のサトツと申します」

サトツ「これより皆様を二次試験会場へご案内いたします」

受験者「二次?ってことは一次は・・・」

サトツ「もう始まっているのでございます」

サトツ「二次試験会場まで私についてくること。それが一次試験でございます」

唯「!」

アイ(マラソンか・・・お姉ちゃんはマラソン苦手なはずだしここで終わりだね。良かった)

872: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:21:33.61 ID:QfEjD48K0
三時間後

アイ(お姉ちゃんどうしてこんなに走れるの・・・?)

アイ(10分くらいで脱落すると思ったのに・・・)

アイ(・・・)

アイ(紬さんと何話してるんだろ・・・)

アイ(あんまり近づくと気づかれちゃうかもしれないからこれ以上はそばにいけない)

アイ「さびしいよ・・・」

875: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:26:32.53 ID:QfEjD48K0
ドドドドドドドド

唯「うわぁ・・・嘘でしょ・・・」

そこには先が見えないくらいの階段があった
エレベーターで地下100階まで来たのだ。当然100階分登らなければならない

サトツ「ちょっとペースをあげますよ」

唯「うわっ速くなった!」

アイ(はぁ・・・いつまで走るの)

アイ(この程度で脱落する人たちは何を考えて試験を受けに来たの?)

876: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:28:51.61 ID:QfEjD48K0
アイ(光・・・)

アイ(ゴール?では無いよね・・・まだ走っただけだし)

サトツ「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師のねぐら”。二次試験会場へはここを通っていかなければなりません」

サトツ「この湿原にしかいない珍奇な動物たち。その多くが人間をも欺いて食料にしようという生き物です」

サトツ「十分注意してついて来てください。だまされると死にますよ」

878: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:30:57.81 ID:QfEjD48K0
サトツ「さて、では行きますか。しっかりと私の後をついてきてください」

?「嘘だ!そいつは嘘をついてる!」

アイ(?)

・・・・・・

アイ(あ、ニセ試験官が死んじゃった)

アイ(お姉ちゃん以外が死のうがどうでもいいよ・・・お姉ちゃんとお話したい・・・)

アイ(ただニセ試験官を殺した男・・・)

アイ(受験生の話が聴こえてきたけど・・・たしか名前はヒソカ)

アイ(あの人は・・・危ない)

879: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:32:01.34 ID:QfEjD48K0
受験生347名ヌメーレ湿原へ突入

アイ(霧がすごい・・・お姉ちゃんを見失いそう)

うわああああああああああああああああああああ!!!

唯「悲鳴!後ろから!」

紬「大丈夫!あの三人の声は聴こえなかった!」

唯「でも・・・!」

澪「きゃああああああ!!」

唯「澪ちゃん!」ダッ!

紬「唯ちゃん!くっ!」ダッ!

アイ(え?お姉ちゃん!?)

アイ(急に後ろに走り出した!とにかく着いていかないと!)ダダッ

880: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:35:08.79 ID:QfEjD48K0
アイ「お姉ちゃん!どこ!?」

アイ(まさか見失うなんて!お姉ちゃん無事でいて!!)

ザッ

ヒソカ「ん?」

アイ「あなたは・・・ヒソカさんですよね?」

アイ「・・・お姉ちゃ・・・髪止めを付けた女の子を見ませんでしたか?」

ヒソカ「ああ♪彼女なら・・・」

アイ「?」

ヒソカ「どうしたでしょう?くっくっく・・・♪」

アイ「―――!!」

881: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 16:39:35.37 ID:QfEjD48K0
アイ「何をしたの!?」

ヒソカ「別に?知りたかったら力づくで・・・」

ドカッ!!

ヒソカ「・・・」

アイ「力づくで?聞きますけど・・・」

アイのボディブローがヒソカに突き刺さった

ヒソカ「くくく・・・くくくくくく」

ヒソカ「面白いねキミ・・・」

アイ(効いてない!?嘘・・・)

ヒソカ「その子なら無事さ、そのうち来るだろう」

ヒソカ「キミの名前は?」

885: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:03:45.54 ID:QfEjD48K0
アイ「・・・アイです」

ヒソカ「覚えておこう♪このパンチの分は必ず返させてもらうよ♪」

アイ「今返したらどうですか?」

ヒソカ「急いでるからいいや、じゃあね♪」

ヒソカ(今あのコと戦ったら興奮して試験どころじゃなくなっちゃうよォォ・・・♪)

アイ「・・・」

アイ(ヒソカ・・・何なの?あの頑丈さは・・・)

アイ「・・・後でお姉ちゃんが来るなら、私も先に行って待ってよう・・・」

アイ「とりあえずヒソカの後を尾けようかな・・・」

888: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:06:10.81 ID:QfEjD48K0
サトツ「みなさんお疲れ様です。無事湿原をぬけました」

サトツ「ここビスカ森林公園が二次試験会場となります」

サトツ「それじゃ私はこれで。健闘を祈ります」

唯「ゴール!」

紬「間に合ったわ~」

アイ(あ、お姉ちゃん!良かった無事で・・・)

889: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:12:04.18 ID:QfEjD48K0
二次試験前半 ブハラのメニュー

アイ(ブタの丸焼きかあ・・・お姉ちゃんに食べさせてあげたいなあ)

ブタ「ブモオオオオオオ!」

アイ「うるさい!」ドカン!

ブタ「プギィ」バタン

890: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:15:01.81 ID:QfEjD48K0
二次試験後半メンチのメニュー

アイ(にぎりずし・・・お魚釣りにいこう)

アイ(この人たちおすし知らないのかな?)

アイ(お姉ちゃん達も後から釣り来るだろうし早く行って帰ってこよう)

891: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:26:23.22 ID:QfEjD48K0
アイ(出来た。お姉ちゃんに食べてもらいたくてお寿司握る練習しておいて良かった・・・)

アイ(でも最初に食べるのがお姉ちゃんじゃなくてあんな女なんてね・・・)

アイ「出来ました」

メンチ「おっ、これあんたスシ知ってたわね。でも問題は味よ・・・」パクッ

メンチ(スシをまともに握れるようになるには10年の修行が必要だと言われて・・・)

メンチ「おいしい・・・」

アイ「あ、じゃあ」

メンチ「あ、ああうん合格ね・・・411番」

メンチ(おっかしいな~文句つけてやろうと思ったのに・・・)

892: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:28:43.81 ID:QfEjD48K0
受験生「すげえぜあいつ・・・」

受験生「何者だよ・・・」

アイ(目立っちゃってるよぅ・・・お姉ちゃんにばれませんように・・・)

唯(う~ん・・・あのマントのアイって人、なんか知ってる人のような気がするんだよね~)

唯(さっきお寿司握ってるとこちょっと見たけど・・・手つきとかなんか見たことが・・・う~ん・・・)

唯(まあいっか!無理に思い出そうとすると逆に思い出せないって、憂が言ってたし!)

896: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:38:12.15 ID:QfEjD48K0
メンチ「ふう」

メンチ「ワリ!おなかいっぱいになっちった!」

メンチ「ってわけで終了!」

唯「ええ~~!?」

二次試験後半メンチのメニュー
合格者3名・・・!?

アイ(やった!これで終わり!)

アイ(後は辞退してお姉ちゃんと帰るだけ!!)

アイ(良かった・・・ほんとに良かった・・・)

899: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:43:12.23 ID:QfEjD48K0
二次試験後半メンチのメニュー再試験

アイ(再試験!?ふざけないで!!せっかくお姉ちゃんが落ちたのに・・・)

アイ(許さない!メンチさんも会長も何考えてるの!?)

メンチ「よいしょ、この卵をとってきてゆで卵をつくるのよ」

アイ(はあ!?そんなの簡単すぎて誰でも出来るよ!!)

メンチ「あ、言い忘れてたけどさっきの合格者はやらなくていいわよ」

紬「私は楽しそうなんでやらせていただきます♪」

アイ(誰がやるか!!)ブチブチ

903: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:47:54.25 ID:QfEjD48K0
紬「それじゃ唯ちゃん行きましょ!」

唯「うん!とうっ!!」ヒュー

アイ(あ、お姉ちゃん楽しそう・・・)

アイ(私もやればよかったかな・・・)

アイ(でも私がやったらマントがめくれて正体がばれるし・・・)

アイ「・・・はぁ」

904: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:48:54.24 ID:QfEjD48K0
ゴゥンゴゥン
二次試験合格者は飛行船に乗り、次なる試験場へ向かっていた

ネテロ「残った75名の諸君にはあらためてあいさつしとこうかの」

ネテロ「ハンター協会の会長を務めとるネテロじゃ」

ネテロ「ここからはワシも同行することにしたからよろしくの」

アイ(よろしくされる覚えはないよ)

アイ(ネテロ会長、再試験の恨み忘れませんから)

907: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:50:25.38 ID:QfEjD48K0
アイ(さて、お姉ちゃんは・・・)テクテク

アイ(紬さんとお話してる・・・)

アイ(お姉ちゃん楽しそう・・・)

アイ(今日は飛行船のレストランで晩御飯食べるのかな・・・?)

アイ(私のご飯食べてほしいなあ・・・)

アイ(・・・いつまでも見てたらばれちゃうよね、もう行かなきゃ)

アイ「お姉ちゃん・・・」グスッ

909: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 17:58:48.81 ID:QfEjD48K0
役員『皆様大変お待たせいたしました、目的地に到着です』

ゴゥンゴゥン・・・

唯「みんな外見て!なんかすごいのがあるよ!」

澪「確かにすごい高い塔だな・・・」

律「ここが次の試験会場・・・」

紬「わくわくするわ~♪」

梓「ファイト!私!」

アイ(お姉ちゃん・・・きっとこの試験で脱落してくれるよね)

アイ(・・・ファイト、私)

ゴゥン・・・

役員「到着です」

912: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:03:51.68 ID:QfEjD48K0
3次試験トリックタワー

アイ(ここなら広くて見晴らしもいいから、離れいてればずっとお姉ちゃんを見ていられる)

アイ(・・・受験生が隠し扉らしきもので降りて行ってる・・・)

アイ(お姉ちゃんは・・・ん?5人で集まって・・・まさか!)ダダッ

グルン!!バタン!!

アイ「お姉ちゃん!!」

アイ「くそ、もう開かない!!」

アイ「お姉ちゃんを見る事に集中しすぎて隠し扉を調べ忘れた!」

アイ「この扉は一回しか開かない!!」

アイ「よく考えれば当然の事なのに・・・私のバカ!!」

913: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:06:13.91 ID:QfEjD48K0
アイ「・・・ひとまず他の扉を探そう」

アイ「お姉ちゃんが生きて下まで降りてくる事を信じて・・・」

アイ「お願い!無事でいてお姉ちゃん!!」

アイ「お願いします!神様!!」

・・・・・・

コツン

アイ「あ、隠し扉あった・・・」

アイ「・・・行こう」

バタン!!

914: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:10:11.13 ID:QfEjD48K0
リッポー『よく来たね』

リッポー『このタワーには幾通りものルートが用意されており、それぞれクリア条件が異なるのだ』

リッポー『キミは運がいい・・・くくく』

リッポー『そこはバトルロード!!一階につき一人の試験官が待機して君を待っている!』

リッポー『難しい事は一切ない!ただ各階の試験官を倒せば下に降りられる!』

リッポー『時間内に全員倒し下まで降りてくる事だけがクリア条件だ!』

リッポー『下に行くほど試験官は強くなる!そこはこのトリックタワーの最難関コースなのだ!!』

アイ「ふうん・・・」

アイ「良かった」

915: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:16:49.90 ID:QfEjD48K0
アイ「簡単なコースじゃ早く着き過ぎちゃうもん」

アイ「お姉ちゃんもギリギリに着きそうだから」

アイ「私もギリギリ着くくらいの方がお姉ちゃんを待ってやきもきしなくていいし」

アイ「願ったりかなったりだよ」

アイ「じゃ・・・行こうかな」

アイ(お姉ちゃん・・・無事でいてね・・・)

917: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:20:03.21 ID:QfEjD48K0
・・・・・・

アイ「はぁ・・・はぁ・・・」

・・・・・・

アイ「はぁ・・・」

・・・・・・

アイ「戦いっぱなしは・・・流石に疲れるよ・・・」

・・・・・・

トリックタワー二階

アイ「二階・・・ここが最後だね・・・」


囚人「ここまで来るとは驚いたぜ」

囚人「解体屋ジョネスと共にこの刑務所の二強と言われているこのオレを倒せるかな?」

囚人「その疲弊しきった体で・・・」

アイ「うるさいですよ・・・いいからさっさとかかって来てください」

囚人「・・・おもしれぇ」

・・・・・・

918: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:26:48.58 ID:QfEjD48K0
トリックタワー一階

アイ「残り1時間5分・・・なんとかクリアできた・・・」

アイ「たしかに最後の人はちょっと強かったけど」

アイ「基本的に疲れただけだった・・・」

アイ「お姉ちゃんは・・・まだいないか」

アイ「無事でいて・・・お姉ちゃん・・・」


アイ(残り1分を切った・・・)

アイ(お姉ちゃん・・・きっと来るよね、お姉ちゃんなら・・・)

――――――!

バシューーーーーーーーン!!!

唯「間に合った~~~!!!」

試験官『タイムアップ~!』

試験官『三次試験終了~!』

アイ(お姉ちゃん!!良かった・・・ほんとに良かった・・・)

921: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:35:35.59 ID:QfEjD48K0
4次試験
森の中

アイ(私の方が先に出発出来てよかった・・・)

アイ(入口付近で待ってればお姉ちゃんが来るはずだから・・・)

アイ(あとは尾行して、何とか諦めさせる・・・!)

唯「・・・」ダダッ!

アイ(あっ!お姉ちゃん!)ダダッ!

唯(ムギちゃん・・・私どうしたら・・・)ダダダダ

アイ(え?何・・・?速い!!)ダダダ

アイ(嘘でしょ・・・!?離される・・・!!)ダダダ

唯「・・・」ダダダダダ!

922: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:40:24.39 ID:QfEjD48K0
アイ「はぁ・・・はぁ・・・」

アイ「見失った・・・」

アイ(嘘でしょ・・・?何であんなに速く走れるの?お姉ちゃん・・・)

アイ「仕方ない・・・お姉ちゃんを探しつつ、最終試験にお姉ちゃんが残った時の事も考えてプレートも集めよう」

アイ「ターゲットは・・・412番」

アイ「私の次に一次試験場に入ってきた人だから・・・」

アイ「紬さんの執事・・・確か斉藤さん」

アイ「お姉ちゃんと斉藤さんを探そう」

・・・・・・

923: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:43:40.62 ID:QfEjD48K0
アイ「斉藤さん・・・ですよね?」

斉藤「はい、そうですが・・・」

アイ(お姉ちゃんより先に斉藤さんを見つけちゃうなんて・・・)

アイ「斉藤さんが私のターゲットなんです」

斉藤「ではプレートを奪いに・・・?」

アイ「分かっているなら話は早いです」

斉藤「ふむ」

アイ「いきます」

斉藤「・・・」

925: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 18:48:03.38 ID:QfEjD48K0
・・・・・・

アイ(・・・強い・・・!)

斉藤「・・・」

ズドン!

アイ「うっ・・・」

アイ(3次試験の全員合わせても・・・遥かに及ばないくらい・・・)

斉藤「・・・」

アイ(いくら攻撃をくりだしても・・・かすりもしない)

アイ(一方的に攻撃されて・・・もう・・・)

アイ(お姉ちゃん・・・私・・・)

斉藤「・・・」

アイ(ここまでみたい・・・)

929: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:02:07.35 ID:QfEjD48K0
斉藤「・・・かなわないと分かっても・・・」

アイ「・・・?」

斉藤「攻撃も止めず、逃げもしない」

斉藤「何故です?」

アイ「守りたい人がいるから・・・」

アイ「その人のそばにいたいから・・・」

アイ「私は、勝ち進まなきゃいけない・・・」

斉藤「・・・」

アイ「あ・・・」グラッ

バタン!

930: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:11:22.15 ID:QfEjD48K0
アイ(もう立てないや)

アイ(殺される)

アイ(お姉ちゃん・・・さよなら)

アイ(せめて最後に・・・お姉ちゃんの声聴きたかったなぁ・・・)

斉藤「・・・」

アイはそのまま気を失った

・・・・・・

931: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:16:20.60 ID:QfEjD48K0
・・・・・・

アイ「う・・・ん」

アイ「あれ・・・?」

アイ「生きてる・・・」

アイ「それに412番のプレートも・・・」

アイ「何で・・・?一体何が・・・」


斉藤(彼女は十分強かった・・・)

斉藤(体術は紬お嬢様並み・・・)

斉藤(私に負けた事をバネに・・・)

斉藤(これからもっと強くなりなさい・・・)

斉藤(守りたいその人を守る力をつけなさい・・・)

斉藤(ただその力を・・・間違った事に使わぬよう・・・)

934: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:20:02.87 ID:QfEjD48K0
アイ「・・・」

アイ「世の中には・・・想像もつかないくらい強い人がいるんだ・・・」

アイ「ヒソカ・・・斉藤さん・・・受験生だけでこれだけいる」

アイ「きっとハンターになったら・・・そういう人達を相手にしなきゃいけない」

アイ「私が生き残ったのは運が良かっただけ」

アイ「次はもうない」

アイ「・・・もしお姉ちゃんがハンター試験に合格して、プロになったら・・・」

アイ「必ず命を落とす・・・」

アイ「そんなのイヤ・・・!!」

936: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:22:55.32 ID:QfEjD48K0
アイ「お姉ちゃんが誰かに殺されるなんて・・・そんなの・・・!!」

アイ「・・・なんとしても探しだして、説得する!」

アイ「いや、もう引っ張って帰る!!」

アイ「お姉ちゃん・・・!!無事でいて・・・!!」

しかし4次試験中にアイが唯を見つけ出す事は出来なかった
唯は最終試験に進んでしまったのだ

アイ「お姉ちゃん・・・」

939: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:31:01.06 ID:QfEjD48K0
アイ「お姉ちゃんが飛行船に乗った・・・」

アイ「私も乗らなきゃ・・・」

アイ「このままじゃお姉ちゃんは確実に命を落とす・・・」

アイ「誰かに・・・殺される・・・」

アイに斉藤の思いは届かなかった
皮肉にも彼との戦いでアイは曲がった愛情を抱いてしまっていた

アイ「誰かに殺されるくらいなら・・・」

アイ「私が殺すよ・・・お姉ちゃんを・・・」

アイ「この手で・・・私が・・・」

アイ「・・・ふふ」

アイ「・・・うふふ」

941: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:33:23.93 ID:QfEjD48K0
アイ「・・・」

ういー

アイ「!!」バッ

飛行船への階段を上っている時、アイは唯の声が聴こえた気がして振り返った
しかしそこに唯の姿はあるはずが無かった

アイ「お姉ちゃん・・・」

アイ「さよならの・・・準備しないとね」

アイ「私もすぐに後を追うから・・・」

アイ「天国と地獄じゃ会えないけど・・・」

アイ「私は・・・平沢憂は、お姉ちゃんが、平沢唯が大好きでした」ポロ

アイ「・・・」

・・・・・・

ゴゥン・・・ゴゥン・・・

942: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:35:04.16 ID:QfEjD48K0
憂「ハンター試験!?」

おしまい

950: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 19:43:06.09 ID:QfEjD48K0
本編、おまけ共に読んでくれた人ありがとう!
ギリギリだったから3次試験ちょっと駆け足になったけどなんとか終われた

続き製作中です
とりあえずこれはこれで締められてよかった

964: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/09/07(火) 20:45:57.54 ID:QfEjD48K0
スレは埋めても埋めなくてもどっちでも

2日間付き合ってくれてありがとうございます

ss投下中レス返せなくてすいません

引用元: 唯「ハンター試験?」