1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 22:40:04.31 ID:1TLoRwUR0
雪歩「うぅ…」

P「どうした雪歩?また何か落ち込むことでもあったのか?」

雪歩「……はい…今日もダンスのレッスンで皆の足を引っ張っちゃって…」

P「そうか…最近は前以上に雪歩もダンス上手くなったと思うんだけどな」

雪歩「でも…私おっちょこちょいでのろまだから…皆についてくことさえ出来なくて…」

P「うーん…」

雪歩「それに最近、体のバランスも上手く取れないし…よくもたついちゃうし……やっぱり私が居たら皆に迷惑が…」

P「………」

雪歩「うぅ…ありがとうございましたプロデューサー…私もう今日は帰って穴を掘って…」

P「分かったよ雪歩、俺と一緒に弓道をしよう」

雪歩「……えぇ?」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 22:46:08.99 ID:1TLoRwUR0
雪歩「な、何で弓道なんですか…?」

P「バランスが上手く取れないって言ってたろ?だからそれを矯正するために弓道でもどうかなって」

雪歩「……プロデューサーは経験あるんですか?」

P「ああ、中学高校、ずっと弓道部だったよ」

雪歩「ほ、本当なんですかぁ!?」

P「まあな、万年補欠だったけどな、だから一回雪歩の身体的問題と精神的問題を解決するために弓道をやろう」

雪歩「……プロデューサーと一緒にですか?」

P「ああ、実力は無いけど知識だけはまあまああると自負してるからな」

雪歩「…分かりました……私…プロデューサーと弓道やりますぅ…」

P「そっか、それじゃあ色々しなくちゃいけないことがあるから待っててくれ」

雪歩「……はい」

雪歩(プロデューサーと……一緒に……)

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 22:51:01.35 ID:1TLoRwUR0
弓道場
オッサン「今日は自信がなくてね~、一体何本外れるのか、怖くてたまりませんよ」

爺「最近はさっぱり弓が引けなくて勘弁してほしいわ」

オバサン「あらあら、私は毎日の労働のおかげで弓のキロ上げしましてよ」

雪歩「」

P「ごめんな、近所ではここしか取れなくてさ、それじゃあ最初は基本から…」

雪歩「プ…プロデューサー…」ガクガク

P「……あー…分かった、外でも一通り出来るから、出ようか?」

雪歩「はい…ありがとうございますぅ…」

オッサン「お!今日は彼女連れかい?粋な真似するじゃねえか兄ちゃん」

P「彼女なんかじゃないですって、それじゃあ雪歩、そこの雪駄履いてくれ」

雪歩「は、はいぃ…」ガクガク

P(……先が思いやられるな)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 22:55:22.37 ID:1TLoRwUR0
P「じゃあ初めにこれを力いっぱい引いてくれるか?」

雪歩「これって…ゴムですか?」

P「ああ、ゴム弓って言って練習用の簡易弓ってところかな」

雪歩「それでこれを…私が引くんですか?」

P「そういうことだ、どれだけ引けるか確認したくてな、ほら、やってみてくれ」

雪歩「は、はいぃ…」

グググ…

雪歩「うぅ……何だかすごく強いですぅ…これ…」

P「まあ引きすぎてるから大丈夫かもな、それじゃあ基本から教えるか」

雪歩「お、お願いしますぅ…」

オッサン「うらやましいね~、あんなカワイイ娘に弓道教えるなんてね」

爺「ふむ…」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:02:26.06 ID:1TLoRwUR0
P「最初は基本姿勢といって弓道をするために必要な決められた姿勢を教えよう」

雪歩「姿勢……ですか?」

P「ああ、弓を引くだけじゃあ矢は的には当たらないからな、体全体を使わないと当たらないもんなんだよ、弓道って」

雪歩「……やっぱり私じゃ無理じゃあ…」

P「そんなことはないよ、確かに最初は覚えることがたくさんあるけどそれをちゃんと覚えて、自分にあった射は見つければそこからはもう楽しいってもんじゃない」

雪歩「そ、そんなに…」

P「ああ、だから弓道は止められないんだ……その魅力に雪歩も早く気づいてほしいな」

雪歩「!は、はい!私…プロデューサーの期待に応えられるか分からないけど……やれることは全部…頑張ってみます…」

P「うん、頑張ってくれよ雪歩、すごく期待してるからな」

雪歩「……でもあんまりハードルは上げないでください…」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:08:18.00 ID:1TLoRwUR0
雪歩「こ、こうですか?」

P「いや、足の先が揃っていない、それに足はもっとピッタリ合わせて」

雪歩「はいぃ……こうですか?」

P「それと手はちゃんと腰骨に、無様に見えるぞ」

雪歩「ぶ、無様……こうですか?」

P「うーん……よし、まあいいな」

雪歩「あ、ありがとうございますぅ…えへへ…なんとか出来ました…」

P「それじゃあ次は歩き方を教えるか」

雪歩「……こういう場合はすり足ですか?」

P「ああ、その通りだ、それじゃあ歩いてみてくれ」

雪歩「はい…」ススス…

P「そうじゃない雪歩!」

雪歩「うぇぇ!?」ビクゥ

P「足裏は見えないように歩くんだ、次からちゃんと意識してくれ」

雪歩「……はいぃ」
雪歩(今日のプロデューサー…いつもよりもとっても厳しいですぅ…)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:15:51.64 ID:1TLoRwUR0
P「うん、何とか曲がるのも出来たな、才能あるんじゃないか?雪歩」

雪歩「でも…15分も掛かりましたよプロデューサー…」

P「そのたった15分でしっかり覚えたなら儲けもんだ、こういう基本をすぐ忘れる輩も少なくはないんだからな」

雪歩「……そうなんですか?」

P「ああ、部活に入ってた頃はよく忘れる奴らがいたもんだよ……なぜか当たってたけどな」

雪歩「プ、プロデューサー?」

P「ああいう基本をおろそかにする奴らがポンポン当てやがって…俺のほうが射も綺麗だし、ちゃんと引けてるっていうのに…」ブツブツ

雪歩「………」

P「どうしてそんな愚か者が弓道というスポーツで上手くいくんだろうな?雪歩?」

雪歩「えぇ!?えっと…その…ご、ごめんなさい…プロデューサー…私には…」

P「けどそういう奴に限って、段々と射が乱れたり、会が保てなくなったりして堕落していくもんなんだよ、ざまあないよな」

雪歩「………」

P「だから俺は最初から間違ってなかったのに…なんでレギュラーがアイツらだったんだよ…」ブツブツ

雪歩「……基本姿勢…基本姿勢」スス…

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:25:19.83 ID:1TLoRwUR0
P「それじゃあ次は射法八節だな」
雪歩「射法八節…?」

P「ああ、矢を射るときの動作だ、ここがとっても重要だからな、しっかり覚えてくれ」
雪歩「は、はい…」

P「まずは足踏みだ……といってもここは外だからな、板目を数えることができないな」
雪歩「?」

P「まあいいか、それじゃあ雪歩、足を開いてくれ」
雪歩「?……こうですか?」ス…

P「うん、出来ればもうちょっと広げてくれ」

P「そして次は胴作りだな、そのゴム弓を弓と見立てて姿勢を作るか……雪歩専用の弓準備するか…いや、借りたほうがいいのか」
雪歩「えっと…その胴作りってどう作るんですか?」

P「ん?ああ、そうだな、右手は腰骨に当てたまま、左手はこうだ」グイッ
雪歩「ひゃっ!?」ビクゥ

P「あっ!ごめん雪歩…いきなり触って悪かったな」

雪歩「……えっと…だ、大丈夫です…」

P「そうか…それなら少しの間我慢しててくれ」グイッ」

雪歩「っ…」

雪歩(私の後ろに…それにすごく近い……ど、どうしよう…全然集中できないよぉ…)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:32:53.89 ID:1TLoRwUR0
P「そしてこっから弓構え、ここから気を引き締めないといけないぞ」

雪歩「は、はいぃ」ギュッ

P「ああ、そう力むな、これは練習だから…リラックスだリラックス」

雪歩「はいぃ…ふぅ…はぁ…ふぅ…」

P「ん?おっとダメだぞ雪歩、肩の力もちゃんと抜いてな」モミモミ

雪歩「ひぃあっ!…んっ…ふぁぁ…」ポワワ~

P「よし、それじゃあ顔はこっちに向けてくれ」

雪歩「こ、こうですか?」

P「はは、顎が斜め上向いておもしろいな雪歩」

雪歩「!……うぅ…笑わなくたって…」

P「ああ、ごめんごめん、顔向けは結構難しいからな、ここの位置だ、覚えてくれ」ピタッ、クイッ

雪歩「ひゃふっ!?」

P「うん、そうそうこの位置、ここからは顔向け崩すなよ」

雪歩「えっと…もう!何が何だかわ、分かんないですぅ!」

P「?……そんなに難しかったかな?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:38:03.61 ID:1TLoRwUR0
P「そして打ち起こしだ、俺が後ろから動かすから腕の動きを意識しながら覚えてくれ雪歩」

雪歩「はいぃ…頑張ります」

P「はーい、腕上げますよぉ」

雪歩「……プロデューサー…こ、これ以外の教え方は…」

P「うーん、俺はこうやって教えられたからな、見て覚えたり、やりながら指摘される教え方もあるけど」

雪歩「…じゃあこのままで…」

P「そっか、じゃあ続けるぞ」

雪歩「………」カァ…

P「そして会だ、ここは無理に引かなくてもいいからな」

雪歩「は、はい…」グググ…

P「ああもう、だから引かなくてもよかったのに……それじゃあ俺が支えてるからな」

雪歩「うっ…あっ…や…やっぱり強い…ですぅ…」グググ…

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:43:00.78 ID:1TLoRwUR0
P「そして離れだ、もうゴムを放していいぞ」

雪歩「は、はいっ…」スッ

パァァッーーーンッ!

雪歩「~~~っ!」

P「はは、手に当たったな」

雪歩「ど、どうして手に当たるんですか…?プロデューサー…?」ヒリヒリ

P「引き方や手の内って言って弓を持ってる左手の形が悪いと当たっちゃうんだよ、俺も昔よく痛い思いしたもんだ」

雪歩「………」ガクガク

P「大丈夫だって、俺の教え通り綺麗な射を覚えればそんなこともなくなるから」

雪歩「……自信無くなってきました」

P「誰もが通る道…でもないかもしれないけど、よくあることなんだから、そう落ち込むなって、な?雪歩?」

雪歩「……はい…もう少し頑張ってみます」

P「うん、その調子その調子」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:51:22.47 ID:1TLoRwUR0
P「そして最後に残身だ、ここで今の射の反省とかをしたりするんだ」

雪歩「反省は…手の内が悪かったことですぅ」

P「いや教えてないから悪いも○ソもないんだけど…後、立っている時は基本喋っちゃダメだからな雪歩」

雪歩「そうなんですか?」

P「ああ、それに弓道って静かにやるっていうイメージあるだろ?」

雪歩「……はい…確かにそうですぅ」

P「後、喋っている=雑念があるってことだからな、雑念を抱えたまま的を射たって当たるもんも当たらないんだ」

雪歩「で、でも…雑念を消すって…」

P「ああ、そういうのは意識すればするほどいけないからな、とにかく目の前の的だけに集中していれば雑念なんて勝手に消えてくれるさ」

雪歩「……集中ですか」

P「そう、地面を掘っているときみたいな集中力をだな」

雪歩「!…プロデューサー…いじわるですぅ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/09(水) 23:58:34.23 ID:1TLoRwUR0
オッサン「で、どうだい?一通り教えたのかい?」

P「はい、物覚えが良かったのでスムーズにいきましたよ」

オッサン「ふーん、今度からはおいさんがその役目を担ってもいいんだぞ?」

P「いやあ…俺の教え子なんでそれは勘弁してください」

オッサン「なんだいつれねぇな、それじゃあ一緒に立つか?」

P「はい、それじゃあ自分弓張って少し馴れるまで素引きを」

オッサン「おう、後二立て以内に終わらしてくれよ、巻き藁も」

P「はい、出来るだけ努力しますね」

雪歩「すびき?…まきわら?」

P「うーん、それじゃあ雪歩はあそこの隅であの人たちの射を見ててくれ」

雪歩「えっ…でも……私はプロデューサーのすびき…とまきわらを…」

P「……そうだな、じゃあそこに座って見ててくれ」

雪歩「…は、はいぃ」ニコッ

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:04:19.96 ID:SXfKUaB70
P「うーん…最近引いてないから18もキツくなってきてるかもな」グググ

雪歩「う、うわぁ…」

P「ん?どうした雪歩?」グググ

雪歩「プ、プロデューサー…すごいです…なんだか……すごいですぅ…」

P「そんなことないって、ただ弓引いてるだけなんだから」グググ…

雪歩「でも!……いつものプロデューサーさんじゃないような感じがして…」

P「うーん、いつもはもう少し不甲斐なく見えてるのか?」グー…

雪歩「あっ…終わり…ですか?」

P「ああ、後は巻き藁だけだからな、雪歩はあっちで座って待っててくれ」

雪歩「……はい」

雪歩(プロデューサーの弓道……はやく見てみたいですぅ…)

29: あー、間違えたー 投稿日:2012/05/10(木) 00:09:08.51 ID:SXfKUaB70
P「僕は落ちですか、何だか責任重大ですよねここの位置って」

オッサン「大前はもっと責任重大だぞ、流れ作らなくちゃだからね~」

オバサン「もうおしゃべりはいいから早くやるわよ」

爺「ほほほ…若い子が見てると思うとやる気が出てきたわい」

雪歩「」ビクゥ

オッサン「よし、それじゃあ…始めっ!」

雪歩「!…は、始まりました…」

P「ふぅ…」

雪歩「………」ドキドキ

P「………」

オッサン「………」グググ…ビュンッ

ドスッ!

オッサン「っ……」スッ…

雪歩(あの人…外れました…)

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:13:00.07 ID:SXfKUaB70
ビュンッ…ドスッ

オバサン「あちゃ~…」

オッサン「喋るの厳禁だぞ」

オバサン「……分かってるわよ」

爺「………」グググ…ビュンッ

カッ!

爺「むぅ…けったか」

雪歩「け…った?」

P「的のすぐそこに当たることだよ、はずれだけど」コソコソ

P「それじゃあ…次は俺か」

雪歩「………」ドキドキ

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:18:11.66 ID:SXfKUaB70
P「………」スッ…

雪歩(…打起し)

P「………」スッ…グググ…

雪歩(引分け…な、なんだか私も緊張してきました…)

P「………」グググ…

雪歩(…会……私じゃ出来そうにないですぅ…)

P「………」グググ…

P「っ」

ヒュッ!

雪歩「っ!」


スパァンッ!

―――
――

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:21:34.32 ID:SXfKUaB70
真美「それでそれで!その後はどうだったの?」

雪歩「一本目は当たったんだけど、二本目からは一本も…」

亜美「えー!兄ちゃん不甲斐な~い」

P「仕方ないだろ、最近はお前たちの仕事が増えてきて引いてなかったんだから」

律子「プロデューサー、言い訳は良くないと思いますよ」

P「…弓道にはその日の調子とかが関わってくるものなのに」

雪歩「……でも」

雪歩「でもプロデューサーの弓道する姿……とってもカッコよかったです」カァ…

P「!…そっか、それじゃあ雪歩、今週末も行こうか?」

雪歩「はい!……今度もちゃんと教えてくださいね、プロデューサー」

終わり

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:23:39.73 ID:SXfKUaB70
無理だった
スポーツ系アイマス書きたかったけど難しすぎた
というか弓道自体書きにくかった

支援などありがとうございました


それではおやすみなさい
弓道人もっと増えてほしいです、切実に

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:27:57.37 ID:OfMyazvb0
弓道いいな

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/10(木) 00:31:50.53 ID:kkAhE/a30

また久しぶりに弓を引きたくなった

引用元: P「それじゃあ弓道してみるか」 雪歩「弓道?」