1: ◆p5ehD0VSYq8T 2016/06/21(火) 06:50:03.82 ID:9dEPvvQmO
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:51:22.21 ID:9dEPvvQmO
・某日、事務所
乃々「……」
P「……えーと、インタビューがこっちで、9時からで……」カタカタ
乃々「……」
P「11時から……写真集の撮影が……」カタカタ
乃々「……」
P「移動時間ギリギリだなぁ……ごめん乃々さん、この日は午前は休みなしかもです」
乃々「はぁ……それは大丈夫ですけど……」
P「ん、ありがとう乃々さん……」
乃々「……」
乃々「あの、プロデューサーさん……」
P「はい?」
乃々「その……前々から思っていたんですけども……」
乃々「……机の下で仕事をするの、やめてほしいんですけど……」
P「えぇ……?なんでですか?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:51:58.91 ID:9dEPvvQmO
乃々「えっと、なんでもなにも、机の下に2人も入ると狭いですし……」
P「はぁ……それはたしかに……」
乃々「それに、体育座りだとどう考えても仕事しづらいと思います……」
P「そうでもないんですけど……」
乃々「そしてなにより、もりくぼは1人になりたいから机の下にいるんですけど……」
乃々「プロデューサーさんが入ってきたら台無しなんですけど……」
P「でも、いつもこうして仕事してますし……」
乃々「はい、知ってます……」
P「乃々さんをスカウトする前から……」
乃々「え……それは知らなかったんですけど……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:52:32.03 ID:9dEPvvQmO
P「え?知らなかったんですか」
乃々「初耳なんですけど……それなりに長い付き合いなのに……」
P「入社1ヶ月後くらいからこうなんですけど……」
乃々「めっちゃ最初からじゃないですか……」
乃々「理由はなんですか?いぢめ?いぢめですか?」
P「まあ、はい……」
P「毎日のように飲みやキャバクラに誘ってくる先輩が当時いまして……」
乃々「その人から逃げるように机の下へ……」
P「そういうことです……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:53:06.29 ID:9dEPvvQmO
乃々「プロデューサーさん、お酒苦手なんですか……?」
P「お酒とか……むーりぃー……」
乃々「真似しないでほしいんですけど……」
P「すみません、つい……」
乃々「まあ、初犯なので許します……」
P「それに、ああいうお店のテンションがあまり好きじゃなくて……」
乃々「ああ、その気持ちわかります……痛いほど……」
乃々「もりくぼも文化祭の打ち上げとかだと、隅っこで小さくなってますし……」
P「でも参加するんだから、乃々さんは偉いですね……」ナデナデ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:53:55.72 ID:9dEPvvQmO
乃々「え?プロデューサーさんは参加してなかったんですか……?」
P「……り、リア充の方々といっしょにボーリングとか……カラオケとか……食事とか……」
P「む、むーりぃー……」ガクガク
乃々「えぇ……震えるほど怖いんですか……」
P「震えるほど怖いんですよ……」
乃々「それと、また真似されました……」
乃々「2回目ですし……イエ○ーカードなんですけど……」
P「イエ○ーカードは1回目なんですけど……」
乃々「……」
乃々「し、知ってましたし……」
P「……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:54:31.97 ID:9dEPvvQmO
P「まあ、乃々さんスポーツ興味なさそうですしね……しょうがないです」
乃々「そういうプロデューサーさんこそ、インドア臭がプンプンしてるんですけど……」
P「まあ……事実インドア派ですし……」
乃々「休日とか1日パジャマで過ごすタイプですか……?」
P「どうせ誰にも会いませんし……」
乃々「サボテン育ててたり……?」
P「写真見ます……?」
乃々「夜中にラジオを聞きながらポエム書いてそうですよね……」
P「それは乃々さんでしょ……」
乃々「まあ、これはもりくぼですけど……」
乃々「でも、プロデューサーさんも書いてますよね……?」
P「まあ、書いてますけど……」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:55:34.49 ID:9dEPvvQmO
乃々「あ……」
P「どうかしました……?」
乃々「えっと、その……なんだか無性にポエムが書きたくなってきました……」
P「今ですか……?」
乃々「今ですけど……」
乃々「その……プロデューサーさんの隣で書くなんて、もりくぼは恥ずかしくてしんでしまいます……むーりぃー……」
P「そんな簡単にしぬなんて言っちゃダメです……」
乃々「なので……机の下から出ていってほしいんですけど……」
P「えぇ……まだ仕事中なのに……」
乃々「普通仕事は椅子に座ってするものなんですけど……」
P「でもこの椅子、まだ数えるほどしか座ったことありませんし……」
P「そんな椅子で仕事がちゃんとできるかどうかわからないですし……」
乃々「そこは職人さんを信じてあげてほしいんですけど……」
P「大量生産のやつだと思われるんですが……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:56:01.39 ID:9dEPvvQmO
乃々「じゃあ、せめて目をつぶっていてほしいです……」
P「まあ、それなら……」
P「でも、あまり長く仕事を中断しておけませんし……急いで書いてくださいね……」ギュッ
乃々「りょうかいです……」カキカキ
P「……」
乃々「……」カキカキ
P「……」
乃々「……」ウーン
P「……」
乃々「……」カキカキ
P「……」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:56:32.34 ID:9dEPvvQmO
P「……乃々さん乃々さん」
乃々「……どうかしましたか?」
P「緊急事態です」
乃々「……はぁ」
P「ポエムが書きたくなってきました」
乃々「……さようですか……」
P「さようです……」
P「ずっと目を閉じていると……世界が闇につつまれて……」
乃々「……」
P「変わらぬペースで時を刻む時計の音……外から聞こえる車の音、道行く人々の喋り声……」
P「そして、乃々さんが走らせる鉛筆の音……」
乃々「……」カキカキ
P「そういったものから、インスピレーションを得て……ポエムが頭の中を渦巻いているような……いないような……」
乃々「……」カキカキ
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:57:21.30 ID:9dEPvvQmO
乃々「……プロデューサーさん、目、開けていいですよ」
P「え?」
乃々「いや、だから……ポエム、書き終わりましたから……」
P「ああ、そういえばそういう状況でしたね……」
乃々「えっと、では、お仕事の続きをどうぞ……」
乃々「もりくぼは漫画を読んでますから……」
P「りょうかいです……」
P「……」カタカタ
乃々「……」ペラッ
P「……」カタカタ
乃々「……」ペラッ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:58:15.24 ID:9dEPvvQmO
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P「……ふー」
乃々「……お仕事、おしまいですか?」
P「……いや、あんまり終わってないですね……」
乃々「え、もう終業時間なんですけど……」
P「まあ、その、なんだ……あれです」
P「……むーりぃー……」
乃々「……」
P「……」
P「……有り体に言うと、残業ですね……」
乃々「……えっと、その、頑張ってくださいね、プロデューサーさん……」
P「はい……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 06:59:44.18 ID:9dEPvvQmO
P「……このところ残業続きです……」
P「そのくせ乃々さんの仕事はあんまり増えてないですし……」
乃々「まあ……そうですね……」
P「……やっぱり、プロデューサー向いてないのかもしれません……」
乃々「……」
乃々「たしかに……そうかもしれないです……」
乃々「もりくぼなんかスカウトしちゃうくらいですし……」
乃々「お世辞にも有能プロデューサーとは言えないですよね……」
P「……」
P「いや、乃々さんはアイドルの資質あると思いますけど……」
P「トップアイドルを狙える逸材だと確信してるんですけど……」
乃々「……」
乃々「……なら、その資質を見いだしたプロデューサーさんも資質があることになりますし」
P「……」
P「……そうですね」
乃々「そうですよ……」
P「……よし、もうひと頑張りしますか」
乃々「もりくぼも最後まで付き合います……」
P「……ありがとう、乃々さん」
乃々「パートナーですし……当然なんですけど……」
おわり
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/21(火) 07:30:04.46 ID:/PV8h3iU0
乙
なんだろうこの後ろ向きな癒しの空間ww
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