夏海「ふぃーお風呂上がったよー」

夏海「姉ちゃーん。次いいよー」

小鞠「私見たいテレビあるから、お兄ちゃん入って」

兄「」ｳﾝ

バッ！

夏海「ちょっと待った！！」

兄「？」


夏海「え、えーと…風呂場に忘れ物してきたから！兄ちゃんはまだ入らないで！」

兄「」ｳﾝ


夏海（変な匂いとか残ってたら嫌だから、空気の入れ替えをしないと！）

夏海（というか、ウチの後に入ろうとするな！この無神経男！）

小鞠（とか考えてるんだろうなー）

小鞠「やっぱりブラコンじゃないの？」

夏海「何言ってんのさ。ウチがブラコンの訳ないじゃん」


小鞠「そういえば、お兄ちゃんが最近夏海が女らしくなってきたって褒めてたよ？」

夏海「へ、へぇ～」

夏海（髪留め用のゴムを毎日変えるようにしたの、兄ちゃん気付いてくれたんだ…）

夏海「えへえへっ//」


小鞠「ほら、すっごく嬉しそうにしてる」

夏海「してない！」

一穂（先生）「じゃあ二人組作ってフォークダンスの練習するよー」

れんげ「なっつん！やるん！」

夏海「オッケーれんちょん！」

小鞠「蛍やろっか？」

蛍「はい！」

兄「…」


夏海「ほら、兄ちゃんも一緒に来なよ。３人でやろうぜー」

兄「」ｳﾝ

一穂「あー、兄ちゃんはウチとやるから」

夏海「ぇ……」

一穂「夏海はれんちょんとやっていいよー」

夏海「あっ、うん…」

れんげ「なっつん？」


小鞠（すごくガッカリしてる…やっぱりブラコンじゃん）

蛍「えへへ～」

蛍「え？席替えですか？」

夏海「うん。ウチと交代しよう」

蛍「なるほど、私の席って卓センパイの隣ですしね」

夏海「違う違う。そういう風潮はあるけど、ウチは全然ブラコンじゃないよ？本当だよ？」

蛍「はぁ…」


夏海「ほらそれにさ、よく考えてみて？ウチって姉ちゃんの隣だから交代すれば…」

蛍「はい！さっそく席替えをしましょう！」

夏海「もうーほたるんってば仕方ないなー。ほたるんの頼みなら仕方ないねー」

蛍「～♪」


小鞠（無理矢理席替えして…やっぱりブラコンじゃん）

蛍「センパイ。来ちゃいましたー。えへへ」

小鞠（まあ、いいけど）

兄「…」

兄「…」

夏海（兄ちゃんが超真剣に何かしてる…）

兄「…」

夏海（うぅ…あんなに真剣な表情…男って…卑怯だよ…）ｷｭﾝｷｭﾝ


れんげ「兄にぃ何のお人形さん作ってるの？」

蛍「れ、れんちゃん見たらダメ！」

小鞠「お兄ちゃん！学校で猫耳半裸巨乳ショートカットお姉さん人形作るの止めてって言ったでしょ！」

兄「」ｼｭﾝ


夏海「はぁ…」

夏海（これさえなければなー）

　
バンッ

夏海「ふふーん。やっぱり腕相撲は夏海ちゃんの方が強いね！」

兄「」ｼｭﾝ


夏海「兄ちゃんは男としてダメだね」

兄「」ｼｭﾝ


夏海「まあまあ、そう落ち込まないでよ。兄ちゃんも姉ちゃんもウチが面倒見てあげるから」

兄「…」


小鞠（夏海。顔真っ赤にして嬉しそうに言ってる。やっぱりブラコンじゃん）

このみ（眼鏡君。またわざと負けてあげてるんだ。さすがシスコンだね）

　
コツン

夏海「あっ」

夏海（しまった、ひかかった。転ぶ！）


ギュウウ


兄「…」

夏海「…」

兄「…」

夏海「あ、ありがとう//」


小鞠「夏海ー顔赤くなってるよー」

夏海「な、なってない！」

小鞠（じゃあ、何でずっと抱き合ってるんだろう…）

蛍「…」

兄「…」


夏海「遠くの方に…二人が仲良さそうにお喋りしながら歩いてる…」

夏海「ぐっぐぐぐぐぐ」

夏海「兄ちゃんに小学生は犯罪だと自覚させなきゃ…」

夏海「それにほたるんには、もっといい人がいるって言うのに…」


夏海「というわけで、れんちょん隊員！二人を妨害するぞ！」

れんげ「あれはただのほたるんのペットの散歩なん」

夏海「え？」

れんげ「ほたるんのペットが兄にぃに懐いてるらしいのん」

夏海「…そ、そうなんだ」

れんげ「なっつんは何で慌ててたん？」

夏海「い、いや別に」


れんげ「やっぱり…ブラコン…」

夏海「あーれんちょん！あっちにＵＦＯが！」

れんげ「な、何ですと！？」

夏海「さあ、れんちょん隊員！行くぞ！」

れんげ「ラジャーなん！」


小鞠（…ヤキモチ妬いて、ブラコンじゃん）

小鞠「ってな感じで…将来的に心配で…その結婚できないし…絶対に親は反対するし」

このみ「小鞠ちゃんは蛍ちゃんとラブラブ恋人なのによく言うね？」

小鞠「な、何で、昨日から恋人同士になったの知ってるの！？」

このみ「ブラコンかー。うーん。そうだねー」

小鞠「聞いてよ！このみちゃん！」

このみ「そうだ！小鞠ちゃんがなっちゃんの前で『お兄ちゃん大好きー』って抱きつけばいいと思うよ？」

小鞠「え？」

このみ「その後、なっちゃんが怒れば、『夏海はブラコンだよ』って説得できるでしょ？」

小鞠「なるほど…」


このみ「まずは自覚させるのが大切だと思うんだ」

小鞠「うん！わかった。やってみる。ありがとうこのみちゃん」

このみ「頑張れー」

小鞠「あっ、夏海とお兄ちゃん！」

小鞠（これも夏海の為！夏海の為！）

ギュウウ

小鞠「お兄ちゃん大好きー」

兄「！？」

夏海「なっ」

小鞠（こ、これで夏海が怒れば…って、あ、あれ？）


蛍「しょ、しょんな…」

小鞠「ほ、蛍…い、いたの？」

蛍「せっかく昨日勇気を出して告白して…恋人になれたのに」

小鞠「え、えーと、あの…ね」ｵﾛｵﾛ

蛍「恋人になれたと思ってたのは私だけで…本当は嘘だったんですね…こんにゃのひどぉいです…」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

小鞠「蛍！ご、誤解だから！私はお兄ちゃんなんか好きじゃないから！ちょっと待ってー」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


夏海「えっ？二人とも恋人同士になったんだ…」

兄「…」

夏海「兄ちゃん？何で少しがっかりしてるの？姉ちゃんが兄ちゃんを好きじゃなかったから？それともほたるんが好きだったとか？ねえねえねえねえねえねえ」

兄「」ｳｳﾝ

■夜　越谷家

夏海「…」

兄「…」


蛍「すいません、センパイ…誤解しちゃって」

小鞠「ううん。蛍がちゃんとわかってくれて私嬉しい」ｽﾘｽﾘ

蛍（うぅ…スリスリしてくるセンパイ…可愛いよぉ～//）


夏海「」ｲﾗｲﾗ

兄「…」

夏海「…って、兄ちゃん？何でウチを見てるの？」

兄「…」


夏海（も、もしかして、姉ちゃん達に対抗して…イチャイチャしようって！？）

夏海（だ、ダメだよ兄ちゃん！ウチ達はまだ早すぎるからっ）

サワッ

夏海「え？髪にゴミが…？」

兄「」ｳﾝ

夏海「あっあははははは。ウチはわかってたよ？うん！わかってた！」

兄「？」

小鞠「夏海。顔真っ赤だよ？」

夏海「ち、違う！絶対に違う！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

兄「！？」

蛍「夏海センパイ！？こんな夜遅くにどこに行くんですか！？」

小鞠（照れ隠しの逃走。やっぱりブラコンじゃん）




夏海「ウチは絶対にブラコンじゃなーーーーい！」









　　　　　　　終わり