3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 16:23:24.34 ID:v/FGp80+0
凛「…………」カチカチカチカチ

ちひろ(……気まずい)

凛「…………」カチカチカチ

川島「……女子アナ時代にもいたわ。会議中に、ボールペンずっとカチカチ鳴らしてる子。煩くってしょうがなかったわ」

凛「ふーん。初めて聞いたなそんな話。やっぱり、人生経験の差かな」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 16:41:55.20 ID:v/FGp80+0
――別の日

三船美優「……あの、Pさん。この資料は」

P「ああ、深夜ドラマの……女ストーカー役のオーディションについてですね。まあ、ありがちな設定で端役もいいところですが、えりごのみ出来る立場じゃないですしね」

美優「その割には……何か、あの、悩んでいるようでしたが」

P「……三船さんには隠せませんね。その、誰をオーディションに出すべきかとね。こんな端役でも、アイドルのイメージに傷をつけるかもしれないですし」

美優「……でも、この人も可哀そうですね」

P「ストーカーがですか?」

美優「自分の思いを素直に出せなくて、こんな行為に出るなんて……」

P「……三船さんは優しいですね」

美優「いえ、そんな……」

ちひろ「あの……二人の世界に入ってる所、申し訳ないんですが、どうして三船さんは、そんなにPさんによりそっているんですか?」

美優「いけませんか……?」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 16:31:48.34 ID:v/FGp80+0
川島瑞樹「きっと、もう癖になっちゃるのよね。それでいて、他人がどう思うか分からない。やっぱりお子様ね。プロデューサーくんに迷惑をかけるのだけはやめてほしいわ」

凛「別にプロデューサーに迷惑なんてかけたことないし」

瑞樹「そう思ってるのは凛ちゃんだけよ」

凛「…………」

瑞樹「…………」

ちひろ(いつからこんなことになっちゃったのかな……)

ガチャ

P「おはようございまーす。あれ、凛に川島さん。今日は仕事――

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 16:57:55.16 ID:v/FGp80+0
大槻唯「んーっ。だーれだ!」

P「わっ、びっくりした。唯、心臓が止まるかと思ったぞ」

唯「Pちゃんせいかーいっ。よくわかったね! 以心伝心ってカンジ? きゃはー」

P「そういうんじゃないと思うけどなあ……。それより、今日は直行でレッスンだったと思うんだが」

唯「Pちゃんのこと見ないと元気出ないしぃー。ねえねえ、今何してるの?」

P「資料整理だけど……」

唯「お話したいなぁー☆」

P「いや、お前レッスン……」

唯「お話したいなぁー☆」

P「……はあ」




凛「………………」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 16:47:12.99 ID:v/FGp80+0
ちひろ「いえ、そういうわけじゃないんですが……」

美優「あ、そういえば……Pさん、昨日、カップラーメンだったみたいですね。不摂生には気を付けてくださいね……?

P「? えっと、確かにそうでしたけど……どうして三船さんが知っているんですか?」

三船「…………コンビニで買っていたのを、偶然見かけたんです」

P「そうだったんですか。ああそういえば、自分の自宅と、結構近いんでしたっけ? 引っ越したんですよね」

三船「あ、はい。そうなんです」

三船「…………」

三船(本当は、Pさんの上の部屋なんだけど……黙っておこうかしら)

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:05:17.43 ID:v/FGp80+0
唯「そんじゃ、そろそろレッスン行ってこようかなーって」

P「……トレーナーさんには話つけとくから。……今度からはちゃんと行けよ」

唯「じゃあ…………」 ギュッ

P「わ! お前、いきなりなに抱きついて……」

唯「んー、Pちゃんエネルギー補充したカンジ? じゃあねー!」

P「…………あんにゃろ」



凛「…………」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:13:42.61 ID:v/FGp80+0
唯「あれっ、凛ちゃんじゃん。どうしたのー?」

凛「……唯さ、レッスンにも遅れるみたいだし、プロデューサーの仕事も邪魔してたよね」

唯「んん? 見てたの? まあ、レッスン前のリラックスって感じ?」

凛「それってさ、プロデューサーにとって迷惑じゃない? トレーナーにも……」

唯「ええ~……でも~しょうがないじゃん~?」

凛「…………は?」

唯「Pちゃんと一緒にいると楽しいしぃ……離れたくないって感じ? 一緒にいたいって感じ?」

凛「…………」

唯「まあ、そんなワケで! レッスン行ってきまーす!」 

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:20:03.38 ID:v/FGp80+0
凛「プロデューサーはさ、一度ガツンと言っといたほうがいいんじゃない?」

P「何が?」

凛「唯にだよ。レッスンもちゃんと行ってないし。プロデューサーに抱きついてたし。アイドルとしておかしいよ」

P「ん~、友達感覚なのかもしれんな~」

凛「そんな悠長にしてる暇なんてないと思うけど」

P「友達感覚から恋煩いに移行するって? まあ、そこらへんは唯もしっかりしてるから大丈夫だろ。レッスンや仕事とかも、これからはしっかり頑張るって言ってくれたし」

凛「そんなもんなのかな」

P「大丈夫だって……。所で凛、お前今日朝からいるけど、仕事ないよな? そもそも学校は?」

凛「今日は開校記念日だから」

P「んん? 確か前にもそんな――

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:31:30.73 ID:v/FGp80+0
木場真奈美「…………」

千川ちひろ「ははは、真奈美さんだけだと静かでいいですね」

真奈美「確かに、この組み合わせは珍しいかな」

ちひろ「最近はなんだか事務所の空気が怖くて……プロデューサーさんに飲み物を渡そうとする時とか、誰かに見られている気がするんですよ」

真奈美「気のせいじゃないかな」

ちひろ「そうでしょうか……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:39:13.74 ID:v/FGp80+0
真奈美「所で、事務所の空気が悪いというのは……」

ちひろ「なーんか不気味なんですよね、あ、業績が悪化しているというわけではないんです」

真奈美「……やれやれ、憎い男だね、まったく」

ちひろ「ま、真奈美さん、気付いて……」

真奈美「独占欲、初恋、ライバル。こんな要素が絡んできてしまっては、まだ人生経験の少ない子たちが感情を抑えきれないのも無理はない」

ちひろ(川島さんや三船さんのことは黙っておこう)

真奈美「まあ、一時的なものだろうさ。世の中、男なんて腐るほどいる。失恋の一つでも経験すれば、彼女たちも元に戻るだろう」

ちひろ「あの、それってどういう……」

ガチャ

P「あ、ちひろさんに、真奈美さん」

真奈美「おはよう」

P「昨日はありがとうございました、あんなに美味しい食事……」

真奈美「気にすることはないさ」

ちひろ(大人げないわ……)

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:44:36.22 ID:v/FGp80+0
ちひろ「あの、もしかしてお二人は……」

P「アイドルとプロデューサーですよ? 何言ってるんですか」

真奈美「ふふっ……ちひろが想像するようなことは何もないさ。……まだ、ね」

P「ははは、真奈美さんには俺は似合いませんよ」

真奈美「謙遜も、やりすぎるとただの卑下に陥る。君はいい男だよ」

P「なっ……」

真奈美「君のそんな顔を見られただけ、一歩リードかな」

ちひろ(胃袋を掴めば勝ち。料理上手の女は汚いわ……)

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 17:55:42.99 ID:v/FGp80+0
北条加蓮『こほっ、こほっ』

P『か、加蓮。風邪引いたのか?』

加蓮『だ、大丈夫だよ。このぐらい、こほっ、こほっ』

P『どこが大丈夫なんだよ……。分かった、テレビ局まで車回すから、待ってろな』

加蓮『一人で帰れるよ……』

P『車回す』

加蓮『……じゃあ、待ってるから』



P「というわけで、仕事終わりに加蓮に電話したんだが、体調が悪いみたいなんだよ。悪いが、このまま車回していいよな」

向井拓海「…………」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 18:00:45.47 ID:v/FGp80+0
拓海「…………」

P「拓海? どうかしたか?」

拓海「ゴッホゴッホ! ゴッホゴッホ! カーッ!」

P「た、拓海?」

拓海「カーッ! カーッ!」

P「拓海! お前タバコなんて吸ってんのか!」

拓海「吸ってねえよ! ゴッホゴホ! ゴホゴホ!」

P「じゃあ、どうしたんだいきなり?」

拓海「……ずいぶん、あっちの事を心配してんじゃねえか」

P「ああ、拓海は風邪ひく心配ないからな」

拓海「遠まわしに馬鹿って言ってんじゃねーか! ブッ飛ばされて―か!」

P「おいおい怒るな怒るな。仕方ないだろ、加蓮はお前と違って体弱いんだから」

拓海「チッ……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 18:09:56.16 ID:v/FGp80+0
拓海「……もしアタシが風邪引いても、心配なんてしてくれねーんだろうな」

P「はあ? 何馬鹿な事言ってんだ」

拓海「…………」

P「……もしお前が風邪ひいたら、毎日看病に行ってやるよ」

拓海「本当か?」

P「拓海が風邪引くなんて、新種のウイルスかなんかだからな。死ぬほど心配するよ」

拓海「やっぱ馬鹿にしてんじゃねーか」

P「本当だよ。加蓮と同じくらい、大事な、大切なアイドルだからな」

拓海「……けっ」



加蓮「早く来ないかなPさん……へへ、二人きり……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 18:19:38.77 ID:v/FGp80+0
三村かな子「…………」

佐久間まゆ「どうかしたんですか? まだパフェ二つしか食べてないですよ?」

かな子「食欲なくて……」

まゆ「……何があったのか、相談してくれませんか?」

かな子「…………」

まゆ「恋……ですか?」

かな子「そ、そんなんじゃないんです……そんなんじゃないけど」

まゆ「…………」

かな子「プロデューサーさんの笑顔を見てると、お腹も、胸もいっぱいになるんです。だけど……」

まゆ「だけど?」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 18:28:44.19 ID:v/FGp80+0
かな子「プロデューサーさんの周りには、いつも女の子がいて……」

かな子「プロデューサーさんがみんなを笑顔にして……」

かな子「それを見てると、なんだか胸が苦しくなるんです……」

まゆ「かな子ちゃん……」

かな子「ご、ごめんなさい、こんな話して……」

まゆ「普通の女の子なら、当然ですよ。全然、不思議じゃありません」

かな子「ま、まゆちゃん……」



まゆ「でも、年も離れているみたいですし、諦めたほうが身のためかもしれませんね?」ニコォ

かな子「え?」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 18:33:27.32 ID:v/FGp80+0
ちょっと吉野家行ってくるで 保守ってくれるとうれしいかも。落としてもええけど

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:08:04.90 ID:v/FGp80+0
ちひろ「最近、おかしいと感じませんか?」

ちひろさんにそんなことを言われたのはいつだっただろうか。

P「……あ、おはようございまーす」

三船「おはようございます……今日も良い天気ですね」

最近、朝方に三船さんとよく会う。偶然だろうか。

三船「最近、引っ越してきたんです……今度、肉じゃが持っていきますね」

P「ありがとうございます。あ、このまま一緒に事務所に行きますか」

三船「ええ!? そんな、同伴出勤ですか……? あ、その、よろしくお願いします」

P「そんな婿入り前の嫁じゃないんですから……」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:13:39.58 ID:v/FGp80+0
川島瑞樹「……お早う、プロデューサーくん、美優」

P「お早うございます……あの、最近、お疲れなんですか?」

瑞樹「? どうしてかしら?」

化粧で隠し切れていない隈。

三船美優「……お早うございます」

瑞樹「美優? そんなに寄り添って、プロデューサーくんが窮屈そうじゃない」

美優「お邪魔……ですか?」

P「いえ、そんな」

こちらをうかがうような視線。苦手だ。

P「いえ、そんな。大丈夫ですよ」

美優「よかった……」

先ほどの視線は消えている。笑みが見える。

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:19:48.50 ID:v/FGp80+0
P「…………」カタカタカタ

ちひろ「…………」

P「…………」

和久井留美「Pくん」

P「わ、びっくりした」

留美「お疲れみたいね。目を酷使してると、将来禿頭になるわよ」

P「そ、そんな馬鹿な……」

留美「ふふっ。はいこれ」

P「あ、ありがとうございます」

ちひろ(なんで私にはないんでしょうか……)

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:28:21.21 ID:v/FGp80+0
留美「私も手伝ってあげるわ」

P「アイドルにやらせる仕事じゃありませんよ」

留美「いいから」

P「……それじゃあ、はい」

留美「スケジュール管理もしないといけないなんて、大変ね」

P「うちは人員少ないですし……」

留美「仕事以外にも、大変なことがあるんじゃないかしら?」

P「…………」

留美「あなたの力になりたいの。アイドルとして笑顔を振りまくわ。事務仕事もするわ。けれど、それだけじゃあなたの疲労はとれないように見えるの」

留美「話してみて。お願い」

ちひろ(私もいるんですが……)

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:36:20.06 ID:v/FGp80+0
P「……その、一部のアイドルたちから向けられる視線が……」

留美「視線?」

P「たぶん、長時間一緒にいる異性って、初めてなんだと思います。だからきっと、勘違いしてるんですよ」

留美「あら、なるほど」

P「しかも、複数そういった視線を感じて……俺がプロデューサーじゃなかったら、男冥利に尽きるってやつなんでしょうけど」

留美「アイドルとプロデューサー?」

P「そう、それなんです。そういう関係じゃなかったらば、嬉しいんですけど。残念ながら、出会いからそれははじまってますし」

ちひろ(明らかに、年いってる人もそういう視線送ってるのだけれど……やっぱり小さい子たちはアピールが直接的だからかしら)

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:43:50.63 ID:v/FGp80+0
留美「そうね、それじゃあ、誰かと付き合ってしまえばいいんじゃないかしら」

P「付き合うって……アイドルとですか?」

留美「アイドルなんて、やめてもらえばいいじゃない」

P「それじゃあ、俺は何をしているのか……」

留美「…………私なら」

大槻唯「イェーイ! Pちゃんこんちわー! 元気してるー!?」ダキッ

P「わ、唯、だから抱きつくなって……」

唯「あ、留美さんもこんちわー」

留美「こんにちわ。所で、離れてあげたら? Pくんも、迷惑しているようだし」

唯「ええ~~、でも、離れたくないって感じ? まま、このままでいっちゃおー☆」

留美「いいから、離れなさい」

P「ちょ、留美さん。そんな強めに言う必要……」

唯「ほらほら☆ Pちゃんもこういってるしっ! にょわー!」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 19:59:13.34 ID:v/FGp80+0
唯「ねね、何の話してたのー」

P「そ、それは……」

留美「好いてくれる人がいるなら、付き合ってしまえばという話」

P「ちょ、留美さ」

唯「え、ちょ、マジ!? Pちゃん誰かと付き合っちゃうの!? 誰!? 誰と誰と!」

P「ゆ、唯、首しまってる」

唯「んー、ちょっと予想してみるヨ? えっとー、ちなったん? それともー、きらりん? それとも……もしかしてー……ゆいだったり!」

唯「ええー♪ ちょっとキュンキュンしてきちゃったかも! なんだロ、すっごいドキドキする感じ? きゃはーっ☆」

留美「………………」

P「唯、唯」

唯「もー、そんなに何度も呼ばなくてもいいからー♪」

ちひろ(あわわ)

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 20:06:28.12 ID:v/FGp80+0
留美「……とりあえず、考えてみたらどうかしら」

P「え、留美さんどこに、仕事、手伝ってくれるんじゃ」

留美「少し、騒がしくなってきたし、ね」

P「えええ……」

唯「きゃはーっ☆」






P「結局そのまま帰ってしまった……何しに来たんだあの人。唯は唯で、興奮しっぱなしだったし」

P「今日も疲れたなあ……部屋に戻っても、最近は寝るためだけに帰ってるようなものだし」

P「一年ぶりに帰ったら家財道具全て消えてたって話もあるぐらいだし、帰れるだけマシとかんがえるべきか……」

P「……って」

木場真奈美「やあ、Pくん」

P「真奈美さん、こんなところでどうしたんですか」

真奈美「君の部屋の前だね」

P「ネギが飛び出したスーパーの袋……」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 20:26:30.77 ID:v/FGp80+0
P「…………はっー。美味かったです。ごちそうさまでした」

真奈美「お粗末さまでした」

P「てか、よかったんですかね。担当アイドル部屋に連れ込んで……マスコミとかに」

真奈美「騒がれるほど、日本でも有名にしてもらいたいところだね」

P「申し訳ございません……」

真奈美「冗談だよ、君はよくやってくれている。君が担当でよかった」

P「ははは……ほんと、真奈美さんにはかないませんね。なんか、天上人と話してみたいですよ。大人で、達観していて……その極地に至るまで何年かかるか」

真奈美「そうかな。自分では、そんな感じはしないが」

P「そんなもんですかね?」

真奈美「人並みに欲しいものはあるし、そういった欲求もある。例えば、今一番ほしいものは」

P「欲しいものは?」

真奈美「ふふっ…………内緒だ」

P「ここまで引っ張っといてそれですか……」

真奈美「ひとつ、強引に行ってしまうの手だとは思うけどね。人目もあるし、今はやめておこう」

P「人目? ここは俺の部屋ですよ?」
真奈美「ふふっ……」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 20:40:44.94 ID:v/FGp80+0
ブーッ ブーッ ブーッ

真奈美「……ほら、電話だよ」

P「あ、すいません。ちょっと失礼……」

P「…………響子? こんな時間まで、何起きてるんだ?」

P「もしもし」

五十嵐響子「……Pさん、今度、何食べたいですか」

P「ん?」

響子「Pさん、今度、何食べたいですか」

P「クラムチャウダー」

響子「……はい、分かりました! 今度精一杯作りますね! 愛情込めます!」

P「……きれちまった」

真奈美「ククッ」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 20:48:44.27 ID:v/FGp80+0
P「その次の朝、響子は何故かビーフシチューを持ってきた」

P「何故クラムチャウダーじゃないのかと聞くと、白いからという訳の分からない返答。真奈美さんも一緒に聞いていたが、彼女は意味がわかったのだろうか?」

P「今度、二人で料理を作ってくれるらしい。」

真奈美「響子、女の子が込めるのは愛情、それだけでいいのさ」

響子「はい、反省します……」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 21:00:35.67 ID:v/FGp80+0
P「なんだったんだろうな……いや、美味かったからいいけど」

向井拓海「おい、P」

P「なんだ、拓海か」

拓海「なんだとはご挨拶じゃねーか、ああ?」

P「……なんだ、機嫌わるいのか?」

拓海「誰もそんなこと言ってねーだろ!」

P「はいはい。どうした、加蓮を迎えに行った頃からか? まさか、仕事場でもそんな調子なのか?」

拓海「んなわけねーだろ、仕事はちゃんとやってるよ。それに、アイツも関係ねーよ」

P「本当か?」

拓海「関係ねーつってんだろ」

北条加蓮「あの、Pさん、ちょっといいかな?」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 21:08:22.91 ID:v/FGp80+0
拓海「…………」

加蓮「…………」

P(なんだこの空気)

加蓮「……その、今度ドラマのオーディションでしょ。ちょっと不安だから相談にのって欲しくて」

P「あ、ああ。いいぞ」

加蓮「あ、ありが」

拓海「けっ、ガキじゃあるめーし、一人で挑めねーのかよ。年少も多いんだからよ、Pもそこまで手ェ回せねえよ」

P「……そ、そんなことないぞ。俺、完璧超人だからな。拓海、お前ももっと頼っていいんだぞ」

拓海「だーれが」

加蓮「…………」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 21:09:16.90 ID:v/FGp80+0
9時40分まで失踪

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 21:49:24.32 ID:v/FGp80+0
――またまた別の日

加蓮「あ」

拓海「……丁度いい。ちーっと面貸せ」

加蓮「……私、忙しいんだけど」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 21:54:41.36 ID:v/FGp80+0
拓海「アタシはよ、グレてたから分かんだ。腹に一物抱えてるやつ。真っ黒に染まってるやつ」

加蓮「だから?」

拓海「テメー……仮病使ってんだろ」

加蓮「……はあ?」

拓海「……アタシはよ、実際、親にも見捨てられかけてた」

拓海「Pが、アイツがアタシの事を救ってくれたんだ。文字どおりな」

拓海「だから許せねえ。不純な動機でアイツをひっかきまわすテメーを」

加蓮「……………………」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 22:09:02.01 ID:v/FGp80+0
加蓮「…………」

パシッ

拓海「なっ、テメ」

加蓮「あのさあ、恵体で生まれてきたアンタに何が分かるの?」

拓海「あー?」

加蓮「ちっちゃい頃は全然外に出れなくて、それでもアイドルになれて、今一番幸せな時期で、それを支えてくれる人が居て」

加蓮「少しでも一緒にいたいって思うのは、変な事? 私は、仮病使ってでもPさんの隣にいたいの」

拓海「…………」

加蓮「でも、もうそういうのはやめるよ。アンタが煩いしね」

拓海「……いいか。Pを困らせる奴は、アタシが許さねえ。だから、テメーの事は許さねえ」

加蓮「…………」

拓海「けどよ、その真剣な思いだけは認める。認めざるをえねえ。本当は一発殴り返してやりてえけど」

加蓮「…………」

拓海「そんな泣き顔見せられたら、殴る気も失せちまったよ」

加蓮「……グスッ。分かってるもん。悪い事だって。でも、私、Pさんの事……」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 22:24:39.04 ID:v/FGp80+0
P「どうやら今度、拓海と加蓮は一緒に買い物行くらしい。一体何があったんだ……?」

ケイト「ハァーイプロデューサー。どうかしましたカー」

P「いやいや、なんでもないよ……そういえばケイト、一緒に東京回ってくれとか、そんなこと言ってたよな?」

ケイト「イエース。そうデース。私のfamilyが日本に来るらしいから、フェイバリットな場所を紹介しマス。良い所教えてくだサイ」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 22:31:44.74 ID:v/FGp80+0
P「そりゃ別にいいけど……。イギリス行ったときは忙しくて、結局挨拶出来なかったなあ」

ケイト「ダディは婿サンに会いたがってまシタ。残念デス……」

P「…………婿さん? おい、ケイト? お前、結婚してるのか!?」

ケイト「まだ式はあげてまセーン。ジェーンブライドまで待ちマス。楽しみデス♪」

P「……待て待て、アイドルだぞアイドル。いや、それ以前に留学中。ケイト、一体相手は誰なんだ?」

ケイト「oh…………勿論プロデューサーデス……」

P「………………は?」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 22:47:28.48 ID:v/FGp80+0
>>145
ミスッた、ジューンか……。カタカナめんどくさいな……。


P「どうすればいいんだ……」

ケイト「ナターリア? それはお姫様の淡い恋心というヤツデース。初恋は実りまセンヨ。」

ナターリア「プロデューサーと食べる寿司美味しいヨ! プロデューサーと食べるから美味しいんダヨ!」

P「二人とも、その、な? 文化圏の違いが露骨に……」

佐久間まゆ「…………」

佐久間まゆ「…………」

佐久間まゆ「…………」

P「………………あれ、まゆ? どうしたんだ、そんなところで」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 22:40:56.55 ID:v/FGp80+0
P(お国柄か? 外人はよくわからん……。ああ、外人は差別用語だったか)

P「あー、ケイト。何時、俺がI LOVE YOU なんて耳元で囁いた?」

ケイト「仕事の帰り道、月が綺麗だと行ってくれましタネ」

P(なんでそこまで日本通なんだ?)

ケイト「それで私の答えはイエスデース。式は和式が良いデスカー、それとも洋式?」

P「……少し待ってくれ。いろいろと考えが回らない」

ナターリア「ちょっと待っテ!」

P「ナターリア? ちょっと待っていてくれ。少し、いや多大な誤解が……」

ナターリア「プロデューサーと結婚するのはケイトじゃないヨ!」

ケイト「?」

P「もう勘弁してくれ……」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:02:35.24 ID:v/FGp80+0
まゆ「Pさんは……いつもそうですよね」

P「ま、まゆ?」

まゆ「私がいつもこの思いを言葉にしてるのに、のらりくらり。私だけじゃなく、ケイトちゃんや、ナターリアちゃんにまで」

P「いや、それは、一時的な……」

まゆ「一時的? 読モもやめて、実家から引っ越して女子寮にいるのに? あなたのために、あなたのためだけにトップアイドルを目指しているのに?」
まゆ「この思いが一時的なものだと、本気で思ってるんですかあ?」

P「………………」

まゆ「インポテンツでも愛しますよお、禿げても愛しますよお」
まゆ「なのに、どうしてこの思いにこたえてくれないんですか? 答えさえも出してくれませんよね?」
まゆ「どうしてですか? ねえ? ねえねえねえ?」

P「…………」

まゆ「ナターリアちゃん」
ナターリア「は、ハイ!」
まゆ「ナターリアちゃんは早く大人にならないといけませんね? 日本で結婚するには年が足りませんし。あ、もしかして母国では結婚出来たりするんですか?」
ナターリア「ま、まゆにはあげないヨ!」
まゆ「ケイトちゃん」
ケイト「ハ、ハーイ?」
まゆ「留学が終わったらどうするんですかあ? そのまま母国に帰っちゃうんですか? ライバルが減って大助かりですね」
ケイト「か、帰りまセン! 帰らないデス!」
まゆ「…………うふ」

162: くっそ、ほんとにまゆは天使やで…… 投稿日:2013/02/23(土) 23:08:07.37 ID:v/FGp80+0
まゆ「……ねえ、Pさん」

P「…………」

まゆ「気付かないのも、気付かないフリを続けるのもいいですよ」

まゆ「まゆはずっと待ち続けますから」

まゆ「……たとえ誰かと結婚しても。信じたくない答えをもらっても」

まゆ「だから、ちゃんと私の事を見ていてくださいね?  あ、ついでにナターリアちゃんと、ケイトさんの事も」

まゆ「…………うふ」

ケイト「…………」

ナターリア「…………」

P「…………」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:17:22.26 ID:v/FGp80+0
P「なんでこんなことになっちまったんだ……」

P「俺は、まゆに、いや他の娘達も、アイドルとして……」

P「いや、どこかで、俺も願ってたのか……? 彼女たちとこうなるのを」

P「こんな結果になってしまったのは、俺が原因なのか……」

高峯のあ「…………P」

P「…………のあさん」

のあ「歪んで……見えるわ。あなたの魂が」

のあ「気高かったあの頃のあなたは……どこに行ってしまったの?」

P「…………」

のあ「P…………」ギュッ

P「やめてくださいのあさん……俺は、俺は……」

のあ「全ての事象は可能性に基づく…起こり得ることしか起きない……以前、そう話したわね?」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:27:12.43 ID:v/FGp80+0
のあ「起こるべき事として、これまでの事は起きたのよ……。だから、あなたが悔やむ事はないの。あなたがここにいるのも、私がここにいるのも、可能性としての比率が高かったから。ただ、それだけなの」

P「俺は、彼女たちをトップアイドルにしたかっただけなんです。それだけなのに……」

のあ「それだけじゃ、頂点を目指す事など出来ないわ……」

のあ「彼女たちと共に支えあい、共に生き抜く。そうすることによって、頂点に立てるの。その結果……恋が芽生えるのも、仕方のないことなのよ」

のあ「ね? そうでしょ? P……」

P「………………」

少し、疲れてしまったようだ。
瞼が、少しづつ、下がって……

のあ「そう……だから、仕方がないことなの。私が、あなたに恋してしまったことも」

のあ「あなたの全てを欲しくなってしまったのも」

P「――――――」


のあルート BADEND 


ヤンデレを書いていたのに、なんでこんなことになった?
即興で書いたのがいけなかったのか? それは分からない。
コンテニューするべき?

180: ほんと、凛はどこに行ったんだよ…… 投稿日:2013/02/23(土) 23:36:21.41 ID:v/FGp80+0
P「……頭が痛い」

気付いた時には自分の部屋だった。

P「事務所に、行かなきゃ……」

――外には三船美優がいる。

P「…………」

ガチャ

三船美優「あ……おはようございます」

P「………………」

美優「あの……Pさん。どうしたんですか?」

P「……三船さん」

美優「は、はい。なんでしょう」

P「引っ越したそうそう悪いんですが、女子寮にもう一度引っ越してもらえませんか。朝っぱらから男に会うなんて、マスコミに騒がれます」

美優「そんな……、Pさんに挨拶したくて、私……」

P「経費扱いにしますから。お願いします」

美優「…………分かりました」

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:45:16.12 ID:v/FGp80+0
P「…………事務所に行かなきゃ」

――自室には、五十嵐響子が

P「…………」

P「…………監視カメラか」

P「これでよし…………響子の仕掛けた奴はもう」

――自室には佐久間まゆが

P「…………」

――――渋谷凛が、北条加蓮が、高峯のあが、川島瑞樹が、三船美優が、水本ゆかりが、緒方智絵里が、神谷奈緒ががががががががが

P「あああああああああ! もうやめてくれ! やめてくれえええ!」

自分ではない誰かの記憶が流れてくる。何度まきもどしたのかさえ分からない――残骸が語りかけてくる。

もういいではないか。トップアイドルなんてどうでもいいではないか。
もう、輝く彼女たちを遠い目で見る必要はないのではないか。
ただ、俺は、彼女たちの隣にいたかっただけなのだ。

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:49:01.98 ID:41VjvaDU0
KOEEEEEEEEEEE

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:50:19.76 ID:0gLDhReB0
なんだこれは……

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/23(土) 23:50:56.26 ID:q6HR5s+JP
ヒッ

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:03:03.07 ID:k/JzgE+30
P「………………」

部屋から出なくなって、事務所に行かなくなって、どのくらい経っただろうか。

監視カメラはどこにもない。誰にも見られていない。誰の視線も感じない。

誰のルートも進まない。誰とも恋に落ちない。誰とも結婚しないSEXしない付き合わない。

結局俺は、プロデューサーとしての自分を崩せなかった。
彼女たちを蹂躙しようとしていると――思いたくなかった。

トップアイドル。アイドルとは何だ。
俺がハナタレの○ソガキだった時憧れたアイドルは、今おばさんとしてテレビに出て、若き頃の秘密の恋を語っている。
別に、アイドルが恋をするなとは言わない。プロデューサーと結婚したアイドルだって存在する。

じゃあ、俺はなぜ、彼女たちの気持ちに応えなかったのか。
俺は幻想を守りとおそうとしていたのか。
ファンのために笑顔を振りまき、サイン会、バラエティ、ドラマ、映画。
ファンのためだけに、アイドルをしてほしかった。
裏方の俺なんかに、天真爛漫なその笑みを、彼女たちの内面を見せてほしくなかったのだ。

ピンポーン。ピンポーン。

インターフォンが鳴っている。これまであれを鳴らしたのは誰だったか。アーニャ? メアリー? それとも巴?

きっとあの扉の前には誰かが立っている。

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:10:53.26 ID:k/JzgE+30
インターフォンの間隔が短くなる。わずらわしい。煩い。黙れ。静まってくれ。
俺を一人にしてくれ。

しかし、事象は可能性に基づく。
ここでだんまりを決め込んでいても、扉の前にいるのが巴や桃華や、有香だった場合。
数秒後には扉は四散してしまうのだ。

P「…………」

久しぶりに、足を動かす。手を伸ばす。
誰だ。誰なのだ。おれをただの残骸に成そうとするのは。過去の記憶へと変化させる存在は誰なのか。

俺は、扉の鍵を開けた。









「歯ァ食いしばれエエエエエエエエエエエエエエエエエェェ!」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:16:25.48 ID:k/JzgE+30
ブッ飛ばされた俺は、瞬間自室へと。
歯が折れたんだ、血の味と、ゴロゴロとした物体が口の中にて主張してる。

P「何すんだよ拓海」

向井拓海「……うるっせえ。テメー、こんなところで何やってんだ」

P「お前こそ何やってんだよ、殴り方でも忘れたのか? タオルも巻かねえで人の顔殴るから……、ほれ見ろその拳。アイドルの手に傷つけてどうすんだ? 明日、収録だろ」

拓海「質問に答えろよ。こんなところで、何やってんだよ」

P「…………」

拓海「答えろって言ってんだろ!」

202: キタンだっけ? かっこよかったなー 投稿日:2013/02/24(日) 00:25:59.12 ID:k/JzgE+30
P「…………もう、駄目なんだ」

拓海「何がだよ」

P「俺には、プロデューサーなんて出来ない。アイドルをアイドルとして見れない。ただの女として見ちまう。綺麗なやつらだ。あいつらをトップアイドルにしたかった。したかったけれど」

拓海「何勘違いしてんのか知らねーがな、今のお前見てよお、惚れる奴なんざ誰もいねえよ」

P「…………」

拓海「必死こいて営業して、事務して、モバコイン払って! 血ヘド吐きながらも支えてくれる! そういう姿にアタシら惚れてたんだよ! んだよその腑抜け面ァ!」

P「……駄目なんだよ、お前らを見てると、好きになっちまう。好きになってしまうんだ。アイドルなのに。プロデューサーなのに」

拓海「そういうの全部飲み込んで突っ走るのが一流のプロデューサーじゃねえのかよ!」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:32:38.71 ID:k/JzgE+30
P「………………」

拓海「……ああ、そうかよ。そうか分かったよ○ソッタレ」

拓海「テメーは、勝手にアタシの事この道に連れ込んで、勝手に手前だけ降りるっていうんだな?」

拓海「じゃあ、もうアタシもやめるわ。Pがいねえんじゃ、やりがいもねーわ」

P「……あ?」

拓海「前も行ったろ? ガラじゃねーんだよアイドルなんて。テメーが降りたんなら、アタシも自由だ。さっさと消えてやらあ」

拓海「じゃあなP。もう会うことも」


P「待てよ」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:38:22.80 ID:k/JzgE+30
P「勝手に消える? アイドルやめる? もう自由? ふざけたこと言ってんじゃねえよ」

P「お前はアイドルなんだぞ? お前を応援してくれてるファンはどうする? コンサートで見たろ? お前を応援するためだけに、券買って、グッズ買って、タバコ買いにいってんだぞ?」

P「なのに、やめる? ファンを残して。ステージ上の輝くお前を見るのが好きで好きでたまらなかった、俺のこの思いはどうする?」

P「ふざけたことぬかす前に、たくみんスマイルの一つや二つ練習してこい○ソガキィ! ブッ飛ばされてえのかァ!」

拓海「じゃあその隣にずっといろよ○ソプロデューサー! アイドル支えないで何がプロデューサーだ!」

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:52:42.11 ID:k/JzgE+30
拓海「…………」
P「……その手の傷、痕に残るか?」
拓海「のこんねえよ」
P「……そうか」
拓海「…………明日」
P「…………ああ」

ちひろ「ああ、プロデューサーさん! 何やってたんですか! 仕事ほっぽらかして!」
P「すみません。ほんと」
ちひろ「あれ、その顔の傷……」
P「…………まゆ」
ちひろ「あの、無視しないでくださいよ」

まゆ「……久しぶりですね。うふ。元気でしたか?」

P「ああ、元気だった。そして、聞いてくれ。ついでに、事務所に盗聴器しかけてる連中も、ソファで寝たふりしている杏も天井裏に隠れてるあやめも聞いてくれ」

P「俺は、お前らの事が好きだ。大好きだ。だけど、何をすればいいのかわからん。SEXしてやればいいのか。愛の言葉をささやいてやればいいのか。全然わからん」

P「プロデューサーがアイドルに向かってこう公言するのが正しいのか正しくないのか、なんも分からない」

P「けど、逃げることだけはしない。ずっとお前たちを見続けていく。答えを、探していく。お前たちに何をやってやればいいのか、ずっと探していく」

P「今は……これで、いいのかな」

まゆ「……うふ、及第点ですね」
END

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:54:53.63 ID:k/JzgE+30
スレタイ関係ないし、何故か熱くなった。
即興にしてはマシだったとは思うが。

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/02/24(日) 00:55:46.33 ID:WKVZTaJY0
凜ちゃんいなくなっちゃってるじゃない鬼悪魔ちひろ!

引用元: 渋谷凛「…………」カチカチカチカチ